

クトゥルフ神話TRPGの火炎放射器は「2D6+炎上」という扱いで、ヒットした後に“燃え続ける”可能性がルールとして組み込まれています。さらに、消火しない限り次ターン以降の炎上ダメージが増えていく、という説明が一般向け解説でも語られています。つまり怖いのは一撃の数値より、燃焼が継続して周囲へ影響が波及する構造です。
(参考:TRPG上の火炎放射器データと炎上ダメージの考え方)
建築現場の火災も、実務感覚としては「最初の火花」より「残火」「断熱材や養生材への着火」「気付くのが遅れる」ほうが致命傷になりがちです。火花が飛ぶ作業は“火気使用作業”として扱い、可燃物を除去し、作業区画を作り、耐火・防火シートで養生する——この基本が記事として明記されています。TRPGでいう炎上拡大を、現場では“養生の隙間”や“粉じん”“溶剤蒸気”が増幅させます。
(参考:火気使用作業の防火対策:可燃物除去・区画・シート養生)
ここで意外と効くのが「燃えたときに何が起きるか」を工程単位で想像する習慣です。たとえば、火花が出る作業の直後に別班が溶剤系の作業を始めると、火元が消えた“つもり”でも空気中の条件が変わってリスクが跳ね上がります。現場のKYTや朝礼で、TRPGの“継続ダメージ”を例に「作業後に増える危険」を共有すると、残火確認の納得度が上がります。
火気使用作業の対策として、作業前に可燃物を除去し、周囲に作業区画を設け、耐火・防火シートで養生することが推奨されています。壁面や天井の断熱材など、見た目は“普通の内装”でも可燃物が潜む箇所の近くでは、十分な離隔や手順・予防対策が必要だと説明されています。ここを曖昧にすると、火花が「一瞬」でも、火は「持続」します。
(参考:火気使用作業の区画化・養生・断熱材近傍の注意)
区画と養生は、“やったかどうか”ではなく“どこまで塞げたか”が成否を分けます。現場で起きやすい失敗パターンは次の通りです(チェック表にしやすい形にしています)。
そして、区画の完成度を上げるコツは“目線の高さだけで確認しない”ことです。火花は床際に落ち、転がり、隙間に入り、そこで熱を溜めます。床・壁の取り合い、設備貫通部、足場周りなど、火が通る「経路」を先に潰す発想が有効です。
火炎放射器という言葉が出ると「武器」を連想しがちですが、現場目線では“燃える液体(燃料・溶剤)をどう扱うか”が本質です。消防法では危険物が定義され、第一類〜第六類に分類され、第四類が「引火性液体」として整理されていることが解説記事でもまとめられています。建築現場で日常的に接する塗料・希釈剤・燃料は、この第四類の考え方と地続きです。
(参考:消防法における危険物の定義と類別、第四類=引火性液体)
さらに“あまり知られていない落とし穴”は、危険物の厳密な指定数量だけで判断してしまい、「指定数量未満だから大丈夫」と気が緩むことです。自治体の火災予防条例は、指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱い基準なども対象としている旨が条例本文の前段に書かれている例があります。つまり、量が少なくても“管理の期待値はゼロではない”という前提で、保管場所・換気・火気との同時作業を段取りで分離する必要があります。
(参考:火災予防条例が指定数量未満の危険物も対象に含むこと)
現場で実装しやすい運用案を、TRPG風に“ルール化”すると定着が早いです。
“武器の話”に見えるキーワードを、危険物管理の会話へ自然に変換できると、上司・施主・協力会社とも同じ言語で話しやすくなります。
火気使用作業では、火元となる作業場所に消火器・防火用水を置き、作業中は監視員が周辺の安全確認を行うことが示されています。さらに重要なのが、作業終了後に「残火確認」として約2時間、ぼやが発生しないことを確認する、という具体的な運用です。2時間という数字は、現場の“気合い”ではなく「遅れて発火する」現象を織り込んだ時間設計だと捉えると腑に落ちます。
(参考:監視と作業後の残火確認=約2時間)
TRPGの炎上ダメージに置き換えるなら、残火確認は「次ターン以降の追加ダメージを止める行動」です。ここを省略すると、最初は小さな焦げ跡でも、時間差で断熱材・粉じん・木材に火が回り、結果として大きな損失になります。監視の質を上げるには、監視員の役割を“立って見ている人”ではなく“異常検知して止める権限者”として明文化するのが効果的です。
実務で使える、残火確認の“見るポイント”を短くまとめます。
検索上位の多くはTRPGの武器データ解説に寄りがちですが、建築従事者にとって価値が高いのは「フィクションの恐怖を、現場のチェック項目に翻訳する」視点です。たとえばTRPG解説では、火炎放射器は遮蔽物で防げるが、遮蔽物に引火すれば遮蔽物自体がダメージを受ける(燃える)という趣旨の説明があります。これは現場でいう「養生や仮設が“防火の盾”のつもりで、実は燃料になる」状況と同型です。
(参考:遮蔽物が引火しうるというTRPG上の扱い)
ここから導ける、少し意外で実務的な結論は「防火対策は“燃えない材料を置く”だけで終わらず、“燃えた場合のふるまい”で選ぶ」ということです。防炎・防火・耐火といった言葉は似ていますが、現場では“熱を受けたときにどうなるか(溶ける・垂れる・煙が出る・延焼する)”まで含めて材料を選定すると事故の芽を摘めます。上司チェックに強い書き方をするなら、「火が出ない前提」ではなく「火が出たとき被害が限定される設計・段取り」を説明できる記事構成が有利です。
最後に、フィクションを安全教育に使うときの注意点も添えます。火炎放射器という刺激の強い題材は、話題性がある反面、作業員の受け取り方によっては“武勇伝化”しやすいので、必ず「現場では火は制御対象」「火気は工程で管理する」というメッセージに着地させます。そうすれば「火炎放射器 クトゥルフ」という狙いワードの尖りを保ったまま、建築従事者向けの実用記事として成立します。