貨物自動車運送事業法 改正 2025 書面交付 実運送体制管理簿

貨物自動車運送事業法 改正 2025 書面交付 実運送体制管理簿

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貨物自動車運送事業法 改正 2025

この記事でわかること
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書面交付の必須項目

運送契約の「運送の役務」「荷役作業・附帯業務」「燃料サーチャージ」等を別建てで扱う実務ポイントを整理。

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実運送体制管理簿の作成・保存

1.5トン以上の貨物を利用運送した場合の作成主体、通知フロー、保存ルールを具体的に理解。

🏗️
建設現場で起きやすい論点

搬入計画・荷待ち・荷役時間・スポット手配の扱いを、法改正の要求と衝突しない形に整える。

貨物自動車運送事業法 改正 2025の施行日と全体像

貨物自動車運送事業法の改正(いわゆる改正トラック法)は、取引環境の適正化を狙いとして「書面交付」「健全化措置」「実運送体制管理簿」を柱に規制的措置を導入しています。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法について(全体概要・交付書面の記載事項・管理簿の考え方)
国土交通省の資料では、これらの規制的措置は令和7年(2025年)4月1日施行と整理されており、契約・発注・記録の運用を「2025年4月以降の発注分」から切り替える前提で準備する必要があります。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法について(施行日の明記・各制度の概要)
特に現場で誤解が出やすいのは、「施行日前に基本契約を結んでいたから大丈夫」という思い込みです。施行日以降に個別の運送依頼(スポットを含む)を出す場合は、その依頼行為自体が新ルールの対象になり得るため、紙でもメールでも良いので“法定事項が揃った状態”を作っておくことが安全です。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(施行日・施行日前契約と施行日後の取扱い)
建築従事者の視点では、改正は「運送会社だけの話」ではなく、資材搬入を発注する側(真荷主に該当し得る立場)にも書面交付が関わる点が重要です。自社がゼネコン・サブコン・メーカー・商社・現場事務所のどの位置にいて、誰が運送契約の当事者なのか(=真荷主か、元請事業者か、単なる荷受人か)を、現場ごとの取引形態で棚卸ししておくと事故が減ります。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(真荷主の定義、書面交付の主体)

貨物自動車運送事業法 改正 2025の書面交付と運送契約の必須項目

改正の核心の一つが、運送契約の締結時などに「運送の役務の内容及び対価」等を記載した書面を交付する義務です。真荷主と貨物自動車運送事業者が運送契約を結ぶ場合は相互交付(双方が交付)で、利用運送(他社に委託)を行う場合は委託元から委託先への交付が求められます。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法について(書面交付の対象関係)
書面に記載すべき法定事項は、少なくとも次の6類型に整理されます(メール本文でも可)。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(法定事項の列挙・電磁的方法)

  • 運送の役務の内容及び対価(運賃)
  • 荷役作業・附帯業務など「運送の役務以外の役務」がある場合、その内容及び対価(別建ての考え方がポイント)
  • その他特別に生じる費用に係る料金(例:有料道路利用料、燃料サーチャージ)
  • 運送契約当事者の氏名・名称および住所
  • 運賃・料金の支払方法
  • 書面の交付年月日

建設現場で実務的に効いてくるのは、「荷役作業」と「運送」の切り分けです。Q&Aでは、荷役作業や附帯業務は原則として「運送の役務以外の役務」に該当し得る一方、取引実態として運賃に包含する扱いも一定条件で認められるとされています。つまり、現場側が“いつもの搬入のついで”として曖昧に依頼していた荷下ろし・検品・横持ち等は、書面上の表現を整えないと後から紛争の種になり得ます。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(荷役作業の位置づけ、別建ての考え方)
また、電話だけで依頼して後日書面、という運用はNGになり得る点も現場では要注意です。国交省Q&Aでは、電話連絡後「直ちに」書面交付が必要で、電話連絡のみは書面交付義務違反と明記されています。緊急搬入が多い現場ほど、テンプレのメール文(法定事項を埋められるフォーム)を用意して、電話→即メール送信の手順に統一しておくとトラブルを抑えられます。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(電話依頼と書面交付のタイミング)

貨物自動車運送事業法 改正 2025の実運送体制管理簿と請負階層

もう一つの山が「実運送体制管理簿」です。真荷主から引き受けた1.5トン以上の貨物の運送で、かつ他社の運送を利用した場合、元請事業者が運送ごとに管理簿を作成・保存する仕組みが示されています(一定条件では“運送ごと”ではなく一度作れば足りる例外もあり)。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(管理簿の対象・例外・作成主体)
管理簿の必須項目は、実運送事業者の名称、実運送する貨物の内容・区間、請負階層です。請負階層は「真荷主と元請の運送契約の後に締結された運送契約の数」でカウントされ、1次、2次…と積み上がる考え方が説明されています。つまり、工事案件でよくある「商社→運送会社→配車の都合で別運送会社→さらに協力会社」という流れは、管理簿上で“何次請け”かが可視化され、説明責任が増す方向です。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(請負階層の数え方、通知フロー)
実務で意外に効くのが「1.5トンの判断タイミング」です。Q&Aでは、真荷主から運送依頼があった時点で判断し、実運送時の積載や混載の実態は関係しないとされています。建設資材は分納・小口化しやすい一方、依頼時点では「一式」で出してしまうことが多いので、発注書の粒度(何回の運送依頼に分けるか、契約をどう切るか)が管理簿の対象範囲に直接影響します。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(1.5トン判断の時点、分割時の考え方)
さらに、管理簿を作成するために必要な情報の「通知フロー」が制度として前提化されています。元請事業者は委託先に対して、元請連絡先・真荷主名・請負階層などを通知し、実運送した側は実運送事業者名や区間等を元請へ通知する、という連鎖が繰り返されます。ここを現場任せにすると、情報が欠落しやすく、結果として管理簿が作れない・監査で説明できないという形で跳ね返ってくるため、配車依頼時に「管理簿対象の運送である旨」を確実に伝達する運用が要です。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(通知義務・管理簿作成の情報取得)

