ロールスクリーン壁付け寸法一覧と取付設計要点

ロールスクリーン壁付け寸法一覧と取付設計要点

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ロールスクリーン壁付け寸法規格

ロールスクリーン壁付け設計の重要ポイント
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正面付け寸法計算

窓枠外側寸法+左右5〜10cmで光漏れを完全遮断

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製作可能寸法制限

操作方式により最大寸法が異なり設計時要確認

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設置奥行き要件

商品サイズにより4cm〜5cmの奥行き確保が必須

ロールスクリーン正面付け寸法計算方法

正面付け(壁付け)でロールスクリーンを設置する場合、適切な寸法計算が光漏れ防止と美観維持に直結します。建築現場では以下の計算式を標準として採用してください。

 

基本計算式:

  • 製品幅 = 窓枠外側寸法 + 左右5〜10cm
  • 製品高さ = 窓枠外側寸法 + 上下5〜10cm

中窓・腰高窓の場合、この計算式により窓を完全に覆うことができ、光漏れやプライバシー確保の問題を解決します。特に住宅密集地や商業施設では、左右10cmずつのゆとりを確保することで、近隣からの視線を効果的に遮断できます。

 

高さ方向では、窓枠下部より10cm程度プラスした寸法が推奨されます。これにより、スクリーン下端が家具や窓台に干渉することなく、スムーズな昇降動作を確保できます。

 

設計時の注意点:

  • ブラケット取付位置から製品下端までの距離を正確に測定
  • 障害物の有無を事前確認
  • 壁面の材質と下地構造の把握

ロールスクリーン製作可能寸法一覧表

各メーカーの製作可能寸法は操作方式により大きく異なります。設計段階での確認が必須です。

 

タチカワブラインド製作可能寸法:

操作方式 製品幅 製品高さ 制限事項
プルコード式 300〜2700mm 300〜3000mm 幅高比1:3以内
チェーン式 250〜3000mm 300〜3000mm 最大3m対応
ワンタッチチェーン式 320〜2000mm 300〜3000mm 操作性重視
チェーン持ち出し式 250〜2000mm 300〜2500mm 高さ制限あり

ニチベイ製作可能寸法:

操作方式 製品幅 製品高さ 特徴
プルコード式 305〜2700mm 100〜3000mm 標準仕様
チェーン式 200〜2700mm 100〜4500mm 高所対応
スマートコード式 305〜2700mm 100〜3000mm 操作軽量化
プロチェーン式 805〜3000mm 500〜4500mm 商業施設向け

TOSO製作可能寸法:

操作方式 製品幅 製品高さ 用途
スプリング式 300〜2400mm 100〜3000mm 一般住宅
チェーン式 300〜2700mm 100〜4500mm 高所窓対応

建築現場では、これらの寸法制限を踏まえて操作方式を選定する必要があります。特に大開口窓や高所窓では、製作可能寸法と操作性のバランスを考慮した設計が重要です。

 

ロールスクリーン操作方式別寸法制限

操作方式の選択は、製作可能寸法だけでなく、設置環境や使用頻度にも大きく影響します。

 

プルコード式の特徴:

  • 製作幅:300〜2700mm
  • 高さ制限:幅高比1:3以内の制約
  • 操作位置:スクリーン下端での操作が必要
  • 適用場面:一般的な住宅窓、操作頻度が低い場所

プルコード式は最も一般的な操作方式ですが、高さ制限があるため、縦長窓への適用時は注意が必要です。再巻き上げ時に手が届かない高さになると操作不能となるため、設計時に操作者の身長と窓高を考慮してください。

 

チェーン式の特徴:

  • 製作幅:200〜3000mm(メーカーにより異なる)
  • 高さ:最大4500mmまで対応
  • 操作位置:チェーン位置での遠隔操作可能
  • 適用場面:高所窓、吹き抜け、商業施設

チェーン式は高所窓に最適な操作方式です。特に天井高4m以上の空間では、チェーン式以外の選択肢がほぼありません。

 

ワンタッチチェーン式の制限:

  • 製作幅上限:2000mm
  • 操作の簡便性を重視した設計
  • 中規模窓での採用が適切

大開口窓では製作幅制限により採用できない場合があるため、設計段階での確認が必須です。

 

ロールスクリーン設置奥行き寸法要件

壁付け設置時の奥行き寸法は、商品サイズにより異なる要件があります。設計ミスによる取付不可を防ぐため、詳細な確認が必要です。

 

標準奥行き要件:

  • 幅160.5cm×丈180cm以下:必要奥行き4cm(突っ張り部品直径4.3cm)
  • 幅160.6cm以上または丈180.1cm以上:必要奥行き5cm(突っ張り部品直径6cm)

この奥行き寸法には、窓の取っ手などの障害物は含まれません。実際の設置では、これらの突起物を考慮した追加寸法が必要です。

 

生地幅の縮小要素:
突っ張り式では、操作部品により生地幅が注文寸法より縮小します。

  • 小型商品:注文寸法から左右合計約3cm縮小
  • 大型商品:注文寸法から左右合計約5cm縮小

この縮小は、完全な遮光を目的とする場合に重要な設計要素となります。

 

ブラケット取付寸法:
壁付けブラケットの必要寸法も事前確認が重要です。

  • 製品幅1500mm以下:ブラケット2個使用
  • 製品幅1501〜2000mm:ブラケット3個使用

ブラケット間隔と壁面の下地構造を事前調査し、適切な固定方法を選定してください。

 

ロールスクリーン特殊用途別寸法対応

一般的な窓用途以外での寸法要件は、標準設計とは異なる考慮点があります。

 

バスルーム用途の特殊要件:
ユニットバス環境では、湿度と取付面の制約により特殊な寸法設計が必要です。

  • 製作可能寸法:幅305〜2000mm、高さ100〜2400mm
  • 寸法比制限:1:3以内(プルコード式)、1:8以内(チェーン式)
  • 突っ張り方式による無ネジ取付対応

バスルーム用では、タイル目地や樹脂壁面の制約により、通常のネジ固定ができない場合があります。突っ張り方式の選択により、壁面への負荷を最小限に抑えた設計が可能です。

 

大開口窓対応:
現代建築では2m以上の大開口窓が増加しており、対応可能な製品の選定が重要です。

  • 最大対応幅:3000mm(一部メーカー)
  • 操作方式の制限:大型化により選択肢が限定
  • 複数台分割設置の検討要素

大開口窓では、1台での対応が困難な場合、複数台分割設置も選択肢となります。この場合、分割線の位置と操作方式の統一性を考慮した設計が必要です。

 

電動式対応寸法:
電動操作による大型化対応も建築現場で増加しています。

  • 製作可能最大寸法の拡大
  • 電源確保と配線計画の必要性
  • メンテナンス性を考慮した設置位置

電動式では手動操作の制限がないため、より大型の製品設置が可能です。ただし、電源計画と将来のメンテナンス性を設計段階で十分検討してください。

 

建築現場でのロールスクリーン設計では、これらの寸法要件と設置条件を総合的に判断し、最適な製品選定と寸法設計を行うことが、施工品質と顧客満足度の向上に直結します。