施工ミス認めない業者への対処と損害賠償請求

施工ミス認めない業者への対処と損害賠償請求

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施工ミス認めない業者への対処

この記事でわかること
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証拠の重要性

施工ミスを証明するための写真・動画・専門家意見の収集方法

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法的権利の理解

契約不適合責任と瑕疵担保責任に基づく補修・損害賠償請求の手順

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第三者機関の活用

住まいるダイヤルや弁護士相談など、客観的な解決支援窓口の利用法

施工ミスを客観的証拠で明確化する方法

施工ミスを業者が認めない場合、最も重要なのは客観的な証拠を用意することです。感情的な主張ではなく、誰が見ても明らかな証拠があれば業者も言い逃れができなくなります。
参考)注文住宅のミスを防ぐ方法|設計や施工での失敗・後悔を回避する…

証拠として有効なのは、問題箇所の写真や動画です。撮影時は日付が分かるようスマホの設定で自動記録するか、カレンダーを一緒に写すことが重要です。施工前・途中・完成後と時系列で記録を残すことで、どの段階で問題が発生したか証明できます。
参考)「施工不良を証明する写真撮影ポイント|返金交渉や裁判で使える…

建築士や住宅診断士(ホームインスペクター)に依頼して専門的な意見を得ることも効果的です。第三者の専門家による検証結果は、法的手続きでも高い証明力を持ちます。業者とのやり取りを録音し、「施工ミスではない」との発言を記録しておくことも有用です。
参考)工務店が施工ミスを認めないトラブルについての相談 href="https://www.ijs-iezukuri.com/trouble/jirei/2075/" target="_blank">https://www.ijs-iezukuri.com/trouble/jirei/2075/amp;#821…

見えなくなる部分(配管・配線など)は特に写真記録が重要です。床下や壁の中に隠れる施工は後から確認できないため、施工段階での写真が決定的な証拠となります。
参考)工事写真は重要書類の一つ、撮り方のコツとポイントを詳しく解説…

施工ミスに関する契約書と法的根拠の確認

契約書や仕様書には、どのような工事をどの基準で行うのかが明記されています。施工ミスを指摘する際には、「契約内容と違う」という明確な根拠があると業者も反論しづらくなります。
参考)契約不適合(総論) - Business href="https://businessandlaw.jp/articles/a20250204-1/" target="_blank">https://businessandlaw.jp/articles/a20250204-1/amp; Law(ビジネ…

建築業界には「建築基準法」や「住宅品質確保促進法(品確法)」といった法的な基準があり、業者はそれを満たす義務があります。新築住宅の構造耐力上主要な部分や雨水侵入防止部分については、業者に対して10年の瑕疵担保責任が義務付けられています。
参考)https://ameblo.jp/otani123/entry-12866300615.html

施工不良は契約不適合責任の対象となり、施主は補修要求、代金の減額、契約の解除、損害賠償請求ができます。契約不適合には、約定違反型(合意内容に従わない施工)、法令違反型(建築基準法令等に違反)、美観損傷型(施工水準を満たしていない)の3類型があります。
参考)契約不適合責任(瑕疵担保責任) - 埼玉県

契約不適合責任と瑕疵担保責任の詳細についての法的解説
施工不良に対する法的責任の種類と請求期間について専門的な情報が記載されています。

 

施工ミス認めない業者への書面通知の重要性

口頭でのやり取りでは、業者が後から「そんな話はしていない」と言い逃れる可能性があります。施工ミスの修正を求める際には、必ず書面で伝えるようにしましょう。​
書面には以下の内容を記載します:​

  • 施工ミスの具体的な内容
  • 証拠(写真・動画・専門家の意見など)
  • 契約書との違い
  • 修正を求める理由と期限

書面でのやり取りを残しておけば、後に法的な手続きを行う際にも有利になります。仙台地裁の判決では、基礎工事の施工不良があったにもかかわらず業者が瑕疵を認めず工事を続行する態度に出ていたため、施主が工事を解除した事例があります。この判決は、請負人が瑕疵の存在を争って相互の信頼関係が完全に損なわれた場合には、契約解除が認められるとしています。
参考)欠陥住宅全国ネット 欠陥住宅被害全国連絡協議会

窓口は必ず元請である建築会社が責任を持って対応し、施主目線で動いていることを強調することが信頼関係の回復に重要です。
参考)企業法務事例コラム│建築会社は必読!下請業者の手抜き工事トラ…

