サラセーヌカタログの色見本で失敗しない選び方ガイド

サラセーヌカタログの色見本で失敗しない選び方ガイド

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サラセーヌカタログの色見本で知っておくべき選び方

カタログの色見本だけで色を決めると、施工後に「思っていた色と違う」とクレームになるケースが現場では珍しくありません。


この記事でわかること
🎨
サラセーヌの色番号とカタログの見方

標準色・特注色の種類と、カタログ上の色番号の読み取り方を解説します。

⚠️
色見本と施工後の仕上がりがズレる原因

印刷物の色と実際の塗膜色が異なる理由、ロット差・光源差による見え方の違いを説明します。

発注前にやるべき現物確認の手順

塗板見本の取り寄せ方や施主確認書の作り方など、クレームを防ぐ実務的な手順を紹介します。


サラセーヌの色カタログの種類と標準色ラインナップ

サラセーヌはAGCポリマー建材株式会社(現・AGCポリマー建材)が製造・販売するウレタン防水材のブランドです。屋上やベランダの防水工事で広く採用されており、建築業界では非常に知名度の高い製品群です。


カタログには大きく分けて「仕様書カタログ」と「色見本カタログ」の2種類があります。仕様書カタログには施工仕様・材料構成・適用下地などの技術情報が記載されており、色見本カタログには実際に選択できる仕上げ塗料の色が掲載されています。


標準色は全部で18色程度が用意されており、グレー系・ベージュ系・ブラウン系・グリーン系など、屋上防水に馴染みやすいアースカラーが中心です。代表的な色番号には「N-50」(中明度グレー)などのマンセル系記号を使ったものや、製品固有の色番号が割り振られたものがあります。


標準色以外にも特注色対応が可能な場合があります。ただし特注色は最小発注ロット(通常18kg缶単位)が決まっていることが多く、少量施工には不向きです。これが基本です。


仕上げ材として使われる「サラセーヌトップ」シリーズには、遮熱タイプの「サラセーヌトップ遮熱」も存在します。遮熱タイプはホワイト・ライトグレー系の明るい色が多く、通常タイプとは展開色数が異なるため、カタログを選ぶ段階で「遮熱仕様かどうか」を先に確定させておく必要があります。



  • 🎨 標準色:グレー・ベージュ・ブラウン・グリーン系など約18色

  • 🌡️ 遮熱トップ専用色:ライトグレー・ホワイト系が中心で標準色とは別展開

  • 🏭 特注色:最小ロット18kg〜対応可(少量施工には不向き)


色番号を確認するには、AGCポリマー建材の営業担当か代理店経由でカタログ現物を取り寄せるのが確実です。Webサイト上の画像はモニターの発色特性によって実物と大きく異なる場合があるため、印刷された色見本カタログの取得を優先してください。


サラセーヌカタログの色見本と実際の施工色がズレる3つの原因

カタログの色見本を見て「この色で決めた」と発注しても、施工後の仕上がり色が「なんか違う」と感じるケースは現場で頻繁に発生します。意外ですね。この問題には3つの明確な原因があります。


①印刷色と塗膜色の光反射特性の違い


カタログは印刷インクの4色(CMYK)で色を再現しますが、塗膜は顔料の光反射で発色します。同じ「グレー」でも、印刷物はわずかに青みがかって見え、塗膜は黄みがかって見えることがあります。特に屋外で直射日光が当たる屋上面では、この差が約15〜20%程度の明度差として感じられることがあります。


②ロット差による色ブレ


同じ色番号でも製造ロットが異なると、顔料の分散具合や配合比率に微差が生じます。業界的には「ΔE(デルタイー)値3以内」が許容誤差とされていますが、大面積施工では目視でも気になるレベルの差になることがあります。ΔE値3は、例えるなら「真昼の屋外で横に並べて見ると微妙に違う」程度です。


③光源・観察条件による見え方の変化


蛍光灯の下で見た色見本と、屋外の自然光で見た施工面では、同じ色でも見え方が異なります。これを「メタメリズム(条件等色)」と呼びます。特に赤系・緑系の顔料を含む色では、蛍光灯下では同じに見えても屋外では異なって見える現象が起きやすいです。


つまり「カタログ=施工後の色」ではないということです。


現場での認識齟齬を防ぐには、後述する「塗板見本による施主確認」が有効です。施主や設計担当者に「カタログはあくまで参考」と事前に説明しておくことで、クレームリスクを大幅に減らせます。


サラセーヌの色見本を使った発注前の正しい確認手順

色トラブルを未然に防ぐためには、カタログの色見本だけで発注を完結させないことが原則です。実務で使われている確認手順を順を追って説明します。


ステップ1:カタログで候補色を2〜3色に絞る


まずカタログの色見本から、施主の要望・建物のデザイン・周辺環境に合う色を2〜3色に絞り込みます。この段階ではあくまでも「方向性の確認」です。


ステップ2:塗板見本(実際の塗膜サンプル)を取り寄せる


AGCポリマー建材の営業担当または代理店を通じて、候補色の塗板見本(実際に塗膜を塗布した板状サンプル)を取り寄せます。塗板見本はA4サイズ程度(約21cm×29cm)のものが多く、現物の質感・光沢感・色みを直接確認できます。これは必須です。


