

叩きのみを理解する近道は、「叩いて掘る鑿」と「押して削る鑿」を最初に切り分けることです。竹中大工道具館の解説では、鑿は用途に応じて大きく叩鑿(たたきのみ)と仕上鑿に分けられ、叩鑿は玄能などでほぞ穴を掘ったり脇を削り取ったりするため頑丈に作られる、とされています。さらに叩いて使うため柄頭には冠(かつら)という鉄製の環を付けて用いる点も要所です。
建築現場の「叩きのみ 種類」という検索意図は、ほぼこの叩鑿側の中で“何を選ぶか”に集約されます。実務上は、同じ“叩ける鑿”でも「薄さ(欠けやすさ)」「首の細さ(折れ・曲がりリスク)」「柄の太さ(握って叩く安定性)」が違い、作業速度と仕上がりが変わります。
なお「一般にのみというと叩きのみ(かつらをハンマーで叩くタイプ)を指す」という説明もあり、日常会話では叩きのみが“標準の鑿”として扱われがちです。だからこそ、購入や現場支給のセットをそのまま使うのではなく、用途から逆算して種類を選ぶのが安全です。
施工側の判断で重要なのは次の3点です。
追入鑿は、叩きのみの代表格として説明されることが多く、造作加工に使うため「造作鑿」とも呼ばれます。鑿の種類解説では、追入鑿は穴掘りや欠き取りなど多用途を兼用でき、叩き鑿より若干薄く仕上がっている、と整理されています。
竹中大工道具館の説明でも、叩鑿の一つである大入鑿(おいれのみ)は大小10本をセットにして使い分けるほど種類が多く、鑿は“大が小を兼ねられない”ため刃幅を揃える必要がある、と明言されています。つまり、追入鑿は「万能」ではあるものの、刃幅を妥協すると能率が落ちる道具です。
建築従事者の視点で「追入鑿=現場の基準セット」と捉えるなら、次のように決めると迷いが減ります。
「追入れノミは叩きのみの一種」という整理もあり、名称だけで別物と誤解しないのがポイントです。分類としては叩きのみ(叩鑿)の中に追入鑿が含まれる、という理解が現場では使いやすいでしょう。
叩き鑿(たたきのみ)は、構造材の加工に使い、しっかり叩くため頑丈に厚くできている、と解説されています。また「厚鑿(あつのみ)とも言う」とされ、実務では“厚鑿系=叩きが主の鑿”として扱われます。
下村の大工道具辞典でも、敲き鑿(たたきのみ)は家の構造材の加工などに使い、追入鑿よりも大きい鑿だと説明されています。Wikipediaでも叩き鑿は主に柱や梁といった構造材に穴を掘る荒仕事に使い、肉厚で頑丈だとされています。
厚鑿を選ぶ現場メリットは、単に「強い」だけではありません。
一方で、厚鑿は肉厚ゆえに“入り始め”が重く、狭い溝や細い内角の追い込みでは追入鑿の方が楽な場面もあります。現場では「荒掘り=厚鑿」「仕上げ寄せ=追入鑿」「底さらい=突鑿/仕上鑿」という組み合わせが合理的です。
叩きのみを叩いて使うために、柄頭に冠(かつら)という鉄製の環を付けて用いる、という説明があります。これが“叩ける鑿”の構造的サインで、冠があることで玄翁の打撃で柄が潰れにくくなります。
また玄翁については、鑿の叩き込みや釘打ちに使われ、片面が平ら、もう片面が「木殺面(きごろしめん)」という中央がわずかに丸い面になっている、という解説があります。木殺面は木の表面を傷つけにくくする目的があるとされ、叩きのみの運用でも「どちらの面でどこを叩くか」を意識すると事故が減ります。
安全と品質に効く管理ポイントを、現場用に絞って列挙します。
意外と見落としがちなのは、刃先よりも“柄頭の管理”が作業の安定に効く点です。刃は研げば戻りますが、柄の緩みや冠の不具合は、精度だけでなく手の怪我に直結します。
叩きのみの話題は「追入鑿か厚鑿か」といった種類論に寄りがちですが、建築現場で差が出るのは“刃幅の段取り”です。竹中大工道具館では、鑿は大が小を兼ねられないため刃幅を各種揃える必要があり、追入鑿(大入鑿)だけでも10本組で使い分けるほど種類が多い、と説明されています。ここを現場段取りに落とすと、「今日の加工寸法に合う刃幅が揃っているか」が能率と精度を左右します。
独自視点として、叩きのみの“種類選び”を一段具体にして、加工パターン別に刃幅セットを決める考え方を提案します。
さらに、刃幅が合っていないと起きる現象も押さえると改善が速いです。
「叩きのみ 種類」を調べる最終目的は、道具知識の暗記ではなく、現場で“速く・安全に・寸法通り”を再現することです。そのためには、種類(追入鑿/厚鑿)だけでなく、刃幅セットと段取りの最適化まで踏み込むのが実務的に効きます。
【鑿の構造・叩鑿と仕上鑿の区分、冠(かつら)の説明(権威性:博物館の解説)】
竹中大工道具館|道具解説:鑿
【敲き鑿(叩きのみ)・玄翁(木殺面)など用語の要点(現場用語の整理)】
下村|大工道具辞典