業務用エアコン寸法一覧|形状別サイズで設置計画

業務用エアコン寸法一覧|形状別サイズで設置計画

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業務用エアコン寸法一覧

業務用エアコン寸法選定のポイント
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形状別寸法規格

天井埋込・壁掛形・床置形など形状により寸法が大きく異なる

馬力と寸法の関係

同じ形状でも馬力により室内機・室外機サイズが変動

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メーカー別規格差

ダイキン・三菱・日立など各メーカーで微細な寸法差が存在

業務用エアコン天井埋込形の寸法規格

天井埋込形業務用エアコンは、設置場所に応じて4方向、2方向、1方向の吹出タイプに分類され、それぞれ異なる寸法規格を持ちます。

 

天井埋込4方向の標準寸法
天井埋込4方向タイプは最も一般的な業務用エアコン形状で、以下の寸法が標準的です。

  • 室内機:高さ236mm × 幅840mm × 奥行840mm
  • 室外機:高さ640mm × 幅800mm(+71mm突起) × 奥行290mm
  • パネル:高さ35mm × 幅950mm × 奥行950mm
  • 重量:室内機21.0kg、室外機47.0kg

天井埋込2方向の寸法特性
2方向吹出タイプは、コンパクトな設置スペースに適した設計となっています。三菱電機のズバ暖スリムHシリーズを例にすると。

  • 3馬力:高さ290mm × 幅770mm × 奥行650mm
  • 4馬力:高さ290mm × 幅940mm × 奥行650mm
  • 5-6馬力:高さ290mm × 幅940mm × 奥行650mm

天井埋込1方向の省スペース設計
1方向吹出タイプは、最もコンパクトな寸法設計が特徴です。三菱電機製品では。

  • 3馬力:高さ225mm × 幅1112mm × 奥行(詳細寸法要確認)

この形状は狭いスペースへの設置に最適で、特に廊下や細長い部屋での使用に効果的です。

 

業務用エアコン壁掛形のサイズ仕様

壁掛形業務用エアコンは、工事費用を抑えつつ十分な空調能力を実現する形状として、多くの事業所で採用されています。

 

壁掛形の標準寸法範囲
壁掛形の寸法は馬力と密接に関係しており、以下の範囲で変動します。

  • 1.5-2.3馬力:高さ299mm × 幅898mm前後
  • 3-5馬力:高さ350-400mm × 幅1000-1200mm前後
  • 6馬力以上:高さ400mm超 × 幅1200mm超

設置工事における寸法考慮事項
壁掛形エアコンの設置では、本体寸法に加えて以下の余裕寸法が必要です。

  • 左右:最低10cm以上の余裕
  • 上方:最低15cm以上の余裕
  • 下方:最低20cm以上の余裕(メンテナンス用)

これらの余裕寸法を含めた総設置スペースの計算が、適切な設置計画に不可欠です。

 

業務用エアコンメーカー別寸法比較

主要メーカーごとに微細な寸法差が存在するため、設置計画時には具体的な機種の寸法確認が重要です。

 

ダイキン製品の寸法特性
ダイキンの天井埋込カセット形シングルフロータイプでは。

  • 室内機:高さ185mm × 幅990mm × 奥行360mm
  • 室外機(2.8-5.6kW):高さ708mm × 幅795mm(+78mm) × 奥行300mm(+42mm)
  • 室外機(6.3kW):高さ786mm × 幅850mm(+74mm) × 奥行320mm(+66mm)

三菱電機製品の寸法規格
三菱電機のズバ暖スリムHシリーズは、コンパクト設計が特徴的です。

  • 統一高さ:290mm(多くの機種で共通)
  • 幅寸法:馬力により770-940mmで変動
  • 奥行:650mm(2方向タイプで統一)

メーカー間寸法差の実務的影響
同一馬力・同一形状でも、メーカー間で以下の差が発生します。

  • 横幅:最大50mm程度の差
  • 高さ:最大30mm程度の差
  • 奥行:最大40mm程度の差

これらの差は設置工事の際の配管ルートや電気工事に影響するため、事前の詳細確認が必要です。

 

業務用エアコン設置工事における寸法計画

業務用エアコンの設置工事では、機器本体の寸法に加えて、配管・電気工事・メンテナンススペースを総合的に考慮した寸法計画が求められます。

 

天井内寸法の事前確認項目
天井埋込形の設置では、以下の天井内寸法確認が不可欠です。

  • 天井懐の高さ:室内機高さ+配管スペース(最低50mm)
  • 梁との干渉:室内機四隅から梁までの距離
  • 配管ルート:冷媒配管・ドレン配管・電気配線の経路確保

室外機設置スペースの寸法計算
室外機の設置では、本体寸法に以下の余裕寸法を加算します。

  • 前面:最低60cm(メンテナンススペース)
  • 背面:最低10cm(放熱スペース)
  • 左右:最低30cm(通風確保)
  • 上方:最低150cm(上方排気確保)

配管長と高低差の寸法制約
業務用エアコンでは、室内機と室外機の配管長・高低差に制約があります。

  • 標準配管長:15-25m以内
  • 最大高低差:15-20m以内
  • 配管径:馬力により6.4mm-28.6mmで変動

これらの制約を超える場合は、冷媒追加充填や配管径変更が必要になり、工事費用に影響します。

 

業務用エアコン馬力と室内機寸法の関係

業務用エアコンの馬力と寸法には密接な関係があり、適切な能力選定には対象空間の用途別負荷計算が重要です。

 

馬力別適用面積と寸法の相関
6馬力を例にした適用面積と寸法の関係。

  • 事務所用途:94-139㎡(28-42坪)
  • 商店用途:70-103㎡(21-31坪)
  • 理美容室:55-70㎡(16-21坪)
  • 飲食店:43-70㎡(13-21坪)

同じ6馬力でも、用途により必要台数が変わり、結果として総設置寸法も変動します。

 

小馬力機の寸法効率性
1.5-2.5馬力の小馬力機は、寸法効率が高く設計されています。

  • 壁掛形:高さ300mm以下でコンパクト
  • 天井埋込:高さ200mm台で浅型設計
  • 設置工事:配管工事が簡素化

大馬力機の寸法計画上の注意点
8馬力以上の大馬力機では、以下の寸法計画上の注意が必要です。

  • 室内機重量増加:50kg超になり吊り金具強化が必要
  • 室外機サイズ拡大:設置面積1.5㎡以上を確保
  • 配管径拡大:28.6mm配管により配管ルート制約

マルチタイプの寸法最適化
個別運転マルチエアコンでは、1台の室外機で複数室内機を運転できるため、総設置寸法の最適化が可能です。

  • 室外機台数削減:設置スペース30-50%削減
  • 配管ルート集約:天井内配管スペース効率化
  • メンテナンススペース統合:点検作業効率向上

これらの寸法最適化により、特に中規模オフィスや店舗での設置効率が大幅に向上します。

 

業務用エアコンの寸法選定では、単純な能力計算だけでなく、設置環境の物理的制約、将来のメンテナンス性、工事コストを総合的に考慮した計画立案が、成功する空調設備導入の鍵となります。