ステップ3:現地(施工場所)で塗板見本を確認する


取り寄せた塗板見本を、実際の施工場所(屋上など)に持ち込んで、現地の光源下で確認します。屋内の事務所で確認するだけでは不十分です。屋外の自然光下で見ることで、施工後に近い色みを確認できます。


ステップ4:施主に現物確認・書面で承認を得る


塗板見本を施主に直接見せ、書面(色彩確認書など)にサインをもらいます。「カタログのP.○番の色を確認・承認しました」という形式で記録を残すことで、施工後のクレームを防げます。



  • 📋 候補色をカタログで2〜3色に絞る

  • 🟫 塗板見本(実塗膜サンプル)を代理店経由で取り寄せる

  • 🏠 施工現場の屋外光下で塗板見本を確認する

  • ✍️ 施主に現物確認・書面承認を取る


この手順を踏むことで、色に関するトラブルはほぼ防げます。塗板見本の取り寄せには通常1週間前後かかるため、工程に余裕を持って動くことが重要です。


サラセーヌ遮熱トップの色選びで知らないと損する注意点

遮熱タイプのトップコート「サラセーヌトップ遮熱」は、通常のトップコートと色の展開が異なります。これを知らずに「通常カタログの色で遮熱仕様にしてほしい」と発注してしまうと、希望色が対応していないことが後から判明し、工期に影響するケースがあります。


遮熱塗料は日射反射率(近赤外線の反射性能)を高めるために、明度の高い顔料を使用する必要があります。そのため、ダークグレーやブラウンなど明度の低い色は、遮熱効果が出にくく、遮熱グレードの製品ラインに含まれないことがほとんどです。


具体的には、遮熱トップの色展開はホワイト・ライトグレー・ペールグリーン系など明度7以上の色が中心となります。一般的なグレーやベージュを遮熱仕様で使いたい場合は、メーカーへの個別確認が必要です。


遮熱性能の指標としては「日射反射率」が使われ、通常色が10〜20%程度なのに対して、遮熱色は60〜80%以上の製品もあります。屋上面の表面温度で比較すると、真夏の晴天日に通常色の屋上が60℃を超えるのに対し、遮熱色では40℃台に抑えられるケースもあります。これは使えそうです。


省エネ・CASBEE評価・ZEB対応などの観点から、近年は施主から遮熱色の指定が増えています。事前に設計仕様を確認し、遮熱か通常かを決定してからカタログ・色見本を選ぶ流れが、現場での混乱を防ぐコツです。


サラセーヌのカタログ入手方法と色見本の独自活用テクニック

ここからは、現場経験から導き出された少し視点の変わった活用方法を紹介します。カタログはあくまで「選択のツール」ですが、使い方次第で提案力や受注率に直結します。


カタログの入手方法


サラセーヌのカタログは、以下の方法で入手できます。



  • 🏢 AGCポリマー建材の営業担当に直接依頼する

  • 🏪 防水材料の代理店・特約店に問い合わせる

  • 🌐 AGCポリマー建材の公式Webサイトからデジタルカタログをダウンロードする(一部製品)


デジタルカタログはWebで閲覧できますが、色の確認には印刷版の現物が推奨されます。モニターの設定によって色みが大きく変わるためです。


独自活用テクニック:「色提案シート」を作る


施主への色提案時に、カタログのコピーをそのまま見せるだけでは伝わりにくいことがあります。そこで有効なのが、候補色の塗板見本・周辺建物の写真・同系色の施工事例写真を1枚のA3用紙にまとめた「色提案シート」を作ることです。


このシートを使うことで、施主が「完成後のイメージ」を持ちやすくなり、色決定がスムーズに進むケースが増えます。結論は「見える化」が受注を早めるということです。施主が比較検討の時間を短縮できるため、工程の遅延も防ぎやすくなります。


色番号の記録・管理を徹底する


施工後の補修・増改築時に備えて、使用した色番号・ロット番号・施工日・製品名を竣工書類に必ず記録しておきます。数年後に部分補修が発生した際、色番号が不明だとロット差による色違いが生じやすく、施主クレームの原因になります。


色番号の記録はA4一枚の簡単なシートでも十分です。製品名・色番号・ロット番号・塗布面積・施工日付の5項目を残しておけば、将来の補修工事でも色合わせが格段に楽になります。


以下のリンクはAGCポリマー建材の公式情報として、サラセーヌシリーズの製品情報・仕様・カタログ請求に関する情報が掲載されています。色番号や標準色の確認に役立ちます。


AGCポリマー建材 公式サイト(サラセーヌ製品情報・カタログ請求)。
https://www.agc-polymer.co.jp/saracene/


以下のリンクは建築防水の施工基準・品質管理に関する情報が掲載されており、色確認・施主承認プロセスの根拠として参照できます。


日本防水材料協会(JWMA)公式サイト。
https://www.jwma.gr.jp/