

建築用マーカーの「種類」を大きく分けると、現場で最も出番が多いのはペイントマーカー(顔料系)と、いわゆるマジック(多くは染料系)です。ペイントマーカーは顔料系で不透明になりやすく、凹凸や濡れ面でも視認性を確保しやすい一方、一般的な油性マジックは染料系で“乗り”は軽いが湿気や凹凸でにじみやすい、という差が出ます。実際に配管の墨出し用途を例にすると、湿気の多いデッキ面や均一でないスラブ面では、普通のマジックよりペイントマーカーが有利だと整理されています。
ペイントマーカーは「線が太くても確実に残したい」「濃色下地でも白や蛍光で見せたい」場面で強く、指示表示や誘目ライン向きです。例えば建築向けに展開されている高耐久ペイントマーカーは、隠ぺい力と耐光性(退色しにくさ)を特徴としており、鉄筋・鉄鋼材・ガラス・コンクリートなど幅広い建材への筆記を想定しています。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E5%A2%A8%20%E5%87%BA%E3%81%97%20%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AF/
一方、マジックは「安価・携帯性・細太の使い分け」などの運用面が強みですが、仕上げ面での取り扱いは要注意です。現場によっては、油性マジックの床墨が禁止されることがあり、染料が後工程(長尺シート等)でにじみ出るリスクが理由として挙げられています。
参考)墨つぼ・チョークラインのおすすめ人気ランキング【2026年1…
建築用マーカーの種類を「油性/水性」で考えるのは分かりやすい一方、実務では「顔料/染料」まで見るとミスが減ります。顔料は粒子が残るため不透明・耐水・耐光に寄せやすく、染料は溶け込むため発色は良いが、下地への染み込み・にじみ・後工程への影響が出やすい、という性格差が出ます。工業用マーカーの整理でも「顔料=水や光に強い」「染料=色あざやか」と整理され、用途に応じて選ぶ前提が示されています。
水性でも顔料タイプなら、耐水性・耐光性を確保して“上から線を引いてもにじみにくい”といった設計の製品群が存在します。工業用カタログでは水性顔料インキの製品について、耐水性・耐光性に優れる旨が明記され、透明面や色付き面でも発色しやすい設計が紹介されています。
参考)https://kakaku.com/diy/ss_0029_0004/0008/
油性は乾きやすく耐水寄りになりやすい一方、溶剤が強いタイプは下地との相性問題(樹脂・塗装・仕上げ材)を起こすことがあります。さらに、工業用として性能が高いマーカーほど「使用上の注意」など一定の制限がある、という前提も押さえておくと運用トラブルを避けやすいです。
「建築用マーカー 種類」を現場の墨出し道具として捉えるなら、ペンだけでなくチョークと墨つぼ(チョークライン含む)も同列に入ります。チョークはコンクリート面などで“ざっくり”位置を出したい時に便利で、箒で掃いたり擦ったりすれば消せるため、可逆性(やり直しやすさ)が強みになります。現場の墨出し比較でも、チョークは消しやすく、厳密な線よりラフなルート出しで使われやすいと説明されています。
墨つぼは「長い直線を速く・真っ直ぐ出す」ための道具で、基準線や通り芯の延長など、線の品質そのものが施工品質に直結する場面で強いです。ペンで点や短い線を積み上げるとズレが出ますが、墨つぼなら直線を一発で決められるため、段取りの時短にもつながります。墨出し道具の比較記事でも、墨つぼは真っ直ぐな長いラインを簡単に出せる点が利点だとされています。
意外と見落とされがちなのが「どの種類の墨出し道具を採用するか」が、そのまま清掃・補修コストに跳ね返る点です。例えば仕上げ面で“消せる前提”が必要ならチョークや鉛筆寄り、残すべき基準線なら耐候・耐水・耐摩耗のペイントマーカー寄り、と最初に分けておくと、後工程の揉め事を減らせます。
建築用マーカーの種類には、液体インクだけでなく「固形」タイプもあります。固形のソリッドマーカーは、液ダレやボタ落ちを抑えつつ、濡れ面や水中でも筆記可能で、さらに耐熱性(例:150℃の加熱面に直接筆記が可能)といった液体ペンでは拾いにくい領域までカバーする設計が示されています。
固形タイプは、上向き作業や手元が汚れやすい状況で“扱いやすさ”がメリットになりやすいです。工業用マーカーの説明でも、固形タイプは「上向きでも書ける」「飛沫で服や手を汚しにくい」「撹拌が不要」など、現場運用で効くポイントが挙げられています。
また「消せる固形」も存在し、こすって消せるクレヨンタイプや、水で消せる水溶性マーカーなど、品質管理や一時マーキングに寄せた設計もあります。カタログ上でも「こすって消せる」「水で消せる」「アルコールで消せる」と消去方式まで含めて選べることが明確化されています。
建築用マーカーの種類選びで、検索上位記事が触れがちな「耐水・太さ・色」だけで決めると、現場では最後に痛い目を見ます。理由は単純で、墨そのものの性能より「仕上げに影響しないか」「後工程で問題化しないか」が、是正・手直し・クレームの起点になりやすいからです。実際に墨出し比較の解説でも、現場ルールに従うこと、そして最終仕上げ物に影響がないことが大前提として書かれています。
ここで意外に効くのが「濡れ面対応=安全」ではない点で、濡れた建材に書ける全天候型は強力ですが、強力ゆえに“消したい場所”には不向きになり得ます。建築向けの全天候マーカーは、雨水や結露が付いた建材にもマーキングでき、擦っても消えにくいことを特徴にしています。
つまり、残す線(基準線・指示)と、消す線(仮マーキング・検討ライン)を混ぜると、作業者の判断が後で詰みやすくなります。
運用で効く対策は「色と種類のルール化」です(例:白=ペイントマーカーで残す、黄色=チョークで仮、黒=鉛筆で仕上げ面)。種類の混在を減らすと、他職種との取り合いで“誰が消す/残す”が明確になり、現場の摩擦が減ります。墨出しの基本が「目で見て分かるように印をつける」作業である以上、視認性の統一は段取りそのものだと捉えると整理しやすいです。
仕上げ・塗装に関して、さらに深い落とし穴は「上塗りで浮き出る(ブリード)」や「塗膜の密着への影響」です。工業用の鉄鋼用マーカーでは、塗料を上塗りした際にインキの浮き出し(ブリード)が起こらないことや、塗装面での付着性が強いことが特徴として示されており、上塗り工程が絡む現場では“マーカー側の設計思想”を見て選ぶ価値があります。
参考:濡れた建材に書ける全天候マーカー/耐光の高耐久ペイントマーカーの特徴(種類選定の根拠)
https://jpn.tajimatool.co.jp/page/notice_20200526
参考:工業用マーカーの素材別適性、耐熱・消せる・消えにくい、ブリード等の考え方(種類を機能で整理)
https://www.craypas.co.jp/pdf/products/catalog/industrial-supporters.pdf