施工ミス解決のための第三者機関への相談

業者がミスを認めず修正を拒否する場合は、第三者機関に相談するのが有効な手段です。客観的な立場から専門的なアドバイスを受けることで、解決への道筋が見えてきます。
参考)住宅に施工不良があったらどこに相談すればいい?解決方法も解説…

住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)では、リフォーム全般に関して技術的または法的な問題について、一級建築士が相談員として電話相談を受け付けています。専門家との相談が必要な場合は、弁護士や建築士を紹介してくれます。
参考)知っておきたいリフォーム基礎知識。トラブルに巻き込まれたら第…

住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
電話:0570-016-100、受付時間:10:00~17:00(土日祝休日、年末年始を除く)で住宅トラブルの無料相談が可能です。

 

国民生活センター(消費者ホットライン:188)では、消費生活全般に関する苦情や相談を受け付け、問題解決のサポートをしています。各都道府県の消費生活センターでは、相談事例や判例も見ることができます。​
弁護士相談は法テラスを利用すると無料相談が可能で、契約不適合責任や損害賠償請求を視野に入れた対応を進めることができます。
参考)建築トラブルの相談先│瑕疵(かし)や施工ミスが発覚したらすべ…

施工ミス認めない場合の法的手段と損害賠償

第三者機関への相談でも解決しない場合は、法的手続きを検討する必要があります。弁護士に相談し、「契約不適合責任」や「損害賠償請求」を視野に入れた対応を進めることになります。
参考)新築なのに施工ミスが! 損害賠償を請求できるケースと行うべき…

施工業者の不法行為責任(民法第709条)を追及することも可能です。最高裁判所では、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」のある場合に不法行為責任が認められています。重大な施工不良の場合、建築基準法違反などの刑事責任が問われる可能性もあります。
参考)施工不良で損害賠償請求をするには? 契約不適合責任と免責特約…

裁判に発展すると時間がかかるケースもありますが、施工ミスが明らかである場合は業者側が和解に応じることもあります。初めから裁判を起こすのではなく、まずは業者に対して内容証明郵便を送り修正を求めるのが一般的な流れです。​
損害賠償金額については特に相場や規定などはないため、実際に受けた損害(買い替えに要した費用など)に精神的な負担を加味して交渉し、未払い金から差し引くなどの対応をします。
参考)設計・施工ミスで天井が低くなり暮らしにくい

施工ミス防止のための業者選定と事前対策

施工ミスを未然に防ぐには、信頼できる業者の選定と事前対策が重要です。施工不良の発生原因には、工期の余裕のなさ、原価抑制による利益の確保、作業員の知識・技術不足などがあります。
参考)施工不良の対策はある?起きやすい事例や原因も確認!|積算の基…

施工前にチェックリストを作成し、材料の品質から工程の手順に至るまでの各ステップを確認することが重要です。使用材料の適合性、専門家の資格、施工手順の確認などをリストに含めます。
参考)施工不良の原因とは?対策方法や事例をご紹介!

施工中は監督者による各作業の確認が不可欠です。作業者本人と監督者の2人でダブルチェックを行うことで、施工不良につながるミスを発見できる可能性が高まります。
参考)建設業での効果的なヒューマンエラー対策とは?具体的な対策事例…

施工業者との定期的な打ち合わせを設け、期待と要件を明確に伝えることで、予期せぬ問題に迅速に対応できるようになります。LINEなどのツールで工事内容と現場写真を都度施主に情報共有しながら、具体的なイメージを確認するのもおすすめです。
参考)建設業界人は必読!よくある施工トラブルと防止策について徹底解…

施工ミス認めない状況から信頼関係を回復する独自視点

施工ミスを業者が認めない状況では、対立構造が深まり信頼関係が完全に損なわれることが多くあります。しかし、法的手段に訴える前に、建設業界特有の構造を理解した上での関係修復を試みることも重要です。​
元請業者と下請業者の関係性を理解することが解決の鍵となります。実際の施工は下請業者が行っていても、窓口は必ず元請業者が責任を持って対応すべきです。施主と下請業者が直接やり取りすると、責任の所在が曖昧になり問題が複雑化します。​
工事監理者の工事監理義務の不履行が施工ミスの原因であることを検証により確認できれば、是正は求めやすくなります。施工ミスの原因が工事監理者の義務不履行に起因していることを通知することで、工事監理者が義務不履行を認め是正に応じた事例もあります。​
建設業法令遵守ガイドラインでは、元請負人と下請負人との関係において法令違反行為を防ぐための具体的な指針が示されています。これらの業界ルールを踏まえた上で、冷静に対応することが望ましい解決につながります。
参考)https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/01/010702_.html