

金ゴテの大枠は「本焼き(鉄)」と「ステンレス」に分けて考えると整理が早いです。金鏝仕上げはコンクリートやモルタル表面を鏝で平滑に仕上げることを指し、現場では金鏝押えとも呼ばれます。なお多くの床現場では、木ゴテで不陸を修正してから金ゴテで2〜3回以上押さえる流れが基本です。
本焼きは、押さえ込みの“効き”を重視したい場面に向きます。特に土間で「もう一段ツヤを上げたい」「表面を締めたい」局面では、本焼きの硬さが武器になります。一方で、材料や環境によってはサビやすさが管理リスクになるため、雨養生・散水・清掃動線が悪い現場では注意が必要です。
参考)カラーモルタル 同じ材料で鏝の動作違いの仕上げ
ステンはサビを嫌う材料や、仕上げ面の変色リスクを避けたいときに強い選択肢です。ステン鏝は“滑り”が良い方向に働くため、粘りが出やすいモルタルや、押さえ過多で表面が焼けやすい条件だと仕上がりの安定に寄与します。ただし、滑りが良い=材料を引っ張りやすい側面もあるので、硬化のタイミングが遅いのに早く押さえ始めると、表層が動いてムラが出やすくなります。
金ゴテ選びで、仕上がりを最も左右しやすいのが「板厚」です。市販品では板厚0.3mmの土間鏝が流通しており、しなやかで作業性に優れる(軽くて使いやすい、しなりがある)タイプとして説明されています。
板厚0.3mmは、仕上げの最終盤で“当たり”を柔らかくしたいときに向きます。しなりがある分、微妙な不陸追従は得意ですが、押さえ込みの圧を強くかけると刃先が逃げて「波」が残ることもあるため、腕の圧配分が要求されます。逆に言えば、仕上げムラ(鏝跡)を出したくない現場では、薄手のやさしさが武器になります。
参考)https://www.monotaro.com/p/1652/4113/
板厚0.5mmは、現場での汎用レンジに置きやすい厚みです。0.3よりコシが出て“押さえ”が効きやすく、0.7ほど硬すぎないため、硬化タイミングが読みにくい日でも事故が少ないです。板厚0.7mmは押さえ込みの剛性を取りたい局面向けで、土間が広く、硬化が進んだ後半で表面を締めるには強い一方、早い段階で当てると引きずり・焼け・鏝跡につながりやすいので「当てる時間」の管理が重要になります。
サイズ(長さ・幅)は、施工面積と“逃げ”の取りやすさで決めるのが実務的です。広い土間では長い鏝ほど面が早く出ますが、硬化の進行がバラつく現場では大きい鏝がかえって波を作り、手直しが増えることがあります。逆に小さめは取り回しが良く、立上り際・柱際など“際”の品質が安定します。
形状は大きく「先丸」と「角」を意識してください。先丸は、引きずり傷(スジ)を付けにくい狙いで好まれ、土間の“肌”を汚しにくいのが利点です。角(角鏝系)は、押さえのエッジが効くため、面を立てたい・際を締めたいときに強い一方、当て方が荒いと角が拾って傷になりやすいので、硬化と圧の読みが重要です。
現場で迷ったら、次の単純ルールが使えます。
・広い床面:やや大きめ+板厚は中間(0.5目安)で“荒れにくさ”優先。
・際・段差・入隅:小さめ+先丸で“傷を作らない”優先。
・最終の艶出し:本焼き寄り+硬化が進んでから当てて“締める”。
金鏝仕上げは、押さえの回数やタイミングで面が激変するため、鏝の種類は「工程管理」とセットで考えるのが近道です。
金鏝仕上げの基本は、コンクリート打設後の硬化に合わせて、木鏝で不陸を修正し、その後に金ゴテで2〜3回以上押さえて平滑にする流れです。ここで重要なのは「金ゴテを早く持ちすぎない」ことよりも、「木ゴテの段階で何を消すか」を明確にすることです。木ゴテで消すべき不陸を金ゴテで追いかけると、表層だけが動いて“波・焼け・鏝跡”の原因になりやすくなります。
切替の目安は、表面が荒れてきたから即金ゴテ、ではなく「木ゴテで修正しても表層が大きく動かなくなったか」を基準にします。硬化が進むほど金ゴテの押さえは効きますが、効きすぎると表面を磨き過ぎて滑り抵抗や仕上げグレードの要求とズレる場合もあります。要求品質が高い床では、手押えだけでなくフレスノ仕上げ、さらに鏡面モスキート仕上げといった“仕上げの種類”も存在するため、金ゴテの当て方は仕様とセットで調整が必要です。
意外に見落とされがちなのが、同じ金ゴテでも「押さえる方向」と「戻りの圧」で肌が変わる点です。材料が少し柔らかいタイミングでは、押さえを強くすると表層が締まるより先に“引っ張り”が勝ち、微細な波が残りやすいです。薄手(0.3)の金ゴテはこの局面で“当たりが柔らかい”ため、ムラ抑制に効くことがあります(ただし押さえ込みの強さは出しにくい)。
仕上げ種類の考え方(用途・仕上げグレードの違い)
https://www.fa-concrete.com/trowel.html
左官鏝は約350種あるという話(道具選定の前提)
https://yabu-sen.com/plasterer_-trowel/