

FRP防水は、液状樹脂とガラス繊維を組み合わせて“塗膜”として防水層をつくる工法で、材料の主役は「防水用ポリエステル樹脂」と「防水用ガラスマット」、そして表面を守る「トップコート」です。
実務では「防水層(樹脂+ガラスマット)」と「仕上げ(トップコート)」を分けて理解するのが重要で、トップコートは紫外線・摩耗・汚れからFRP層を守る消耗部材として扱うのが基本になります。
ここでいう「種類」は、単にメーカー名の違いではなく、材料構成と仕様の違い(目付・樹脂系統・仕上げ性能)で現場の結果が変わる点にあります。例えば仕様書レベルでは、防水用ガラスマット#380の指定や、防水用ポリエステル樹脂を所定の規定材料にすることが示され、さらに樹脂使用量(硬化後の防水層厚さの目安)が平場約2.5mm、立上り約2mmといった“目安”まで明記されています。
つまり「FRP防水材の種類=どの樹脂・どのガラスマット・どの仕上げを、どの使用量で組むか」であり、材料選定は施工手順(可使時間・硬化・研磨・溶剤清掃)と不可分です。
現場で混乱しやすいのは、トップコートを“防水材そのもの”として扱ってしまうケースです。トップコートは防水層の上に塗る仕上げであり、FRPの本体(樹脂+マット)の健全性が前提です。実際、既存トップコートの種類によって塗り替え手順が変わり、水洗いだけで済むケースもあれば、ガラスマットが見えるまで削って溶剤拭き→プライマー→マット増し貼りまで求められるケースもあります。
参考:建築工事標準仕様書(JASS)相当の材料・使用量・注意事項(材料規定、厚み目安、スチレンの取り扱い等)が載っている
https://jpn.sika.com/dam/dms/jp01/roofing/brochure/DPC007_corrotect.pdf
FRP防水の「工法の種類」で最も現場に直結するのが、1プライと2プライです。これは“塗る回数”というより、防水層(ガラスマット+樹脂)を何層で構成するかの違いで、2プライは同じ工程をもう1層重ねて防水性・耐久性の余裕を取りにいく考え方になります。
実際の仕様例でも、1プライはガラスマット#450を1層、2プライはガラスマット#380を2層といった構成が提示され、材料使用量(樹脂量)も層数に応じて規定されています。さらにJASS相当の仕様では、平場RC下地でガラスマット#380を2層張り、樹脂塗りと仕上げ塗料塗りを組み合わせる構成が示され、硬化後厚みの目安(平場約2.5mm、立上り約2mm)まで触れられています。
この“厚みの目安”は、雨仕舞いというより耐摩耗・耐衝撃・ピンホールリスク低減に効いてくるため、歩行頻度が高い、物干し台や鉢植えが置かれる、工具落下が想定されるなどの条件で選定に差が出ます。
一方で、2プライにすれば万能かというとそうでもなく、下地が動く(挙動する)現場で無理に硬い層を厚くすると、別の弱点(端部の割れ、立上り入隅の応力集中)が表面化しやすくなります。したがって、プライ数の選定は「期待耐久」だけでなく「下地の健全性」「入隅処理」「端部納まり」「将来改修のしやすさ」まで含めた種類選びです。
FRP防水は“下地が9割”と言われやすい工法で、材料の種類選定よりも前に、下地の乾燥・清掃・平滑性・排水(勾配やドレン)を満たす必要があります。仕様書でも、コンクリート下地は乾燥養生の目安(夏季3週間・冬季4週間程度)に触れた上で、水分計測や不透湿シートでの結露確認など、含水管理の方法が例示されています。
また改修では、高圧洗浄後の乾燥、既存FRPの場合はトップコート・中塗りを完全に除去する、といった下地処理の方向性が明確に示されています。
プライマーも「種類」で、下地によって使い分けます。例として、コンクリート用は1成分形プライマー、金属面(アルミ・ステンレス・亜鉛等)用は2成分形プライマーが挙げられ、同じ“プライマー”でも前提が異なります。
そして工程管理で意外に効くのが「接着可能時間」です。プライマー塗布後に12時間以上経過したり、降雨等の水分と接すると接着力が低下するため、再研磨→再プライマーが必要になる、という注意が仕様として明記されています。段取りが崩れると、ここで手戻りが発生し、工期と品質の両方を失いやすいポイントです。
