
完全分離型の二世帯住宅は、玄関から水回り設備まですべてを独立させた間取りです。この設計により、それぞれの世帯が完全に独立した生活を送ることができます。
メリット
デメリット
完全分離型では、上下階での分離と左右での分離の2つのパターンがあります。上下階分離は親世帯を1階、子世帯を2階に配置することで、親世帯の将来的な階段移動の負担を軽減できます。
部分共有型は、玄関や浴室など一部の設備を共有しながら、各世帯のプライベート空間を確保する間取りです。この設計は、コストと快適性のバランスを取りたい家族に最適です。
主な共有パターン
部分共有型の費用相場は約2,500万~4,000万円で、完全分離型と比較して500万円程度の削減が可能です。特に水回り設備を共有することで、設備費用と配管工事費を大幅に抑えられます。
成功事例:玄関共有型の間取り
延床面積42.26坪の実例では、玄関以外をすべて分離し、各世帯に2LDKの間取りを確保しました。1階には客間としても活用できる和室を設け、来客時の対応も万全です。
完全同居型は、住まいのほとんどの空間を二世帯で共有する間取りです。サザエさん一家のような暮らし方をイメージすると理解しやすいでしょう。
設計のポイント
完全同居型の最大のメリットは建築コストの低さです。延床面積約120㎡(36坪)で2,800万円~3,200万円という費用相場は、他のタイプと比較して最も経済的です。
意外な成功要因
完全同居型で成功している家庭では、「家事分担ルール」を明確に定めています。料理は親世帯、掃除は子世帯というように役割分担を決めることで、むしろ家事負担が軽減されるケースが多いのです。
平屋の二世帯住宅は、従来の二階建てとは異なる独特の設計アプローチが必要です。特に中庭を活用した設計は、限られた敷地でも開放感とプライバシーを両立できる革新的な手法です。
平屋二世帯住宅の形状パターン
コの字型やHの字型では、中庭を共有スペースとして活用することで、家族のコミュニケーションを促進しながらプライバシーを確保できます。
別棟型という選択肢
平屋で親世帯が暮らし、子世帯が二階建てにする別棟型も注目されています。この設計では、通路や居室をつなぐことで雨に濡れずに行き来でき、完全に独立した暮らしと家族の絆を両立できます。
二世帯住宅をローコストで実現するには、戦略的な設計アプローチが不可欠です。単純にグレードを下げるのではなく、空間の有効活用と設備の共有による合理化が重要です。
ローコスト化の6つの戦略
28.93坪の一部分離型実例
トイレ・洗面所を分離した一部分離型で、共有する浴室・LDK・キッチン・サンルーム(ランドリールーム)を中心として、各世帯の個室を左右に分けた設計です。この間取りにより、十分な居住性を確保しながら建築費用を大幅に削減できました。
意外なコスト削減ポイント
階段を1つに統一し、各階に小さなリビングを設けることで、完全分離型に近い住み心地を部分共有型の費用で実現できます。この手法により、建築コストを約300万円削減した実例もあります。