給湯器50号寸法一覧比較表付き設置計画ガイド

給湯器50号寸法一覧

給湯器50号主要メーカー寸法比較表

業務用給湯器50号の寸法は、メーカーや型式により大幅に異なります。不動産業界では正確な寸法情報が設置計画の成否を左右するため、詳細な比較が必要です。

 

リンナイ製品寸法

• RUXC-SE5001W: 幅480×高さ830×奥行280mm（質量49.0kg）
• RUXC-SE5001W-S: 幅480×高さ830×奥行280mm（質量49.0kg）

ノーリツ製品寸法

• GQ-5011WZ-2（従来型）: 幅974×高さ1630×奥行614mm
• GQ-C5032WZ（エコジョーズ）: 幅480×高さ830×奥行360mm
• GQ-C5042WZ（エコジョーズ）: 幅480×高さ750×奥行300mm（質量51kg）

パーパス製品寸法

• PG-H500W: 従来品同等サイズで1kg軽量化実現（質量54kg）

注目すべきは、ノーリツの従来型GQ-5011WZ-2が他製品と比較して圧倒的に大型であることです。幅974mm、高さ1630mmは、他社製品の約2倍の設置面積を要求します。

 

一方、エコジョーズ型では各社とも幅480mm前後に統一される傾向があり、設置互換性が高まっています。これは業界標準化の流れを反映した重要な変化といえるでしょう。

 

寸法選択時の重要ポイント

• 既存設置スペースとの適合性確認
• 搬入経路の制約検討
• メンテナンススペースの確保
• 配管接続位置の確認

給湯器50号エコジョーズ型寸法特徴

エコジョーズ型給湯器は排気熱回収システムを内蔵するため、従来型と比較して寸法上の特徴があります。ノーリツが2019年に発表した技術革新により、エコジョーズ型でも従来型同等のコンパクト化が実現されました。

 

エコジョーズ型の寸法上の課題と解決策
ノーリツのGQ-C5042WZは、独自の新設計により容積を25％削減し、従来タイプのGQ-5011WZと同サイズ（幅480×高さ750×奥行300mm）を実現しています。これは2次熱交換器を内蔵しながらも、従来型との設置互換性を保った画期的な技術です。

 

各社エコジョーズ型の寸法比較

• リンナイ RUXC-SE5001W: 高さ830mmでやや高め設計
• ノーリツ GQ-C5042WZ: 高さ750mmで最もコンパクト
• ノーリツ GQ-C5032WZ: 高さ830mm、奥行360mmでやや深め

リンナイ製品は熱効率95.0％を実現しながら、高さ830mmに抑制されており、天井高の制約がある場所でも設置可能です。

 

エコジョーズ型特有の設置配慮事項

• ドレン配管接続口の位置確認
• 中和器設置スペースの確保
• 給湯戻り配管の追加考慮（システム仕様による）

パーパスのPG-H500Wは、マルチ設置対応でありながら54kgの軽量化を実現し、4台連結時の総重量負荷を大幅に軽減しています。

 

給湯器50号設置スペース計算方法

給湯器50号の設置スペース計算は、本体寸法だけでなく、保守点検やメンテナンスに必要な周囲空間を含めて行う必要があります。建築基準法や各メーカーの設置基準に準拠した正確な計算が重要です。

 

基本的な設置スペース計算式

必要設置面積 = (本体幅 + 左右余裕) × (本体奥行 + 前面余裕)
必要設置高さ = 本体高さ + 上部余裕 + 下部余裕

メーカー推奨余裕寸法

• 前面: 600mm以上（メンテナンス作業用）
• 左右: 各150mm以上（放熱・点検用）
• 上部: 300mm以上（排気・点検用）
• 下部: 50mm以上（基礎・排水用）

リンナイ RUXC-SE5001W-Sを例とした実際の計算例。

本体寸法: 幅480×高さ830×奥行280mm
必要設置面積: (480+300) × (280+600) = 686,400mm² ≒ 0.69m²
必要設置高さ: 830+300+50 = 1,180mm

特殊な設置条件での計算
マルチ設置時の場合、各給湯器間の離隔距離も考慮する必要があります。パーパスのPG-H500Wでは、4台連結設置時に以下の追加スペースが必要です。

