摩擦係数一覧 乾燥 静摩擦係数 動摩擦係数

摩擦係数一覧 乾燥 静摩擦係数 動摩擦係数

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摩擦係数一覧

摩擦係数一覧の使い方(建築従事者向け)
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一覧は「条件の表」

乾燥・表面粗さ・相手材・速度で値は変わるため、数字だけを抜き出さず“条件セット”で読む。

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静摩擦係数と動摩擦係数

動き出し(静)と滑走中(動)は別物。安全設計では両方の扱い分けが重要。

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建築の典型組合せ

ゴム×コンクリート、木材×木材、鋼×樹脂など、現場頻出の目安値と“外しどころ”を押さえる。

摩擦係数一覧の乾燥 条件の読み方

摩擦係数一覧は「材料名の辞書」ではなく、「材料×相手材×条件」の早見表として扱うのが安全です。
同じ“木材”でも乾燥状態か、表面が摩耗して粉を噛んでいるか、含水しているかで、滑り出しの抵抗が別物になります。実務では「乾燥」という言葉が付いた値が多いですが、乾燥は“水膜がない”だけで、粉じん・油分・ワックス・錆などの有無は別条件です。
現場で一覧を読むときは、次の順でチェックすると誤用が減ります。


・相手材は一致しているか(例:ゴム×コンクリートなのか、ゴム×鋼なのか)
・状態は一致しているか(乾燥・湿潤・潤滑・研磨面など)
・静摩擦係数か動摩擦係数か(動き出しと滑走は数値が違う)
・数値が「単一値」か「範囲」か(範囲ならどちら側を採用するかが設計の肝)
また、一覧の“範囲”は、単なる誤差ではなく「表面粗さ」「接触圧」「速度」「温度」「材料の配合差」などが全部混ざった幅であることが多いです。例えば木材同士の乾燥条件でも、静摩擦係数・動摩擦係数が幅で提示される例があり、固定値と勘違いすると安全側を外します(木材×木材の乾燥で、静・動ともにレンジで示される例がある)。


参考)【材料別】摩擦係数の一覧|機械設計に役立つ基本と知識

摩擦係数一覧の静摩擦係数 動摩擦係数の違い

静摩擦係数は「動き出す瞬間まで」抵抗する度合いで、動摩擦係数は「滑り始めた後」一定速度で滑っているときの抵抗の度合いです。規格や試験の説明でも、静は“移動開始に必要な力”、動は“滑らせ続けるときに必要な力”として分けて定義されます。
建築の安全・施工計画では、この違いがそのまま事故形態の違いになります。


・静摩擦係数が支配:一度止まっている荷(資材・治具・仮設)が、どの傾き・どの水平力で「動き始めるか」
・動摩擦係数が支配:動き始めた後に「止まるか、滑走が加速するか」、牽引・押し引きの必要力がどれだけ増減するか
さらに、静摩擦の測定では“ピーク荷重(第一ピーク)”を静摩擦力として扱う説明が一般的で、動摩擦では静摩擦ピークを無視して滑走区間の平均荷重で評価する扱いが紹介されています。この「ピークの取り方」が違うため、同じ材料ペアでも測り方や解析窓が違えば数値の見え方が変わります。


参考)静・動摩擦係数

現場感覚としては、静摩擦係数の方が大きく出やすい一方で、粉じんや潤滑で“急に小さくなる”ことがあります。つまり、「止まっているから大丈夫」ではなく、「動き出しの条件が成立しないように管理する」発想が大切です。


摩擦係数一覧の材料別(木材 ゴム コンクリート)目安

ここでは、建築現場で遭遇しやすい材料組合せの“目安”を、一覧に出やすい形で整理します。注意点として、以下はあくまで「相手材」「状態」が一致したときの参考レンジで、採用時は必ず条件を揃えます。
🧱 代表的な目安(一覧に多い形)
・木材×木材(乾燥):静摩擦係数 0.25~0.62、動摩擦係数 0.2~0.48(目安レンジ例)​
・ゴム×コンクリート(乾燥):静摩擦係数 0.6~0.9(目安レンジ例)​
・軟鋼-ゴム(乾燥摩擦係数):0.9(材料組合せの目安として掲載される例)
参考)https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/plastic_mold_design/pl07/c0874.html

