

製図文字の「フォント変換」は、単に見た目を整える作業ではなく、図面交換の失敗(文字化け・寸法注記の読み違い)を防ぐための工程です。
特に官公庁系や長期保管を想定する業務では、OSやCAD固有のフォントに依存すると将来読めなくなるリスクがあるため、汎用性の高いTrueType系(例:MSゴシック等)を前提にした運用が現実的です。
一方で、TrueTypeだから万能というわけでもありません。相手側PCに同じフォントが無いと結局置換が起き、意図しない字形・幅で表示されるため、「どのフォントなら交換に強いか」をチームで決めておく必要があります。
参考)https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/kA93g0000000ex5.html
また、SXFの考え方では「利用できないフォントが渡された場合はMSゴシックへ置換して表示する」など、表示上の救済はあっても、データ側を勝手に書き換えないことが推奨されています。
✅現場で効く基本ルール(最小セット)
Jw_cadでは、作図済み文字を選択した後にフォントを変更すると、移動先・複写先の文字フォントも変えられるため、「どの操作のタイミングで変換が効くか」を理解しておくと事故が減ります。
また「フォント読取」にチェックを入れると、選択した文字のフォントを読み取って入力ボックスへ反映でき、既存図面の文字種を揃えるときに役立ちます。
注意点は、フォント読取を外した状態で移動や複写を行うと、選択文字と入力ボックスのフォントが異なる場合に、移動先・複写先のフォントが意図せず変わることがある点です。
参考)AutoCAD文字スタイルの設定方法とフォントについて
つまりJw_cadのフォント変換は「一括置換」だけでなく、「編集の流れの中で勝手に変わる」タイプの落とし穴もあり、検図時に見逃されがちです。
🔍Jw_cad運用のコツ
文字化けは「入力した文字が違う」のではなく、「相手環境に同じフォントが無い/そのフォントが対象文字を持たない」ことで、結果的に「?」や□で代替表示される現象が多いです。
国総研資料でも、利用できないフォントが渡された場合にMSゴシックへ置換して表示することが推奨され、フォント依存がデータ交換の障害になりうる点が示されています。
意外と知られていないポイントとして、「機種依存文字を使ったから即アウト」ではなく、同じOS・同じフォントでは見えてしまうため、社内チェックだと通ってしまい、納品先や協力会社環境で初めて崩れるケースが起きます。
さらに、CAD製図基準(案)の文脈では機種依存文字の使用が禁止される場面があり、丸数字や単位記号の扱いは、ルール上も実務上も要注意です。
🧱文字化けを減らすための「変換前チェック」例
参考:CAD製図基準(案)の文字・フォント、機種依存文字の扱い、代替表現(丸数字・単位記号など)の考え方
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0403pdf/ks0403013.pdf
DXF/DWGの受け渡しでは「相手側で同じフォントが使えるか」と同時に、「変換時にフォントが置換される設定になっていないか」が重要です。
たとえば図面をDXF/DWGとして保存する際、寸法やテキストのフォントをAutoCAD標準へ置換するか、TrueTypeフォントをそのまま書き出すかを選べる、という整理が公開されています。
ここでの実務的な論点は、どちらが“正しい”かではなく「納品先の閲覧環境・後工程(積算、数量拾い、電子納品など)」で再利用できるかです。
参考)Q:図面をDXF変換する際の出力フォントを指定したい
変換で見た目が維持されても、文字幅(プロポーショナル/固定ピッチ)差で寸法注記の配置がずれて重なり、最悪の場合は読み違いにつながります。
📌DXF/DWG変換のチェックリスト
現場で本当に怖いのは「文字化けが起きること」よりも、「開けて見えるが、将来・別環境で開くと壊れる地雷」を埋め込むことです。
その代表例が、SXF交換で問題を起こしうる特定の文字列(半角の「¥」「'」を連続して使うケース)で、保存はできても開く段階でエラーになる原因になり得る、と整理されています。
また、単位記号や丸数字なども、ルール上禁止される場面があるだけでなく、フォントによって有無が分かれるため、見た目が通ってしまう環境ほど危険です。
「代替文字(図形と組み合わせる、m2表記にする等)」をチーム標準として用意しておくと、フォント変換より前の段階で事故を潰せます。
🧠“変換より効く”運用ルール(独自視点)
参考:Jw_cadの「フォント読取」、文字種、移動・複写時のフォント変化など、文字編集の仕様確認
https://jwcad.s-projects.net/character.html