
パナソニックの住宅用分電盤は、主に「コスモパネル コンパクト21」と「スッキリパネル コンパクト21」の2つのシリーズで構成されています。それぞれの基本寸法は以下の通りです。
コスモパネル コンパクト21の基本寸法
スッキリパネル コンパクト21の基本寸法
📏 寸法の読み方のポイント
この基本寸法体系を理解することで、設置場所の事前計画が容易になります21。特に既存分電盤の交換工事では、寸法の違いによる追加工事の必要性を事前に判断できます。
コスモパネル コンパクト21は、パナソニックの主力シリーズとして幅広い用途に対応しています。詳細寸法は以下の表の通りです。
主幹容量 | 回路数 | 縦(mm) | 横(mm) | 深さ(mm) | 品番例 |
---|---|---|---|---|---|
30A | 4+2 | 325 | 245 | 111 | BQR3342 |
40A | 6+2 | 325 | 285 | 111 | BQR3462 |
50A | 10+2 | 325 | 365 | 111 | BQR35102 |
60A | 14+2 | 325 | 445 | 111 | BQR36142 |
リミッタースペース付の場合の寸法変化
リミッタースペース付きモデルでは、深さ寸法が124mmに変更されます。この13mmの差は、配線作業時の作業性に大きく影響するため、事前の確認が重要です。
⚡ 容量別の特徴
大型フリースペース付のモデルでは、さらに深さが増加し、特別な設置計画が必要になります。
スッキリパネル コンパクト21は、よりコンパクトな設計が特徴で、設置スペースが限られた場所での使用に適しています。
標準タイプの寸法仕様
ヨコ1列タイプの特殊寸法
スッキリパネルには「ヨコ1列タイプ」という特殊仕様があり、この場合の寸法は大幅に異なります。
🔧 設置上の注意点
この特殊仕様は、天井裏や床下など高さ制限がある場所での設置に威力を発揮します。
パナソニック分電盤の寸法は、主幹容量と回路数によって体系的に決定されています。品番の規則性を理解することで、必要な寸法を容易に算出できます。
主幹容量による基本構造の違い
主幹容量 | 主幹ブレーカサイズ | 追加深さ | 対応住宅タイプ |
---|---|---|---|
30A | 標準サイズ | +0mm | 小規模住宅 |
40-60A | 標準サイズ | +0mm | 一般住宅 |
75-100A | 大型サイズ | +15mm | 大型住宅 |
回路数による横寸法の計算式
横寸法 = 基準寸法 + (回路数 × 回路ピッチ)
⚡ 実用的な寸法計算例
この計算式により、図面作成段階で正確な設置寸法を算出できるため、現場での作業効率が大幅に向上します。
分電盤の設置では、本体寸法だけでなく、保守・点検に必要な作業スペースの確保が法令で義務付けられています。効率的な設置計画のための計算方法を解説します。
電気設備基準による必要スペース
実際の設置計画における計算例
例:BQR36142(60A、14+2回路)の場合
🏠 建築設計での考慮事項
特殊設置環境での寸法調整
湿気の多い場所や塵埃の多い環境では、IP保護等級に応じた筐体選択が必要で、これにより寸法が変化する場合があります。
配線引き込み方向による寸法影響
これらの詳細な寸法計画により、施工後のトラブルを未然に防ぎ、効率的な電気設備工事が実現できます。実際の現場では、これらの基準寸法に加えて、建物構造や他設備との取り合いを考慮した総合的な設置計画が重要となります21。
パナソニック分電盤の寸法体系は、住宅の電気容量と将来拡張性を考慮した合理的な設計となっており、適切な選定により長期間にわたって安全で効率的な電気供給が可能になります。