スレート屋根寸法一覧
スレート屋根寸法の基本情報
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化粧スレート標準寸法
幅91cm×高さ41.4cm、厚さ5mm、働き寸法は幅91cm×高さ18.2cm
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波形スレート寸法
小波720mm幅、大波950mm幅、長さは1,820~2,420mm
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太陽光設置適合性
スリットの有無や厚さにより設置可否が決定される
スレート屋根化粧スレート標準寸法
化粧スレート(コロニアル・カラーベスト)の基本寸法は、戸建て住宅で最も採用される屋根材として統一された規格があります。
標準寸法詳細
- 全体寸法:幅910mm×高さ414mm
- 厚さ:約5mm(製品により4.5~6.0mm)
- 働き寸法:幅910mm×高さ182mm
- 重量:約3.4kg/枚
- 1㎡あたり必要枚数:約6枚
JIS規格では平形屋根用スレートの寸法許容差を厳格に定めており、全長さ350~500mmで許容差±3mm、全幅600~910mmで許容差±3mmとなっています。厚さについては5mm以上6mm未満で±0.5mm、6mm以上7mm未満で±0.6mmの許容差が設けられています。
施工時の重要な寸法
- 水切り重ね長さ:50mm以上
- 縦横の重ね代を考慮した実質的な働き面積
- 野地板への取付用くぎ穴:2か所以上必須
化粧スレートは瓦の約半分の軽量性を持ち、建物への負荷軽減効果が期待できます。セメントと繊維質素材を薄板状に成形・加圧した製品で、耐久性と施工性のバランスが取れた屋根材です。
スレート屋根波形製品寸法詳細
波形スレートは工場や倉庫などの大型建築物で使用される屋根材で、小波と大波の2種類に大別されます。
小波スレート寸法
- 幅:720mm(働き幅635mm)
- 長さ:1,820mm/2,120mm/2,420mm
- 厚さ:6.3mm(許容差±0.6mm)
- 山数:11.5山
- 谷の深さ:15mm以上
- ピッチ:63.5mm
- 重量:13~22kg/枚(長さにより変動)
大波スレート寸法
- 幅:950mm(働き幅780mm)
- 長さ:1,820mm/2,120mm/2,420mm
- 厚さ:6.3mm(許容差±0.6mm)
- 山数:7.5山
- 谷の深さ:35mm以上
- ピッチ:130mm
- 重量:18~33kg/枚(長さにより変動)
成型スレート大波の場合、働き幅650mm、板厚0.6~0.8mm、㎡当たり必要m数1.54mという仕様もあります。屋根勾配は30/100以上が推奨され、自然曲げ半径は20m以上が必要です。
波形スレートの施工では、重ね代にリブを設けることで雨仕舞い性能を向上させており、中もやの本数により適切な寸法割付が決定されます。
スレート屋根メーカー別製品寸法
主要メーカーのスレート製品は寸法や仕様が微妙に異なるため、正確な寸法確認が重要です。
クボタ製品
- コロニアル:910×182mm、厚さ4.5~5.2mm
- アスコット:910×182mm、厚さ4.5mm
- グリシェイドシリーズ:910×182mm、厚さ5.0~5.2mm
- セイバリーシリーズ:910×182mm、厚さ5.0~5.2mm
KMEW(ケイミュー)製品
- コロニアルシリーズ:910×182mm、厚さ5.2mm
- グランネクストシリーズ:910×152~182mm、厚さ5.2~7.0mm
- スペリアルシリーズ:910×182mm、厚さ5.2~6.0mm
松下電工製品
- フルベストシリーズ:606~909×182~227mm、厚さ4.9~6.5mm
- アルデージュシリーズ:606×182mm、厚さ5.5~5.6mm
- レサスシリーズ:910×182mm、厚さ5.5mm
600mm幅の製品は主に松下電工系で展開されており、910mm幅が業界標準となっています。厚さの違いは耐久性や施工方法に影響するため、物件の立地条件や建物用途に応じた選択が必要です。
廃盤製品も多数存在し、アスベスト含有の有無や太陽光設置適合性が製品選択の重要な判断基準となっています。
スレート屋根太陽光設置適合寸法
太陽光発電システムの設置適合性は、スレートの寸法と構造的特徴により決定されます。
設置可能な寸法条件
- 働き長さ:182mm(一部202mmも対応)
- 厚さ:4.5~6.0mm(製品により例外あり)
- スリット:無しが基本条件
- 働き幅:600mm以上
スレート金具4対応製品
- 標準的な910×182mm、厚さ4.5~6.0mmの製品
- コロニアル、グリシェイド、セイバリーなどの主要製品
- スリットのない平板形状の製品
スレート・板金金具対応製品
- 厚さ6.0mm超の製品(ブチル増し貼りにて対応)
- 働き長さ202mmなどの特殊寸法製品
- エコ・シンプル、エコ・ウーノなど
設置不可の寸法条件
- スリット有りの製品:アーバニー、エボルバ、ジュネスシリーズなど
- 厚さ6.4mm超:アーバニーグラッサ、ニューフルベスト24エースなど
- ウェーブ形状:アーバンウェーブなど
太陽光設置時の強度・雨仕舞い規定により、適合表では対応可能でも保証対象外となるケースがあるため、現場での詳細な寸法確認と施工業者との十分な協議が必要です。
スレート屋根施工時寸法注意点
スレート屋根の施工では、図面寸法と実際の寸法に差異が生じるケースが多く、現場での正確な採寸が不可欠です。
寸法測定時の注意事項
- 働き長さの実測:図面表記と実寸の確認
- 厚さの測定:含水状態により±3kg/枚程度の重量変動
- スリットの有無:目視による詳細確認
- 製品の変形や反り:経年劣化による寸法変化
現場環境による寸法影響
- 勾配による実働き寸法の変化
- 野地板の状態による設置可能寸法
- 気温・湿度による材料の伸縮
- 風荷重による変形の考慮
施工精度の管理
- 割付計画での端部処理寸法
- 棟部・軒先・ケラバ部の役物寸法
- 重ね代の正確な確保
- 水切り重ね長さ50mm以上の維持
メーカーの仕様変更も頻繁に行われるため、製品名だけでなく製造時期や具体的な寸法仕様書での確認が重要です。特に既存建物の改修工事では、現行品との寸法差異により施工方法の変更が必要となる場合があります。
化粧スレートの質量は厚さの許容差や製品の含水状態により変動するため、構造計算時には安全率を考慮した設計が求められます。施工時の安全性確保と品質管理のため、事前の詳細な寸法調査と適切な施工計画の策定が不可欠です。