平型端子規格寸法一覧と建設現場での選び方

平型端子規格寸法一覧

平型端子規格の基本分類と標準寸法

平型端子は建設現場において電気設備工事で頻繁に使用される重要な接続部品です11。JIS規格に基づいて分類される平型端子には、主に以下の標準サイズが存在します。

 

基本的な平型端子の分類 📊

• 110型：最も細いタイプ（幅2.8mm）
• 187型：中間サイズ（幅4.8mm）
• 250型：標準的な太さ（幅6.3mm）
• 350型：最も太いタイプ（幅9.5mm）

JIS C2809:2014規格では、平形接続子を「機器又は部品と一体化した端子及び端子単体として使用する2.8 mm，4.8 mm，6.3 mm又は9.5 mmシリーズの孔又はディンプル戻止め付きメールタブと平形接続端子とを組み合わせた絶縁被覆なしの平形接続子」と定義しています。

 

数字が小さいほど端子の幅が狭くなり、250型が建設現場で最も汎用性が高いサイズとして広く使用されています。これらの端子は相互に互換性がないため、使用する機器に適合したサイズを正確に選択することが重要です。

 

110型・187型・250型の詳細寸法比較表

建設現場で主に使用される3つの平型端子について、詳細な寸法規格を比較表で整理しました。

 

端子型式	公称幅	公称厚さ	適合電線断面積	主な使用場面
110型	2.8mm	0.5mm/0.8mm	0.5～1.25mm²	スピーカー接続
187型	4.8mm	0.5mm/0.8mm	0.5～1.25mm²	小型機器接続
250型	6.3mm	0.8mm	0.5～2.0mm²	スイッチ・リレー

電線適合性の詳細 ⚡

• 110型：細い電線専用で精密機器との接続に適用
• 187型：110型より若干太く、中間的な用途で使用
• 250型：最も汎用性が高く、建設現場での標準規格

JIS規格では推奨電線導体断面積として0.2mm²から6.0mm²まで段階的に設定されており、建設現場では特に0.75mm²、1.25mm²、2.0mm²の電線が頻繁に使用されます。250型端子は2.0mm²まで対応できるため、大部分の建設電気工事に適用可能です。

 

JIS規格による平型端子の技術仕様詳細

JIS C2809:2014規格は平形接続子の寸法、性能および試験方法について詳細に規定しています。建設業従事者が理解しておくべき技術仕様は以下の通りです。

 

電気的定格と使用条件 ⚙️

• 交流電圧：1,000V以下
• 周波数：1,000Hz以下
• 直流電圧：1,500V以下
• 使用温度：規格で定められた範囲内

メールタブ厚さ表示規則 📏

• 2.8mmおよび4.8mmシリーズ：メールタブ厚さ0.5mm用には「5」、0.8mm用には「8」と表示
• 接続用電線：銅導体で断面積6mm²以下の可とうより線または非可とうより線を使用
• アルミニウム電線：この規格の適用外

建設現場での電気設備工事では、これらの技術仕様を遵守することで安全で信頼性の高い電気接続を実現できます。特に高電圧を扱う産業設備では、規格適合性が法的要求事項となる場合があります。

 

規格適合品を使用することで、電気事故の防止と長期的な接続信頼性を確保できます。建設現場では作業環境が厳しいため、JIS規格準拠の高品質な端子の選択が推奨されます。

 

建設現場で使用頻度の高い平型端子サイズ選定

建設現場における実際の電気工事では、用途に応じて最適な平型端子サイズを選定する必要があります11。現場での使用頻度と適用場面を詳しく解説します。

 

250型端子の建設現場での主要用途 🏗️

• トグルスイッチとの接続（制御盤組立て）
• ロッカスイッチの配線作業
• 汎用リレーとの接続部分
• 建設機械の制御回路

250型は建設現場で最も使用頻度が高く、エーモンを含む主要メーカーのスイッチ類がこの規格で統一されています。建設現場の電気設備工事では、制御盤の組立てや建設機械の電気系統において頻繁に使用されます。

 

110型・187型の特殊用途 🔧

• 110型：計測機器やセンサーとの接続
• 187型：中型モーターの制御回路
• スピーカーシステムの音響設備工事

建設現場では音響設備工事も重要な作業の一つです。会議室や工場の放送設備では110型や187型の平型端子が使用される場合があり、適切な規格選択が音質に直接影響します。

 

適合電線サイズとの関係 ⚡
建設現場では0.75mm²から2.0mm²の電線が主流となっており、250型端子がこの範囲を完全にカバーしています。現場での作業効率を考慮すると、250型端子を中心とした在庫管理が推奨されます。

 

平型端子選定時の電線断面積適合基準と施工注意点

建設現場での平型端子選定では、電線断面積との適合性が最重要要素となります11。適切な選定基準と施工時の注意点について詳述します。

 

電線断面積別の端子選定基準 📐

• 0.2～0.5mm²：110型端子を推奨
• 0.5～1.25mm²：110型または187型を選択可能
• 0.75～2.0mm²：250型端子が最適
• 2.0～6.0mm²：350型端子または専用大型端子

建設現場では安全性を最優先とし、電線の断面積に対して十分な余裕を持った端子サイズの選択が重要です。過小な端子を使用すると接触不良や発熱の原因となり、火災リスクが高まります。

 

圧着作業における技術的注意点 🔨

• 圧着工具は端子規格に適合したものを使用
• 電線の被覆剥き長さは端子仕様に厳密に合わせる
• 圧着後の引っ張り強度テストを実施
• 圧着部分の変色や変形がないことを確認

建設現場の厳しい環境下では、適切な圧着作業が長期的な信頼性を左右します。特に振動が多い建設機械や屋外設備では、圧着品質が設備の安全運転に直結します。

 

環境条件と端子材質の考慮 🌡️
建設現場では温度変化、湿度、粉塵などの環境要因が端子性能に影響します。JIS規格品を使用することで、これらの環境条件下でも安定した性能を維持できます。

 

メッキ処理された端子は耐食性に優れ、長期間の使用でも接触抵抗の増加を抑制できます。建設現場での使用では、初期コストより長期的な信頼性を重視した端子選択が推奨されます。

 

定期的なメンテナンスと点検により、平型端子の劣化状況を監視し、必要に応じて交換することで、建設現場の電気設備の安全性を維持できます。

 

ミネベアコネクトの平形端子規格情報
平型端子の製造メーカーによる詳細な規格情報と技術仕様
JIS C2809:2014 平形接続子規格
平型端子の公式JIS規格文書と技術基準の詳細