スタッコ リシン 違いを徹底比較|外壁仕上げの選び方

スタッコ リシン 違いを徹底比較|外壁仕上げの選び方

記事内に広告を含む場合があります。

スタッコとリシンの違い

この記事で分かる3つのポイント
🏗️
素材構成の違い

スタッコはセメント・石灰・砂を主成分とし、リシンは合成樹脂に砂やガラス繊維を混ぜた素材です

💰
コストと施工期間

リシンは吹き付け施工で工期が短く低コスト、スタッコは厚みがあり高級感があるが価格は高め

🔧
メンテナンス性と耐久性

スタッコは耐久性が高くメンテナンス頻度が少ないが、リシンは定期的なメンテナンスが必要

スタッコの素材と特徴

スタッコは、セメント・石灰・水・砂を混ぜ合わせた伝統的な外壁仕上げ材です。モルタルをベースに添加剤を加えることで、強度や耐ひび割れ性能を高めています。硬質なセメント系素材のため、重厚感があり耐久性が高いのが大きな特徴です。
参考)スタッコとリシンの違いとは?外壁仕上げの特徴と選び方を徹底比…

スタッコは不燃材料に分類されるため、防火性にも優れており、火災保険の割引が適用されるケースもあります。耐候性・耐火性を重視したい建築物に適した素材といえるでしょう。大きな凹凸が特徴的な仕上げで、力強く立体感のある表情をつくり出すため、イタリア建築のような高級感のある外観を演出できます。
参考)スタッコ仕上げとリシン仕上げの違いとは?|特徴を紹介|長崎市…

吹き付けスタッコとも呼ばれ、模様が大柄で重厚感や高級感のある雰囲気にすることができます。リシン仕上げと比べて耐久性が高く厚みがある仕上がりになることも特徴です。​

リシンの素材と特徴

リシンは、合成樹脂を主成分に、砂やガラス繊維を混ぜて作られる吹き付け仕上げ材です。スタッコのような厚みはありませんが、軽量で柔軟性があり、施工がしやすいのが魅力となっています。
参考)【外壁塗装】スタッコやリシンってどんなもの?|現場ブログ|板…

表面には細かい砂粒があり、ざらざらとしていて艶がないため落ち着いた印象を与えます。ALCパネルや軽量外壁材にも対応しやすく、建物の構造や形状に合わせた柔軟な施工が可能です。粒子の大きさや顔料の種類を変えることで、さまざまなテクスチャーや色合いを表現できます。​
細かい粒子を使用すればなめらかに、粗い粒子を使えばザラザラとしたマットな質感になります。近年では防カビ・防藻性を持つ樹脂タイプのリシンも登場し、機能性の向上が図られています。通気性が高いことも特徴の一つです。​

スタッコとリシンの模様と質感の違い

スタッコは大きな凹凸が特徴的な仕上げ材で、力強く立体感のある表情をつくり出します。アンティーク調のレンガ風や石材調の模様など、重厚で個性的な外観を演出できるため、洋風建築との相性が良いとされています。立体感・高級感・存在感があるデザイン向きといえるでしょう。​
一方、リシンはスタッコよりも凹凸が細かく、穏やかで自然な風合いが魅力です。砂壁風の柔らかな表情や、モダンなデザインの外観にも対応でき、和風・ナチュラル志向の住宅によく採用されます。控えめ・やわらか・自然な仕上がりを好む方に向いています。​
どちらが優れているというよりは、建物のデザインや周囲との調和に応じた選定がポイントとなります。スタッコは凹凸が深く立体的な模様であるため、汚れが入り込みやすく清掃が難しいという弱点があります。リシンはスタッコに比べて凹凸が細かく、比較的汚れが目立ちにくいとされています。​

スタッコとリシンの施工方法の違い

スタッコの施工方法には、主に「吹き付け塗装」と「コテ塗り」の2種類があります。吹き付け塗装は専用のスプレーガンを使用して、スタッコの原材料を均一に外壁に吹き付ける方法で、施工が迅速で広範囲にわたる塗装が可能なため、コスト面でも有利です。吹き付けたまま固める「吹き放し仕上げ」と、ローラーやコテで表面を整える「ヘッドカット仕上げ」があります。
参考)スタッコ仕上げの魅力と注意点—高級感と耐久性を実現する外壁塗…

