コンクリートブロック寸法穴一覧:建築用規格完全ガイド

コンクリートブロック寸法穴一覧:建築用規格完全ガイド

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コンクリートブロック寸法穴一覧

建築用コンクリートブロック規格概要
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基本寸法規格

JIS A 5406に基づく標準寸法とモジュール設計

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穴径仕様

鉄筋挿入用空洞部の寸法と配置基準

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強度区分

圧縮強度による使用用途別分類システム

コンクリートブロック基本寸法と穴径規格

建築用コンクリートブロックの寸法は、JIS A 5406により厳格に規定されています。標準的な空洞ブロックの基本寸法は、長さ390mm×高さ190mm×厚さ(10cm、12cm、15cm、19cm)となっており、目地幅10mmを考慮したモジュール設計により、実際の施工寸法は400mm×200mmとなります。

 

基本型ブロックの標準寸法表

厚さ 長さ×高さ×厚さ(mm) 参考重量(kg) 主要穴径(mm)
10cm 390×190×100 10.3 80×50
12cm 390×190×120 12.0 77×64
15cm 390×190×150 14.3 71×92
19cm 390×190×190 18.0 66×130

各ブロックには鉄筋挿入用の空洞が設けられており、10cmブロックでは80×50mm、12cmブロックでは77×64mmの穴径が標準仕様となっています。これらの穴径は、建築基準法に基づく配筋設計と密接に関連しており、構造計算上重要な要素となります。

 

寸法許容差については、標準精度用で長さ±2mm、高さ±2mm、厚さ±2mmと定められており、施工精度の確保が図られています。高精度ブロック(H記号)では、さらに厳しい許容差が適用され、より精密な施工が可能です。

 

JIS A 5406による建築用ブロック分類

JIS A 5406「建築用コンクリートブロック」では、ブロックを断面形状により空洞ブロックと型枠状ブロックに大別しています。空洞ブロックは容積空洞率25~50%の断面形状を持ち、主に部分充填して使用されます。一方、型枠状ブロックは容積空洞率50~70%で、全充填を前提とした設計となっています。

 

圧縮強度による区分表

記号 旧記号 圧縮強度(N/mm²) 主な用途
A 08 8以上 裏積みブロック
B 12 12以上 一般用途
C 16 16以上 耐力壁・構造用
D 20 20以上 高強度要求箇所

建築分野で主に使用されるのは08(A種)と16(C種)で、国土交通省の標準仕様書では、補強コンクリートブロック造の耐力壁には16種の使用が義務付けられています。衛生配管用裏積みブロック(高さ1.5m以下)には08種の使用が認められており、用途に応じた適切な強度選択が重要です。

 

外部形状による分類では、基本形ブロック、基本形横筋ブロック、異形ブロックに区分され、それぞれ異なる配筋パターンに対応しています。基本形は縦筋用、横筋ブロックは横方向配筋用として設計されており、構造設計に応じた選択が必要です。

 

コンクリートブロック圧縮強度別寸法比較

圧縮強度の違いによる寸法への影響は、主にウェブ厚さと空洞部の形状に現れます。C種(16)ブロックでは、A種(08)ブロックと比較してウェブ厚さが増加し、構造性能の向上が図られています。

 

強度別ウェブ寸法比較(15cmブロック例)

  • A種(08):ウェブ厚2.5~2.8mm
  • C種(16):ウェブ厚3.0~3.3mm
  • 防水性ブロック:表面処理により若干の寸法変更あり

防水性ブロックは、一般ブロックに防水処理を施したもので、地下二重壁や外壁に使用されます。寸法は標準ブロックと同一ですが、表面の防水層により微細な寸法変更が生じる場合があります。

 

異形ブロックには、コーナー用、横筋用、ハンチ用など特殊形状のものがあり、それぞれ用途に応じた独特の寸法設計となっています。コーナー用ブロックでは、L字型の形状により角部の納まりを美しく仕上げることができ、施工効率の向上にも寄与します。

 

容積空洞率の計算方法は、空洞部全体の容積を有効外部形状体積で除した値の百分率で表され、構造計算や断熱性能の検討において重要な指標となります。

 

施工現場でのコンクリートブロック選定基準

実際の施工現場では、設計図書に基づくブロック選定が最重要ですが、現場の状況に応じた柔軟な対応も求められます。特に既存建物との取り合い部分では、微調整が必要な場合があります1112。

 

現場選定時のチェックポイント

  • 構造種別:耐力壁か非耐力壁かの確認
  • 配筋仕様:縦筋のみか横筋併用かの判断
  • 防水要求:地下部分や外壁の防水性能要否
  • 化粧仕上:素地仕上か化粧仕上かの選択
  • 寸法精度:高精度ブロックの必要性検討

不動産開発案件では、コスト最適化の観点から、最小限の強度で安全性を確保することが重要です。過剰な強度設定は材料費の無駄につながるため、構造計算書との照合による適切な選定が必要です。

 

施工時の注意点として、ブロックの向きがあります。基本形ブロックは穴の小さい方を上にして積み上げるのが正しい施工方法で、逆向きに積むと構造性能に影響を与える可能性があります。

 

特殊用途として、スカシブロックや化粧ブロックなどもあり、意匠性を重視する部分では、これらの使用も検討すべきです。ただし、価格は標準ブロックの2~3倍となるため、使用範囲の慎重な検討が必要です。

 

コンクリートブロック目地幅と実寸計算方法

目地幅の設定は、施工精度と構造性能の両面から重要な要素です。JIS規格では標準目地幅を10mmと定めていますが、現場の状況に応じて8~12mmの範囲で調整可能です。

 

実寸計算の基本公式

  • 水平方向:(ブロック個数×390mm)+(目地個数×目地幅)
  • 垂直方向:(ブロック段数×190mm)+(目地個数×目地幅)
  • 例:5個並び = 5×390 + 4×10 = 1990mm

この計算により、正確な設計寸法との照合が可能となります。特に開口部の寸法調整では、この計算が不可欠です。目地幅を1mm変更することで、全体寸法に大きく影響するため、設計段階での詳細検討が重要です。

 

モジュール設計では、ブロック1個分を400mm×200mmとして計画することで、建築のグリッド設計との整合性を図ることができます。これにより、他の建築部材との取り合いもスムーズになり、施工効率の向上が期待できます。

 

型枠状ブロック使用時には、打込み目地の考慮も必要です。充填用モルタルやコンクリートによって形成される目地は、通常の目地とは異なる設計となるため、専門的な知識が必要です。

 

JIS A 5406:2019建築用コンクリートブロック規格の詳細仕様
実務における寸法管理では、製造誤差と施工誤差の累積を考慮した余裕寸法の設定が重要です。特に大規模な壁面では、わずかな誤差の累積が大きな問題となる可能性があるため、品質管理の徹底が求められます。

 

現場での品質確認項目として、ブロックの欠け、ひび割れ、寸法精度のチェックが必須です。不良品の使用は構造性能の低下につながるため、入荷時の検査体制の整備が重要な管理ポイントとなります。