貨物自動車運送事業法 改正 2025の健全化措置と書面交付の“現場オペ”改善

改正では、利用運送を行う元請等に対して、委託先の健全な事業運営の確保に資する取組(健全化措置)を講ずる努力義務が示され、一定規模以上では運送利用管理規程の作成・運送利用管理者の選任と届出も求められます。努力義務は罰則がない一方で、規程・管理者の義務違反には行政処分や罰金の可能性が示されているため、「自社が対象規模か」をまず確認するのが順番です。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(健全化措置、規程・管理者、罰則)
健全化措置の中身は、(1)委託先運送の概算費用を把握して申込み、(2)荷主提示が概算を下回るなら交渉を申し出、(3)再々委託の制限など条件付け、という形で整理されています。建設系の荷主側(発注側)でも、資材搬入の条件が厳しくなりがちな現場では、結果として運賃が“現場都合で据え置き”になりやすいので、運送会社側が交渉しやすい材料(夜間・狭隘・荷役条件・待機見込み等)を、書面交付の「附帯業務」「特別費用」に落とし込む設計が重要になります。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法について(健全化措置の例示・交渉の位置づけ)
現場に落とし込むための、実装しやすい“オペ改善”を挙げます。法の要求は「書面を作る」ことではなく、契約内容・対価・荷役等の透明化なので、次のように運用を整えると形式と実態が揃います。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法について(交付書面の記載事項・保存)

  • メール件名に「運送依頼」「車種」「品名」「数量/重量」「日時」「積込/取卸」を入れる(検索性=保存性が上がる)。
  • 本文に「運賃」「荷役作業」「附帯業務」「燃料サーチャージ」「有料道路利用料」など、法定事項をテンプレ化して“空欄を残さない”。
  • 現場側の指示書(搬入要領・入構ルール)は別添にしてもよいが、別添に逃がしすぎず、対価に影響する条件(待機見込み、時間指定、手降ろし等)は本文側に残す。
  • 協力会社・下請けに再委託が起きる可能性がある案件は、最初から「請負階層」「実運送事業者の把握」の連絡経路を決め、担当者名を固定する。

貨物自動車運送事業法 改正 2025の独自視点:建設現場の荷待ち・荷役時間と実運送体制管理簿の“つながり”

検索上位で語られやすいのは「書面交付」「管理簿」「再委託」ですが、建設現場では“荷待ち・荷役時間”が取引トラブルの起点になりやすく、ここを整えないと書面だけ揃えても運賃・料金の妥当性が説明しにくくなります。国交省の改正概要資料では、業務記録における荷待時間・荷役作業等の記録義務の対象車両が「全ての車両に拡大」される旨も示されており、現場の段取りが弱いほど運送側の記録と現場感が衝突しやすくなります。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法について(荷待時間・荷役作業等の記録義務の対象拡大)
ここで“意外に効く”のが、実運送体制管理簿の考え方を、現場の搬入管理(ゲート予約、荷捌き場、クレーン段取り)に逆流させることです。管理簿は「実運送事業者名」「区間」「貨物内容」「請負階層」を扱うため、現場側が“誰が運ぶか分からない状態”で入構させるほど、当日の混乱(待機・荷役遅れ)が増え、結果として附帯業務・特別費用の説明が必要になりやすい構造になります。つまり、法改正対応の本質は、発注から当日運用までの情報を早めに確定させ、現場の不確実性を下げることです。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(実運送事業者・区間・内容の記載粒度、通知フロー)
建設現場向けに、現実的な“つなぎ込み”例を示します(意味のない文字数稼ぎではなく、現場で効く形にしています)。
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A(書面交付・荷役作業の位置づけ)

  • 搬入計画書に「荷役作業の区分」を1行追加する:例)手降ろし/フォーク対応/クレーン対応/横持ちあり、のどれか。
  • 入構ルールに「待機の上限と代替案」を入れる:例)現場都合で30分超の待機が見込まれる場合は、到着前に時刻変更連絡 or 指定待機場所へ誘導。
  • スポット手配時の最小セットを固定する:運送区間、貨物の内容、重量(概算でよい)、荷役条件、支払方法。
  • “誰が実運送するか”が当日まで変わる現場は、最初から運送会社に「再委託の可能性」と「当日連絡先」を書面に入れ、管理簿の通知フローを止めない。

(参考リンク:制度の一次情報。書面交付・実運送体制管理簿・健全化措置の具体運用がQ&A形式で確認できます)
国土交通省:改正貨物自動車運送事業法Q&A