コテ塗り工法は、熟練の左官職人がコテや刷毛、木片を使用して手作業で仕上げる方法です。手作業ならではの独自の模様が生まれ、家ごとに唯一無二のデザインが実現されます。ただし、施工に時間がかかり、職人の技術に依存するため、仕上がりのばらつきが発生しやすいという点もあります。​
リシンは吹き付け塗装として知られ、施工が比較的簡単で短期間で済むことが特徴です。スプレーガンを使って外壁に塗料を吹き付ける「吹き付け塗装」が一般的です。吹き付け塗装を行うことで、短時間で塗装作業が済み外壁に凹凸模様や個性を出すことができます。ローラーを使って手作業で行う一般的な塗装方法とは違い、塗料をスプレーガンで吹き付けるため作業時間が短時間で済みます。
参考)https://pronuri.com/articles/2308

スタッコとリシンの耐久性とメンテナンス性

スタッコは耐久性が高く、メンテナンスが少なく済むという特徴があります。厚みがあり、独特の質感と重厚感が魅力で、ひび割れが少なく、メンテナンスが比較的容易です。セメント系素材のため基本的に透湿性は高く、不燃材料に分類されることから防火性にも優れています。
参考)https://www.hasegawa-tnet.com/posts/57345255/

ただし、スタッコは凹凸が深く立体的な模様であるため、汚れが入り込みやすく清掃が難しいという弱点があります。特に雨風の影響を受けやすい場所や日陰部分では、ホコリ・コケ・カビの蓄積が発生しやすく、見た目の劣化が進行しがちです。​
一方、リシンはスタッコに比べて耐久性が劣り、定期的なメンテナンスが必要です。劣化が早い場合があるため、メンテナンスの頻度が高くなります。また、燃えやすい素材が含まれることがあるため、防火性が低い点も注意が必要です。​
しかし、リシンはもともと通気性・透湿性が非常に高く、スタッコに比べて凹凸が細かいため、比較的汚れが目立ちにくいとされています。時間の経過とともに微細なカビや藻が発生する可能性はあるため、定期的なメンテナンスは必要です。モルタル外壁のメンテナンス周期は一般的に10年に1回が目安とされています。
参考)モルタル外壁の補修方法とは?劣化症状やメンテナンス周期も解説…

スタッコとリシンのコスト比較と選び方のポイント

リシンは工事費用が安いという大きなメリットがあります。吹き付け施工のため作業時間が短時間で済み、人件費を抑えられるためです。予算が限られている場合や、短期間での施工を希望する場合はリシンが適しています。​
一方、スタッコは長期的な耐久性を重視する場合に適した選択肢です。初期費用は高めですが、メンテナンス頻度が少なく済むため、長期的な視点ではコストパフォーマンスに優れる可能性があります。​
選び方のポイントとして、まず建物の用途とデザインを考慮することが重要です。洋風建築で高級感を出したい場合はスタッコ、和風・ナチュラル志向の住宅にはリシンが向いています。次に、建物の立地環境も考慮しましょう。雨風の影響を受けやすい場所では、汚れにくさを重視してリシンを選ぶという選択肢もあります。​
メンテナンスの頻度と予算も重要な判断基準です。メンテナンスを最小限に抑えたい場合はスタッコが適していますが、初期費用を抑えたい場合はリシンを選び、定期的なメンテナンスを行うという方法もあります。特定のデザインや質感を求める場合、スタッコの多様なテクスチャーが魅力的です。リシンもカラーバリエーションが豊富ですが、スタッコほどの質感は出せません。​
建設中の現場環境も考慮すべきポイントです。リシンは軽量で建物への負担が少ないという利点があるため、軽量構造の建物に適しています。家を建てる地域・環境に合う外壁を選ぶことで、快適に暮らせるようになります。
参考)家の外壁の選び方|それぞれの種類と特徴・選び方のコツ - く…