ノキフレッシュの施工で軒天塗装を効率化する方法

ノキフレッシュの施工で軒天塗装を効率化する方法

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ノキフレッシュ施工の基本知識

ノキフレッシュ施工のメリット
工期短縮

下塗り工程省略で施工時間を大幅削減

💰
コスト削減

材料費と人件費の両方を抑制可能

🛡️
高耐久性

防カビ・防藻性で長期間美観を維持

ノキフレッシュの特徴と適用範囲

ノキフレッシュは、エスケー化研が開発した水性反応硬化形軒天井専用仕上塗材です。最大の特徴は、改装時にシーラー(下塗り)を省略できる点で、これにより施工工程を大幅に短縮できます。

 

主な特徴:

  • 反応硬化タイプで既存塗膜と強固に密着
  • 微弾性塗膜でひび割れ追従性に優れる
  • 透湿性により膨れ・はがれを防止
  • 防カビ・防藻性で軒天の環境に最適
  • 水性のため臭いが少なく安全
  • 厚塗りローラー施工で飛散リスクが少ない

適用下地:

  • コンクリート
  • セメントモルタル
  • 各種ボード類

適用用途:

  • 戸建て住宅の軒天井
  • マンション・アパートの軒天井
  • 建物の上げ裏部分

軒天は直接雨が当たることはありませんが、湿気がたまりやすい環境にあるため、一般的な外壁塗料では適さない場合が多く、専用塗料の使用が推奨されています。

 

ノキフレッシュ施工の下地処理方法

ノキフレッシュの施工において、下地処理は品質を左右する重要な工程です。適切な下地処理により、塗料の密着性と耐久性が大幅に向上します。

 

基本的な下地処理手順:

  1. 含水率・pH値の確認
    • 含水率10%以下
    • pH10以下
    • 不適合の場合は十分な乾燥期間を設ける
  2. 付着物の除去
    • 汚れ、カビ、苔の完全除去
    • SKKカビ除去剤#5での処理が効果的
    • ケレン作業による表面の清浄化
  3. 欠陥部の補修
    • ひび割れ、不陸、目違いの補修
    • 既存塗膜のはく離箇所の処理
    • パターン合わせによる仕上がりの統一

注意すべき特殊ケース:

  • 漏水対策:漏水が見られる場合は、事前にシーリング材での防水処理が必須
  • 降雨後の施工:表面湿気が高い状態では十分な乾燥を待つ
  • シーリング材上の施工:材質や材齢により密着不良や汚染リスクがあるため事前確認が重要

下地処理を怠ると、せっかくのノキフレッシュの優れた性能を活かせず、早期の塗膜不良につながる可能性があります。

 

ノキフレッシュの塗装手順と注意点

ノキフレッシュの施工は、従来の3度塗りとは異なり、下塗り省略による2度塗りが基本となります。この特殊な施工法には、いくつかの重要なポイントがあります。

 

標準施工手順:

  1. 1回目塗装
    • 塗布量:0.5~0.8kg/㎡
    • 使用工具:W-2ローラー(ウールローラー中毛)
    • 清水による希釈:0~2%
    • 乾燥時間:2時間以上(20℃、65%RH)
  2. 2回目塗装

施工時の重要な注意点:

  • 温度・湿度管理:20℃、65%RHを基準とした乾燥時間の調整
  • 塗布量の厳守:規定量を下回ると十分な性能が発揮されない
  • ローラー選択:工程により適切なローラーを使い分ける
  • 間隔時間の遵守:工程間の乾燥時間を確実に確保

単価の目安:
ノキフレッシュの施工単価は約1,900円/㎡とされており、下塗り省略により従来工法よりもコストメリットが得られます。

 

施工環境や下地状態により塗布量や乾燥時間は変動するため、現場での適切な判断が品質確保の鍵となります。

 

ノキフレッシュ施工でよくある失敗例

ノキフレッシュの施工では、その特殊性ゆえに従来の塗装工事とは異なる失敗パターンが見られます。事前に把握することで、品質トラブルを未然に防ぐことができます。

 

よくある失敗例と対策:

  1. 下地の乾燥不足による密着不良
    • 原因:含水率10%以下の確認不足
    • 対策:降雨後は十分な乾燥期間を設ける
    • 症状:塗膜の浮き、はがれ
  2. カビ・苔の処理不足
    • 原因:表面清掃の不徹底
    • 対策:専用除去剤での前処理を徹底
    • 症状:塗装後の再発、変色
  3. 塗布量不足による性能低下
    • 原因:コスト削減のための材料使用量削減
    • 対策:規定塗布量の厳守
    • 症状:早期の色褪せ、防水性能低下
  4. ローラー選択ミス
    • 原因:工程に応じたローラーの使い分け不備
    • 対策:仕様書に従った工具選択
    • 症状:仕上がりの不均一、塗膜厚不足
  5. シーリング材との相性問題
    • 原因:シーリング材の種類確認不足
    • 対策:事前の材質確認と試し塗り
    • 症状:汚染、密着不良

予防のための品質管理ポイント:

  • 施工前の下地診断の徹底
  • 環境条件の記録と管理
  • 各工程での写真記録
  • 塗布量の計量管理

これらの失敗例を理解し、適切な予防策を講じることで、ノキフレッシュの優れた性能を最大限に引き出すことができます。

 

ノキフレッシュ施工の品質管理と検査ポイント

ノキフレッシュの施工において、継続的な品質管理と適切な検査は、長期的な顧客満足度と信頼性確保に直結します。特に下塗り省略という特殊な工法のため、従来とは異なる管理ポイントがあります。

 

施工中の品質管理項目:

  1. 環境条件の記録管理
    • 気温・湿度の測定と記録
    • 乾燥時間の調整判断
    • 悪天候時の作業中断基準
  2. 材料管理
    • 塗料の攪拌状態確認
    • 希釈率の正確な計量
    • 開封後の使用期限管理
  3. 施工状況の記録
    • 各工程の開始・終了時刻
    • 塗布量の実測値記録
    • 異常事象の詳細記録

完了時の検査ポイント:

  • 外観検査
  • 色ムラ、塗り残しの有無
  • 仕上がりの均一性確認
  • ローラーマークの確認
  • 密着性検査
  • 目視による塗膜の状態確認
  • 必要に応じてカッターによるクロスカット試験
  • 膜厚測定(可能な場合)
  • 規定塗布量に対応する膜厚の確認
  • 局所的な塗膜厚不足の発見

長期品質保証のための取り組み:
ノキフレッシュにはメーカー保証サービスがないため、施工業者としての独自品質保証体制が重要です。

 

  • 施工記録の詳細保管:写真付きの施工記録を5年以上保管
  • 定期点検サービス:1年後、3年後の無料点検サービス提供
  • 顧客への適切な説明:耐久年数(約7年程度)の正確な伝達

デジタル化による管理効率向上:
近年、施工管理アプリやクラウドサービスを活用した品質管理システムが普及しています。ノキフレッシュ施工においても、これらのツールを活用することで。

  • リアルタイムでの施工状況共有
  • 写真付き報告書の自動生成
  • 気象データとの連携による最適な施工タイミング判断

が可能となり、より確実な品質管理が実現できます。

 

施工業者として、ノキフレッシュの特性を理解し、適切な品質管理体制を構築することで、顧客からの信頼獲得と事業の持続的な成長を実現できるでしょう。