

サブミクロンは、言葉としては「1マイクロメートル(1μm)未満」を表す呼び方で、粉体・微粒子の文脈で「サブミクロン粒子」のように使われます。
ただし、資料や業界によっては「1μm以下〜0.1μm程度」など、運用上の“だいたいの範囲”で語られることもあり、定義のズレが起きやすい点に注意が必要です。
建築分野でこのズレが問題になりやすいのは、仕様書・協議資料で「サブミクロンを除去」などと書いたとき、粒径の範囲が曖昧なままだと、フィルタ選定や測定方法が食い違うからです。
ここで最低限そろえておきたい単位感は次の通りです。
また、辞書的な説明として「サブミクロン=1ミクロンの10分の1(0.1μm)」のように紹介されるケースもあります。
参考)サブミクロンとは? 意味や使い方 - コトバンク
この説明は「サブミクロン」という語を“0.1μm級”の意味で使う慣習を反映していることがあり、現場では「1μm未満」なのか「0.1μm近辺」なのかを文書上で明確にするのが安全です。
サブミクロン領域は、肉眼で見えないため「測定して初めて議論できる」領域ですが、測定機器が何を指標にしているかで数値の意味が変わります。
一般に、粉じん計は粉じんの「質量」から濃度を計測する機器として説明され、パーティクルカウンターは粒子を「個数」で数える発想です。
この違いにより、サブミクロン粒子が多い現場では「個数は多いのに質量はそれほどでもない」現象が起きやすく、数値の読み間違いにつながります。
建築の解体・改修のように粉じん対策が重要な現場では、サンプリング条件(フィルタ直径、吸引時間、吸引空気量など)を記録し、測定値と管理濃度を比較して評価する枠組みが示されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1126-8i.pdf
つまり「何μmを、どの方法で、どの地点で、どの時間で測ったか」が揃っていないと、“サブミクロンが多い/少ない”という結論は再現しません。
測定報告のチェック時は、次の項目が書かれているかを確認すると事故が減ります。
参考(測定の考え方・記録項目の根拠:サンプリング条件や評価の枠組み)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1126-8i.pdf
サブミクロン領域の粒子対策では、換気や局所排気に加えて、最終段に入れるフィルタ性能が議論の中心になります。
HEPAフィルターは、JIS規格で「粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上」の捕集率といった形で説明されることがあります。
さらに高い清浄度が必要な用途ではULPAフィルターが使われ、JIS規格で「粒径0.15μmの粒子に対して99.9995%以上」などと規定される旨が示されています。
ここが建築実務でのポイントで、サブミクロン対策は「フィルタを入れた」で終わらず、圧力損失(目詰まり)・漏れ・施工品質の管理まで含めて成立します。
参考)HEPAフィルター
例えば、ULPAは0.15μm粒子での捕集率を保証する、といった説明資料があり、仕様の確認に使えます。
参考)https://www.vilene.co.jp/product/aircon/pdf/hepaulpa.pdf
また、ULPAの性能評価ではMPPS(最も透過しやすい粒径)という考え方があり、粒径0.07〜0.20µm付近で評価する旨の解説もあります。
参考)ULPAフィルターとは?メリットやHEPAフィルターとの違い…
建築側のチェックとしては、次のように「粒径」「捕集率」「圧力損失(差圧)」がセットで示されているかを確認すると、後工程のトラブルが減ります。
参考(HEPA/ULPAの規定値:粒径0.3µm、0.15µmの捕集率の説明)
HEPAフィルター
サブミクロン領域は「最大粒径」だけで語ると危険で、実際には粒径分布(どのサイズがどれくらい存在するか)で性状が変わります。
粒子径の単位や範囲の整理では、μm、nm、そして「サブミクロン」という呼び分けが紹介されており、粒径を扱う前提知識になります。
建築材料や現場粉じんでも、“同じ粉”に見えても粒径分布が違えば、沈降のしやすさ、浮遊のしやすさ、フィルタの詰まり方が変わるため、対策がズレます。
あまり知られていない落とし穴として、粒子径分布を測る装置や原理が違うと「同じ試料でも分布が違って見える」ことがあります(測定範囲・原理が異なるため)。
このため、協力会社から「サブミクロンが多い」という報告が上がったときは、数字だけでなく“測定レンジと原理”をセットで確認しないと、対策(フィルタ変更・換気増強・湿式化など)の優先順位を誤ります。
チェック用の実務メモとしては次の通りです。
サブミクロン対策は高性能フィルタや測定の話に寄りがちですが、建築現場では「発生させない」「拡散させない」設計の方が費用対効果が出る場面が多いです。
その根拠として、粉じん対策では隔離や換気の効果確認を測定で行う枠組みが示されており、発生源の区画・負圧管理・動線管理が重要になることが読み取れます。
つまり、サブミクロン領域を“ゼロにする”ではなく、「区画外へ出さない」「滞留させない」「再飛散させない」を現場運用で作るのが現実解です。
実務で効く独自視点として、次の3点は“検索上位の一般解説”では抜けやすい一方、現場で差が出ます。
建築従事者向けに言い換えると、「サブミクロン とは=小さい粒子」だけでは不十分で、「小さいからこそ、区画・換気・清掃・測定のつながりで管理する対象」と捉えると判断が速くなります。