型枠フォームタイ寸法一覧と選定ガイド

型枠フォームタイ寸法一覧と選定ガイド

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型枠フォームタイ寸法一覧

型枠フォームタイの基本情報
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ねじ式フォームタイ

丸セパ・Pコン・座金を組み合わせた締付けコントロール型

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くさび式フォームタイ

ハットセパ・座金を使用した迅速施工型

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標準寸法規格

W5/16・W3/8・W1/2の3種類が主流サイズ

型枠フォームタイの基本構造と機能

型枠フォームタイは、コンクリート打設時に型枠の間隔を一定に保つための重要な金物です。コンクリートの重量による側圧は数トンに達することもあり、この圧力に対抗するため両側から単管パイプなどで締め付けて拘束力を与えます。

 

フォームタイの基本構成は以下の通りです。

  • ねじ式:フォームタイ本体、丸セパ、Pコン、座金で構成
  • くさび式:K型フォームタイ本体、ハットセパ、座金で構成
  • 材質:主にSS400相当またはS45C製

従来は角材を使用していましたが、フォームタイの導入により安全性が飛躍的に向上し、型枠の変形防止と強度向上を実現しています。特に変形しやすい箇所や大きな側圧がかかる土木工事では必須の部材となっています。

 

型枠フォームタイのサイズ別寸法表

主要なフォームタイの寸法を詳細に整理しました。現場での選定時に参考となる包括的なデータを以下に示します。
C型フォームタイ(両面化粧仕上げ用)

品名 ねじサイズ 全長L(mm) ℓ1(mm) 単位質量(kg) 入数(個)
C-150 W5/16 150 95 0.15 200
C-150 W3/8 150 95 0.14 200
C-180 W5/16 180 125 0.17 150
C-180 W3/8 180 125 0.17 150
C-210 W5/16 210 120 0.19 150
C-250 W5/16 250 145 0.23 150

D型フォームタイ(土木用・大きな側圧対応)

品名 ねじサイズ 全長L(mm) ℓ1(mm) ℓ2(mm) 単位質量(kg)
D-250 W1/2 250 120 85 0.21
D-300 W1/2 300 120 85 0.25
D-360 W1/2 360 120 85 0.30

K型フォームタイ(くさび式)

品名 ねじサイズ 全長L(mm) ℓ1(mm) ℓ2(mm) 適用パイプ
K3L W5/16・W3/8 220 133 60 60角・48.6丸兼用
K2L W5/16・W3/8 160 73 60 60角・48.6丸兼用
K2P W5/16・W3/8 140 63 48 60角・48.6丸兼用

大型用W5/8フォームタイ

品名 ねじサイズ 全長L(mm) 許容引張荷重 単位質量(kg)
W5/8-400 W5/8 400 60kN(6.0tf) 0.55
W5/8-450 W5/8 450 60kN(6.0tf) 0.61
W5/8-500 W5/8 500 60kN(6.0tf) 0.67

これらの寸法データは岡部株式会社の製品仕様書に基づいており、実際の現場での選定時に重要な参考となります。

 

型枠フォームタイの種類別特徴

型枠フォームタイは穴の数と固定方式により分類され、それぞれ異なる特徴と用途があります。

 

穴数による分類

  • 1つ穴タイプ:狭い場所や間隔の狭い型枠工事に適用
  • 短いため制約のある箇所に最適
  • さらに狭い場合は隣接金物を使用
  • 2つ穴タイプ:最も一般的で頻繁に使用される標準サイズ
  • フォームタイの代表的なサイズ
  • 多くの現場で汎用的に利用
  • 3つ穴タイプ:強力な圧力を加えられる大型構造物用
  • 長めのサイズで制約が少ない
  • 大量のコンクリート打設現場に適用

固定方式による分類
ねじ式フォームタイの特徴。

  • 締め付けコントロールが可能
  • 段差のある型枠工事に便利
  • 強力な圧力を加えられる種類もある
  • 使用頻度は比較的少ない

くさび式フォームタイの特徴。

  • 迅速な固定が可能
  • 豊富な種類が用意されている
  • 多くの現場で主流として使用
  • フォームタイの定番として普及

各種類の許容引張荷重も重要な選定要素です。C型・アイビーC型は28,000N(2,800kgf)、D型・アイビーD型は28,000N(2,800kgf)、K型は23,000N(2,300kgf)となっています。

