型枠フォームタイ寸法一覧完全ガイド

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型枠フォームタイ寸法一覧

フォームタイ規格の全体像
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ねじ式フォームタイ

C型・D型・K型など多様な構造で精密な締付けが可能

くさび式フォームタイ

施工効率重視の現場で広く採用される主流タイプ

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規格寸法

150mm~500mm超まで豊富なサイズバリエーション

型枠フォームタイの基本構造と分類体系

型枠工事におけるフォームタイは、コンクリート打設時の側圧に対抗する重要な金物部材です。フォームタイ本体、丸セパ、Pコン、座金などで構成され、型枠板同士の間隔を一定に保つ役割を担います。

 

フォームタイの基本分類は以下の通りです。
構造による分類

  • ねじ式フォームタイ:ねじの締付けで圧力を調整
  • くさび式フォームタイ:くさび打込みによる締付け方式

穴数による分類

  • 1つ穴タイプ:狭小箇所用(2.5分・3.0分対応)
  • 2つ穴タイプ:標準的なサイズ(最も汎用的)
  • 3つ穴タイプ:大型構造物用

コンクリートの側圧は数トン以上に達することも珍しくないため、適切な規格選定が施工品質を左右します。

 

ねじ式フォームタイの詳細寸法規格表

ねじ式フォームタイは精密な締付け調整が可能で、段差がある場合や厳密な施工が求められる現場で重宝されます。

 

C型フォームタイ(両面化粧仕上げ用)

品名 規格 長さ(L) ℓ1 単位質量 入数
C-150 W5/16 150mm 95mm 0.15kg 200個
C-180 W5/16 180mm 125mm 0.17kg 150個
C-210 W5/16 210mm 120mm 0.19kg 150個
C-250 W5/16 250mm 145mm 0.23kg 150個

D型フォームタイ(大側圧対応・土木用)

品名 規格 長さ(L) ℓ1 ℓ2 単位質量
D-250 W1/2 250mm 120mm 85mm 0.21kg
D-300 W1/2 300mm 120mm 85mm 0.25kg
D-360 W1/2 360mm 120mm 85mm 0.30kg

D型は大きな側圧を負担する用途に特化しており、土木工事での厚壁構造物に適用されます。W1/2(12mm)の太径ねじを採用し、許容引張荷重28,000N(2,800kgf)の高強度を実現しています。

 

K型フォームタイ(くさび併用型)

品名 規格 長さ(L) ℓ1 ℓ2 用途
K3L W5/16 220mm 133mm 60mm 標準
K2L W5/16 160mm 73mm 60mm 中間
K2P W5/16 140mm 63mm 48mm 狭小

くさび式フォームタイの寸法規格と特徴

くさび式フォームタイは全国的に最も広く採用されている主流タイプで、施工効率の良さが評価されています。くさび用のK型フォームタイ本体、ハットセパ、座金で構成されます。

 

2つ穴タイプ(標準仕様)

品名 規格 L ℓ1 ℓ2 入数 用途
8-2L W5/16 165mm 90mm 150mm 200個 60角パイプ用
9-2L W3/8 165mm 90mm 150mm 200個 60角パイプ用

3つ穴タイプ(大型構造物用)

品名 規格 L ℓ1 ℓ2 ℓ3 入数
8-3L W5/16 230mm 90mm 150mm 210mm 150個
9-3L W3/8 230mm 90mm 150mm 210mm 150個

くさび式の最大の特徴は施工スピードの向上です。ねじ式のようなナット回転作業が不要で、くさび打込みによる一発締付けが可能です。

 

アイビーねじ式本体(高強度仕様)
アイビー仕様は従来品より高い耐荷重性能を持つ改良版です。

品名 規格 長さ(L) 入数 特徴
A8-150 W5/16 150mm 95mm 100個 高強度
A8-180 W5/16 180mm 125mm 100個 高強度
A9-250 W3/8 250mm 145mm 100個 高強度

型枠工事における最適なフォームタイ選定基準

フォームタイの選定は、構造物の特性と施工条件を総合的に判断する必要があります。間違った選定は重大な施工不良につながるため、以下の基準を厳守することが重要です。

 

コンクリート側圧による選定基準
コンクリート側圧に応じたフォームタイ使用量の目安。

側圧 使用量(本/㎡) 推奨タイプ
19.6kN/㎡(2tf/㎡) 標準密度 C型・K型
29.4kN/㎡(3tf/㎡) 中密度 C型・D型
39.2kN/㎡(4tf/㎡) 高密度 D型推奨
49.0kN/㎡(5tf/㎡) 最高密度 D型必須

構造物形状による選定指針

  • 一般建築物:C型150~250mmが主流
  • 土木構造物:D型250~360mmを基本とする
  • 狭小部位:K2P(140mm)や1つ穴タイプを選択
  • 大断面構造物:3つ穴タイプや長尺品を採用

施工効率を重視した選定方法
作業効率を優先する場合は、くさび式フォームタイが有効です。特に以下の条件下では威力を発揮します。

  • 大量施工が必要な現場
  • 作業員の技能レベルが限定的な現場
  • 工期短縮が最優先の現場

一方、精密な仕上がりを要求される場合は、ねじ式フォームタイの採用を検討すべきです。

 

コスト効率を考慮した選定
初期コストだけでなく、施工効率、再利用性、メンテナンス性を総合評価することが重要です。高品質なアイビー仕様は初期投資は高くなりますが、長期使用での投資回収効果が期待できます。

 

型枠施工時の寸法管理と品質確保のポイント

フォームタイの性能を最大限に発揮するためには、適切な施工管理が不可欠です。寸法精度の確保と安全性の両立が現場の課題となります。

 

締付けトルク管理の重要性
ねじ式フォームタイでは、規定トルクでの締付けが品質を左右します。

  • W5/16(8mm):標準トルク 15~20N・m
  • W3/8(9mm):標準トルク 25~30N・m
  • W1/2(12mm):標準トルク 40~50N・m

過度な締付けは部材破損を招き、不足は型枠変形の原因となります。

 

配置間隔の最適化
フォームタイの配置間隔は、コンクリート側圧と使用荷重から算出します。一般的な配置基準。

  • 壁厚150mm以下:@600~900mm
  • 壁厚200~300mm:@450~600mm
  • 壁厚400mm以上:@300~450mm

施工時の安全確認事項
フォームタイ施工では以下の安全確認が必須です。

  • 部材の目視検査(亀裂、変形、腐食の有無)
  • 締付け後の再点検(緩み、偏芯の確認)
  • 型枠全体の垂直・水平精度測定
  • コンクリート打設前の最終点検

品質記録の管理
施工品質の客観的評価のため、以下の記録管理を実施します。

  • 使用したフォームタイの規格・数量記録
  • 締付けトルク値の測定記録
  • 型枠寸法の測定記録
  • 不具合発生時の対応記録

これらの記録は、後工程での品質保証や改善活動の貴重な資料となります。

 

現場での実践では、フォームタイの特性を理解した上で、構造物に最適な規格選定と丁寧な施工管理を心がけることが、高品質な型枠工事の実現につながります11。寸法データを参考に、安全で効率的な施工を進めてください。