・軟鋼-ふっ素樹脂(乾燥摩擦係数):0.04(低摩擦材の代表例として掲載される例)​
ここから読み取れる実務ポイントは3つです。


・木材は「レンジが広い」=現場条件の影響が出やすい(含水、木目、表面荒れ、粉の噛み込み)​
・ゴム×コンクリートは「高摩擦」寄りだが、粉・泥・水膜が入ると別条件になるので、乾燥の値を雨天や養生水の残りに当てはめない​
・ふっ素樹脂のような低摩擦材は“滑らせたい用途”で有利だが、意図せず当たると滑走事故のトリガーにもなるため、使う場所と守るべき境界(立入・仮固定・受け材)を明確にする​
🧠 意外に見落としやすい点
ゴムは「柔らかいから摩擦が高い」と一括りにされがちですが、実際は表面の粘弾性・温度・汚れで挙動が変わります。現場で“滑り止めゴム”が粉じんで真っ白になっている場合、乾燥ゴムの高い目安値で見積もると危険側に外れることがあります(乾燥という条件が満たされていても、粉じんが第三体として働くため)。


摩擦係数一覧のJIS 試験方法と測定の盲点

摩擦係数は「摩擦力 ÷ 垂直抗力」という形で整理され、試験では“滑り出し時”と“滑走時”を分けて測るのが基本です(静摩擦係数・動摩擦係数の定義や、水平法・傾斜法のような試験の枠組みが規定される例がある)。また受託試験や物性測定の説明でも、滑り出し時が静、滑走時が動として測定すること、材料の組合せや表面状態で値が変化することが明記されています。
ただし、建築で摩擦係数一覧を使うときの盲点は「規格試験の条件」と「現場の条件」が一致しないことです。ズレが出やすい代表例を挙げます。


・接触面の“面圧”が違う(重い資材で局所的に沈み込み、実質的に接触状態が変わる)
・表面粗さが違う(研磨面・さび面・型枠転用で荒れた面など)
・速度が違う(ゆっくり動かすのか、衝撃的に滑り出すのか)
・温度が違う(特に樹脂・ゴムは温度依存が強い)
現場での実装に落とすなら、「一覧の数値を採用する」のではなく、「採用した数値が成立する条件を現場で作る」方が再現性が上がります。具体的には、接触面を清掃して“第三体(粉・砂・泥)”を排除する、含水状態を管理する、低摩擦材が混入する恐れのある搬送経路を分離する、といった管理項目に落とし込みます。


権威性のある参考(静・動摩擦係数の定義や試験枠組みの確認に有用)
JIS P 8147(静及び動摩擦係数の測定方法の概要)

摩擦係数一覧の独自視点:安全側の採用ルール(乾燥でも滑る)

検索上位の「材料別の摩擦係数一覧」は、数値の羅列で終わることが多い一方、建築実務で必要なのは“採用ルール”です。独自視点として、乾燥条件の一覧を使うときの安全側ルールを、意思決定に使える形で置いておきます。
✅ ルール1:範囲表示は「危険側」を先に潰す
木材×木材のように静摩擦係数・動摩擦係数がレンジで出る場合、滑りを止めたい用途(仮置き、足場上、荷の固定)では“小さい方”を採用して検討します。一方、滑らせたい用途(すべり支承、調整)では“大きい方”が抵抗になるため、逆側で見ます。目的によって採用すべき端が変わるのに、真ん中を取るのが一番危険です。

✅ ルール2:「静」だけでOKにしない(動き出した後が事故)
静摩擦係数が高くても、動摩擦係数が低いと“動き出したら止まらない”状態が作れます。静はピーク、動は平均で評価される、という測定の扱いの違いもあり、現場の“初動衝撃”で一気に動に入ると、想定より滑走が伸びることがあります。

✅ ルール3:乾燥=安全ではなく「乾燥+清掃+相手材一致」で初めて意味が出る
ゴム×コンクリート(乾燥)の高い目安値を見て安心しがちですが、乾燥の定義は水がないことに寄り、粉・砂・泥・剥離剤・養生材のカスは別問題です(乾燥条件の目安レンジが示される例はあるが、現場の第三体は別条件になる)。乾燥を“現場管理項目”に翻訳すると、「表面を乾かす」だけでなく「粉じんを除去する」「相手材を確認する」をセットにします。

✅ ルール4:低摩擦材(ふっ素樹脂等)は“意図した場所以外”に出さない
軟鋼-ふっ素樹脂が非常に小さい乾燥摩擦係数として示される例のように、低摩擦材は滑走事故を誘発しやすい特性を持ちます。仮設の当て板、養生の滑り材、搬送治具に使う場合は「接触してはいけない面」を色分け・表示し、作業者が一目で判断できる運用が効果的です。

この“採用ルール”を先に決めておくと、摩擦係数一覧を見たときに「どの数字を採用すべきか」で現場が止まらなくなります。逆に言えば、一覧は最後で、最初に決めるべきは「滑らせたいのか/滑らせたくないのか」「静と動をどちらで支配させるのか」です。