角波トタン寸法一覧表と選び方ガイド

角波トタン寸法一覧表と選び方ガイド

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角波トタン寸法一覧

角波トタン寸法の基本構成
📏
標準サイズ展開

6尺から10尺まで5段階の長さと複数の幅展開

板厚バリエーション

0.19mmから0.6mmまで用途別に選択可能

🏗️
オーダー対応

特殊寸法や長尺物件向けカスタム製作

角波トタンの標準寸法と尺貫法表記

波トタンの寸法表記は建築業界の慣習により尺貫法が主流となっています。基本的な寸法体系を以下の表で整理しました。

 

尺表記 長さ(mm) 標準幅(mm) 一般的な用途
6尺 1,820-1,829 620-655 小規模物件・補修工事
7尺 2,120 655 住宅外壁・倉庫
8尺 2,420-2,430 650-655 中規模建築物
9尺 2,730 655 大型倉庫・工場
10尺 3,030 655 長スパン建築物

モノタロウで販売されている6尺タイプは板厚0.19mm×巾620mm×長さ1829mmの10枚セットが標準仕様です。価格.comの調査では、8尺サイズ(2430mm)の幅650mm、肉厚0.19-0.25mmの製品が多く流通していることが確認できます。

 

意外な事実として、同じ尺表記でもメーカーによって数ミリの寸法差があります。例えば6尺では1,820mmと1,829mmの両方が存在し、現場での継ぎ手処理に影響を与える可能性があります。発注前の寸法確認は必須です。

 

角波トタンの板厚別仕様比較

角波トタンの板厚は構造強度と経済性のバランスを決定する重要な要素です。月星商事の角波A型シリーズでは0.27、0.35、0.4、0.5、0.6mmの5段階の板厚を展開しています。

 

薄板仕様(0.19-0.27mm) 🟡

  • 軽量で施工性に優れる
  • コストパフォーマンスが高い
  • 風荷重の少ない内装向け
  • 長期耐久性には限界がある

中厚仕様(0.35-0.4mm) 🟠

  • 外壁材として最も一般的
  • 耐風圧性能が向上
  • ガルバリウム鋼板との組み合わせで防錆性確保
  • 1m当たりの重量約1.3kg

厚板仕様(0.5-0.6mm) 🔴

  • 屋根材としても使用可能(角波A-Ⅲ型は軽微な建築物の屋根材として検討可能)
  • 高い構造強度を要求される部位向け
  • リブ付は0.5mmまでの対応
  • 重量増加による施工コスト上昇

楽天市場の建材ステーションでは、0.35mm厚のガルバリウム鋼板製角波が最も人気で、錆びにくさと施工性のバランスが評価されています。

 

角波トタンの働き幅による用途別選定

角波トタンの働き幅は施工効率と意匠性を左右する重要な寸法です。セキノ興産では用途別に3つのカテゴリーで展開しています。

 

長尺角波914(働き幅750-800mm) 🏢

  • 大型物件にフィットするダイナミックなデザイン
  • 施工効率が高く人件費削減効果
  • 継ぎ目が少なく防水性能向上
  • 大型物件やファサードデザイン重視の建築物向け

長尺角波455(働き幅365-408mm) 🏠

  • ハンドリングの良い外壁材
  • 住宅規模に適した寸法
  • 細かな意匠表現が可能
  • 一般住宅や小規模店舗向け

SK角波サイディング914(働き幅750-800mm) 🎨

  • リズムを感じる角波ライン
  • 意匠性と施工性の両立
  • 商業建築物や意匠重視物件向け

月星商事の角波A型では原板幅914mm、働き幅760mmが標準で、㎡当たり1.32mの施工効率を実現しています。楽天の建材ステーションでは、3山タイプ(働き幅370mm)と4山タイプ(働き幅380mm)の2種類を展開し、山数による意匠の違いも選択できます。

 

角波トタンの特殊寸法とオーダー対応

標準規格品では対応できない特殊な施工条件に対して、多くのメーカーがオーダー寸法サービスを提供しています。楽天の建材ステーションでは以下の詳細なオーダー仕様を確認できます。

 

オーダー可能寸法範囲 📐

  • 最短寸法:L=150mm(製作の制約により)
  • 最長寸法:L=3,000mm(配送の制約により)
  • M型最短寸法:800mm
  • L=600mm未満は割高になることがある

配送制約事項 🚛

  • L=2,200mm以上は運送店への引き取りが必要
  • 4tトラックの搬入ルートが確保できない地域は配送不可
  • 個人宅及び現場配送不可の商品が存在
  • 商品は原則として車上での受け渡し

製作時の技術的制約 ⚙️

  • 成形最小寸法は800mmが一般的
  • 極端な短尺品は製作精度に影響
  • 長尺品は運搬時の変形リスクが増加
  • 特殊色や表面処理は別途相談が必要

意外な盲点として、オーダー品は標準品と比較して納期が2-3週間延びることが多く、工程計画への影響を考慮する必要があります。また、端材活用を前提とした寸法設定により、材料費を大幅に削減できる場合があります。

 

角波トタン寸法選定時の意外な注意点

角波トタンの寸法選定では、カタログスペックだけでは見えない実務上の重要ポイントがいくつか存在します21。現場での施工経験から得られた知見を共有します。

 

熱膨張による寸法変化 🌡️
夏場の炎天下では、長尺の角波トタンは最大10-15mmの伸びが発生します。特に濃色系の塗装品では熱吸収率が高く、継ぎ手部分での圧縮応力が問題となることがあります。9尺以上の長尺品を使用する場合は、熱膨張ジョイントの設置を検討する必要があります。

 

風荷重と板厚の関係性 💨
建築基準法の風荷重計算では、角波の山高と板厚の組み合わせが耐風圧性能を決定します。一般的に山高9mmの角波では、板厚0.35mm以上が推奨されますが、海岸部や高層部では0.5mm以上が安全です。

 

運搬効率と現場作業性 🚛
10枚セットでの重量は板厚により大きく変化し、0.19mm厚で約23kg、0.35mm厚では約40kgとなります。人力での搬入を前提とする現場では、重量制限を考慮した寸法選定が作業効率を左右します。

 

継ぎ手処理と防水性能 💧
角波トタンの長手方向継ぎ手は、山部での重ね代が150mm以上必要です。計画寸法から継ぎ手ピッチを逆算し、最適な製品長さを選定することで、継ぎ手数を最小化できます。これにより防水性能向上と施工コスト削減の両方を実現できます。

 

建設業界での技術仕様検討において、これらの実務的な観点は設計段階での十分な検討が必要な重要項目です。特に大型プロジェクトでは、わずかな寸法選定ミスが大きなコスト増につながる可能性があるため、慎重な検討が求められます。