 

型枠フォームタイ選定時の注意点

現場での適切なフォームタイ選定には、複数の技術的要因を考慮する必要があります。経験豊富な型枠技能者でも見落としがちなポイントを含めて解説します。

 

コンクリート側圧に基づく選定
フォームタイの使用量は側圧により決定されます。例えば丸セパW5/16使用時。

  • 20kN/㎡(2tf/㎡):1.42本/㎡
  • 30kN/㎡(3tf/㎡):2.14本/㎡
  • 40kN/㎡(4tf/㎡):2.85本/㎡
  • 50kN/㎡(5tf/㎡):3.57本/㎡

適用パイプとの適合性確認
地域により使用されるパイプ種類が異なるため注意が必要です。

  • 東日本:主に48.6φ丸パイプ使用地域
  • 西日本:50角・60角パイプ使用地域
  • くさび式フォームタイは両方に対応可能

梱包仕様と現場運搬効率

フォームタイ種類 入数 梱包質量 荷姿
C-150 W5/16 200個 29kg ケース
D-250 W1/2 100個 21kg ケース
W5/8-400 25個 14kg 縄締め

この梱包情報は現場への運搬計画や保管スペース確保に重要です。

 

施工環境による選択基準

  • 段差のある型枠:ねじ式が調整しやすい
  • 迅速施工が必要:くさび式が効率的
  • 高層建築物:より強力なD型やW5/8を検討
  • 仕上げ要求:B型(打放し)、C型(化粧仕上げ)、BC型(片面ずつ異なる)から選定

現場技術者向けの型枠金物に関する詳細情報
https://udouk-ensetsu.com/introduction-to-form-ties

型枠フォームタイのコスト最適化手法

現場でのフォームタイ使用において、品質を維持しながらコスト効率を向上させる実践的な手法を紹介します。これらの手法は大手建設会社でも採用されている業界のベストプラクティスです。

 

規格品の戦略的活用
特殊サイズの製作には時間とコストがかかるため、標準規格品の組み合わせで対応できるよう設計段階から検討することが重要です。規格外製作の場合、全長・ねじ長・材質・クリンプ加工の有無を指定する必要があり、納期とコストが大幅に増加します。

 

在庫管理の最適化戦略
フォームタイの在庫管理では回転率を重視し、以下の比率での備蓄が効果的です。

  • C型150・180:全体の60%(汎用性が高い)
  • D型250・300:全体の25%(大型案件対応)
  • K型各種:全体の15%(特殊用途)

リサイクル・再利用システム
適切な管理により、フォームタイは複数回の使用が可能です。

  • ねじ部の点検と清掃
  • 変形・損傷の有無確認
  • 許容引張荷重の定期チェック
  • 再利用回数の記録管理

調達コスト削減のポイント

  • まとめ発注:同一規格での大量発注により単価削減
  • メーカー直接取引:中間マージンの削減
  • 長期契約:年間使用量予測による価格固定契約
  • 代替品検討:同等性能での安価製品への置き換え

現場作業効率の向上施策
フォームタイの作業効率向上により、間接的なコスト削減が実現できます。

  • 専用工具の活用による作業時間短縮
  • 作業手順の標準化
  • 習熟度向上のための定期研修
  • 安全性向上による事故コスト削減

型枠工事における金物選定の詳細技術資料
https://www.nipponsteel.com/product/construction/handbook/pdf/2-14.pdf
これらのコスト最適化手法を組み合わせることで、品質を維持しながら総合的なプロジェクトコストを10-15%削減することが可能です。特に大型プロジェクトにおいては、初期の計画段階でこれらの要素を組み込むことが成功の鍵となります。

 

適切な型枠フォームタイの選定と効率的な運用により、安全で経済的な型枠工事を実現し、プロジェクト全体の成功に貢献できます。現場の実情に応じた柔軟な対応と継続的な改善により、更なる最適化を図ることが重要です。