• 給湯器間離隔: 100mm以上
• 配管接続スペース: 各200mm
• 制御機器設置スペース: 300×200mm

搬入経路の寸法確認ポイント

• 階段幅: 給湯器幅+200mm以上
• ドア開口: 給湯器の最大寸法+100mm以上
• エレベーター: 給湯器寸法+作業員スペース

ノーリツのGQ-5011WZ-2のように大型の製品では、搬入経路の事前確認が特に重要です。幅974mmの機器は一般的な住宅用ドア（750-850mm）を通過できないため、特別な搬入計画が必要になります。

 

給湯器50号従来型と高効率型寸法差

従来型とエコジョーズ（高効率型）の寸法差は、内部構造の違いに起因します。従来型は単純な熱交換器構造であるのに対し、エコジョーズ型は排気熱回収用の2次熱交換器を内蔵するため、一般的により大型になる傾向があります。

 

構造による寸法への影響要因
従来型の主要構成要素。

• 1次熱交換器（主熱交換器）
• 燃焼室
• 排気ファン
• 制御基板

エコジョーズ型の追加構成要素。

• 2次熱交換器（排気熱回収用）
• ドレン処理システム
• 中和器
• 追加の配管系統

実際の寸法差比較
ノーリツ製品での比較例。

• GQ-5011WZ-2（従来型）: 幅974×高さ1630×奥行614mm
• GQ-C5032WZ（エコジョーズ）: 幅480×高さ830×奥行360mm

この例では、従来型の方が大幅に大型となっていますが、これは製品世代の違いも影響しています。最新のエコジョーズ技術では、むしろコンパクト化が進んでいます。

 

技術革新による寸法最適化
ノーリツのGQ-C5042WZは、独自の新設計により従来型GQ-5011WZと同サイズ（幅480×高さ750×奥行300mm）を実現し、質量も5kg軽減しています。これは高効率化とコンパクト化の両立を示す重要な技術的進歩です。

 

省エネ性能と寸法のバランス
リンナイのRUXC-SE5001Wは、95.0％の高い熱効率を実現しながら、コンパクトな寸法（幅480×高さ830×奥行280mm）を維持しています。これは設置スペースが限られる都市部の物件において特に重要な特徴です。

 

設置計画への影響

• 従来型からエコジョーズへの交換時は寸法変更を確認
• 新規設置では将来の機器更新も考慮した余裕設計
• 省エネ性能向上による長期的なメリットを重視

給湯器50号マルチ設置時寸法考慮点

業務用建物では給湯需要に応じて複数台の50号給湯器を連結設置するマルチシステムが採用されます。マルチ設置時は単体設置とは異なる寸法上の配慮が必要です。

 

マルチ設置の基本レイアウト
パーパスのPG-H500Wでは、4台連結まではマルチコントローラ不要で低コストな簡易マルチ設置が可能です。この場合の配置パターンは以下の通りです。

• 横並び配置: 最も一般的で保守性が良好
• 縦積み配置: 設置面積を節約、ただし上部機器の保守に配慮
• L字型配置: コーナー部の有効活用

マルチ設置時の必要寸法計算
2台横並び設置の例（リンナイ RUXC-SE5001W）。

総幅寸法: 480mm × 2台 + 離隔距離100mm = 1,060mm
総奥行: 280mm（変更なし）
総高さ: 830mm（変更なし）

配管接続スペースの考慮
マルチ設置では各給湯器の配管接続に加え、相互接続配管のスペースが必要です。

• ガス配管分岐部: 追加200mm
• 給水・給湯ヘッダー部: 追加300mm
• 制御信号線配線: 追加100mm

重量負荷と基礎設計
複数台設置時の総重量は基礎設計に大きく影響します。
リンナイ RUXC-SE5001W 4台設置時。

総重量: 49kg × 4台 = 196kg（乾燥時）
満水時総重量: 53.5kg × 4台 = 214kg

パーパス PG-H500W 4台設置時。

総重量: 54kg × 4台 = 216kg（乾燥時）
満水時総重量: 57kg × 4台 = 228kg

段階的更新を考慮した設置計画
ノーリツのGQ-C5042WZは、既存のGQ-5011WZマルチシステムにおいて、1台ずつ段階的にエコジョーズ化することが可能です。これは設備投資の分散と継続的な省エネ化を実現する重要な特徴です。

 

マルチ設置特有の保守点検スペース

• 各給湯器前面: 600mm以上
• 機器間アクセス通路: 800mm以上
• 制御盤前面: 1,000mm以上
• 配管点検口: 各300mm以上

将来拡張を考慮した設計
マルチシステムでは将来の給湯需要増加に対応するため、追加設置可能な余裕スペースの確保が重要です。一般的には現在の設置台数の50％増に対応できる計画が推奨されます。