
ジョリパット仕上げには大きく分けて「鏝仕上げ」「塗装仕上げ」「塗装+鏝仕上げ」の3つの種類があります。アイカ工業の調査によると、全180種類のパターンが存在し、それぞれ異なる施工方法と仕上がりを提供します。
主要な仕上げ種類の分類
これらの基本パターンから、建物の用途や設計意図に応じて最適な種類を選択することが重要です。外壁用途では耐候性を重視したラフパターンが人気で、内装では質感を重視したソフトパターンが多く採用されています。
各パターンの施工には専門技術が必要で、左官屋と塗装屋で扱える種類が異なります。特に難易度の高いパターンでは職人の技術レベルが仕上がりに大きく影響します。
職人領域別の対応パターン
コテ仕上げパターンでは、塗料を厚く塗布した後に専用コテで模様を描きます。ワイルドランダムパターンは最もポピュラーで、不規則な波状模様が特徴的です。一方、スプレー仕上げは高圧スプレーガンを使用し、粒子の大きさを調整することで異なる質感を作り出します。
意外に知られていないのは、同じパターンでも施工時の気温や湿度によって仕上がりが変わることです。特に冬期施工では専用の「ジョリパットノンフリーズ」を使用することで、低温下でも安定した品質を保てます。
パターンによって耐久性が大きく異なるため、建物の用途と立地条件を考慮した選択が必要です。外壁用途では耐候性を重視し、内装では美観と機能性のバランスを取る必要があります。
用途別推奨パターン
特に注目すべきは「ジョリパットクリーンマジック」で、光触媒技術により雨水を利用したセルフクリーニング機能を持ちます。これにより、従来の高圧洗浄によるメンテナンスサイクルを大幅に延長できます。
また、マンションなどの大規模建築物では「ジョリパットワイド」が推奨されており、広い面積でも均一な仕上がりを実現できる特殊配合となっています。
ジョリパットには180色以上のカラーバリエーションがあり、パターンとの組み合わせで無限のデザイン可能性を持ちます。色彩選択は建物の外観印象を大きく左右するため、慎重な検討が必要です。
テイスト別推奨パターンと色彩
天然土を配合した「ジョリパット爽土」は、古風で温かみのある色調が特徴で、和風建築との相性が抜群です。一方、「ジョリパットゼロ」はキラキラとした光沢感のあるデザインが多く、現代的な建築物に適しています。
意外な効果として、同じ色でもパターンによって見え方が大きく変わることがあります。スクラッチパターンでは陰影により色の濃淡が強調され、スプレーパターンでは均一で柔らかな印象となります。
パターンの複雑さと施工難易度により、コストは大きく変動します。適切なパターン選択により、予算内で最大の効果を得ることが可能です。
施工コスト目安(1㎡あたり)
コスト削減の秘訣として、「ジョリコート」の活用があります。これはジョリパットの廉価版で、スプレー吹き付け専用ながら十分な品質を保ちます。大面積の施工では大幅なコスト削減が可能です。
また、長期的な経済性を考慮すると、初期コストが高めでも耐久性の高いパターンを選択することで、メンテナンス費用を含めた総コストを抑えることができます。特に「ジョリパット∞(インフィニティ)」は退色しにくく、長期間美観を保持できるため、商業施設などで重宝されています。
改修工事では「ジョリパットフレッシュ」シリーズを使用することで、既存のジョリパット仕上げの色変えやメンテナンスを経済的に行えます。これにより、全面改修より大幅なコスト削減が実現できます。
現場での施工効率も重要な要素で、ローラーパターンは比較的短時間で施工でき、人件費の削減につながります。一方、手作業による複雑なコテ仕上げは時間がかかるものの、他では表現できない独特の質感を生み出せます。
アイカ工業の公式パターンバリエーション一覧では、各パターンの詳細な施工方法と仕上がりサンプルを確認できます。
https://www.aica.co.jp/products/wall-material/jolypate/pattern/