もう一つ、見落とされがちなのが“研磨と溶剤清掃の質”です。トップコート塗り替え手順でも、削り→清掃→アセトン又はメチクロ拭きが工程として規定され、層間の密着が施工品質の柱になっています。FRPはシームレスで強い反面、層間密着が崩れると部分的に一気に不具合化するため、「研磨粉や油分を残さない」「硬化反応中に水分を入れない」など基本を丁寧に守るほど、結果に差が出ます。
参考:プライマー選定、下地条件(乾燥確認方法・勾配・清掃)、改修時の処置、接着時間超過時の再研磨などが詳しい
https://jpn.sika.com/dam/dms/jp01/roofing/brochure/DPC007_corrotect.pdf
トップコートは、FRP防水層の寿命を左右する“交換前提の消耗品”で、種類(樹脂系)と既存状態によって改修メニューが変わります。仕様例では、既存トップコートがポリエステル樹脂系の場合、状態が良ければ削り→溶剤拭き→プライマー→マット増し貼り→トップコートという手順が示され、状態が悪い場合はトップコート+中塗りまで撤去して同様の工程を踏むことが示されています。
逆に、既存トップコートがアクリルウレタン樹脂系の場合、状態が良ければ水洗い→乾燥→層間プライマー→上塗りといった、比較的軽い手順も提示されています。
この差は実務上かなり大きく、足場・養生・臭気対策・研磨粉処理の難易度が変わります。つまり「トップコートの種類」は、単なる仕上げの色や艶ではなく、“次回改修のしやすさ”を左右する仕様選定の軸でもあります。
建築従事者向けに言い換えると、トップコートは「性能の上澄み」ではなく「維持管理設計そのもの」であり、発注者(施主)に対しても“将来の塗り替え手順”をセットで説明できるとトラブルが減ります。
また、仕様には「FRP防水材は溶剤タイプで引火性がある」「硬化剤を添加した樹脂は発熱するため残材には水を添加し反応を停止させる」といった注意もあり、改修現場ほど安全段取りが重要になります。トップコート塗り替えを“塗装工事の延長”として見てしまうと、火気・換気・残材処理のリスク評価が薄くなりやすい点は要注意です。
参考:トップコートの塗り替え手順(既存トップコートの種類別)、施工上の注意(引火性、硬化剤の発熱、残材処理)がまとまっている
https://jpn.sika.com/dam/dms/jp01/roofing/brochure/DPC007_corrotect.pdf
検索上位では「1プライ/2プライ」「工程」「費用」といった話題が中心になりがちですが、実務で段取りを崩しやすいのは“臭気と安全”です。FRP防水材にはスチレンを含む材料があり、室内では特定化学物質として措置(発散抑制、立入禁止、作業主任者選任、注意事項掲示など)が必要になる旨が仕様として明記されています。
さらに、材料は溶剤タイプで消防法危険物第4類に該当し引火性があること、火気に注意すること、換気や必要に応じたマスク着用などが注意事項として挙げられています。
この観点での「種類」の捉え方は、施工品質というより“現場運営の相性”です。例えば、住宅密集地のバルコニー改修では、研磨音と粉じんに加えて臭気クレームが工事停止の引き金になり得ます。そこで事前に、作業時間帯(風向きが安定する午前に臭気工程を寄せる等)、換気の取り方、関係者以外立入禁止の表示、近隣への周知文などをセットにしておくと、仕様遵守とトラブル回避が同時に進みます。
また、硬化剤(MEKパーオキサイド系)が関わるため、材料の“可使時間”を超えた樹脂を無理に伸ばす、残材をまとめて放置する、といった行為が事故リスクにつながります。仕様では、硬化剤を添加した樹脂は発熱するため、残った材料には水を添加し反応を停止させる、といった具体の注意が書かれています。
つまり、FRP防水材の種類を選ぶときは「性能」だけでなく「臭気」「換気設備の可否」「火気管理」「廃材処理」まで含めて、現場条件に合う仕様を組むのが安全です。
参考:スチレン(室内での特定化学物質としての扱い)や、溶剤・硬化剤の注意事項(火気、換気、残材の反応停止など)が明記されている
https://jpn.sika.com/dam/dms/jp01/roofing/brochure/DPC007_corrotect.pdf

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