
外構工事において図面は施工の指示書であり、正確な読み方を身につけることが重要です。外構図面は主に平面図、立面図、パース図の3種類で構成されています。
平面図は外構工事の基本となる図面で、塀や門扉、駐車場、アプローチや植栽などの配置や寸法が記載されています。この図面では、敷地境界線から外構工事の施工範囲も特定することができます。
平面図を読む際のポイント。
外構図面には使用する材料や仕上げ方法、寸法や仕様が詳細に記載されており、施工内容や工事範囲が希望通りになっているかを確認する重要な役割を果たします。
外構図面の縮尺は実際の寸法を正確に把握するための重要な要素です。一般的に外構図面では「1/100」の縮尺が多く使用されており、これは実際の大きさの1/100で描かれていることを意味します。
縮尺の読み方。
詳細部分の図面では1/50や1/20のスケールに変更されることもあります5。三角スケールという専用の定規を使用すると、より正確に寸法を読み取ることができます。
数字の表記方法も重要で、図面に記載されている数字はmm表記の1/10で表示されています5。例えば「H2,400」は2m40cmを、「400」は40cmを表します。
外構工事では正確な寸法把握が施工品質に直結するため、縮尺の理解は塗装業者にとって必須のスキルです。
外構工事において高さの管理は水はけや仕上がりに大きく影響する重要な要素です。外構図面では「BM」(ベンチマーク)を基準として高さが表示されています。
ベンチマークの基本。
高さの表示方法。
外構工事では敷地内に水がたまらないよう勾配を計画することが重要で、どの程度の高さで勾配をつけているかは図面の記載から確認できます5。水は高い方から低い方に流れるため、雨水の流れを考慮した高さ設定が必要です。
塗装業者の場合、下地処理や塗装面の水はけを考慮する際にこの高さ情報が重要になります。
外構図面には多くの専用記号が使用されており、これらの意味を理解することで図面を正確に読み取ることができます。
主要な記号と意味。
材質を表す記号。
建築図面記号・建築略語については、国土交通省の「建築工事設計図書作成基準」に基づいた記号が使用されています。
外構工事特有の記号として、植栽の樹種を表す記号や、排水設備を示す記号も重要です。マンホールは「MH」、雨水桝は「U」や「雨」で表示されることが多く、これらの位置関係を把握することで施工時の注意点を理解できます。
塗装業者が外構図面を読む際の独自の視点として、塗装面の下地処理と仕上げ品質に関わる情報の読み取りが重要です。
塗装に関わる重要な情報。
図面から読み取れる塗装対象。
水はけの重要性。
外構図面に記載された勾配情報は、塗装面の水切れに直結します。特に水平面や水がたまりやすい箇所では、防水性能を重視した塗料選定が必要です。
また、植栽との位置関係も重要で、樹木の成長を考慮した塗装計画や、落ち葉による汚れを想定した塗料選定も図面から読み取れる情報です。
外構工事全体の完成時期を把握することで、塗装工事の最適なタイミングを判断でき、他工事との調整もスムーズに行えます。このような総合的な視点で図面を読み取ることが、品質の高い塗装工事につながります。
外構図面の作成・読み取りに関する詳細な情報
https://rakuoh.jp/contents/knowledge/exterior-diagram.html
外構図面の基本的な見方と記号の解説
https://tetsu-blog.org/exterior-drawing-how-to-read/
外構図面の高さの見方を動画で詳しく解説
https://www.youtube.com/watch?v=EDxYHqFIGLU