u ボルトの寸法一覧で配管工事の規格選定ガイド

u ボルトの寸法一覧で配管工事の規格選定ガイド

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u ボルトの寸法一覧と規格選定

U ボルト寸法選定の基礎知識
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寸法表の構成要素

配管外径、ねじ径、高さ、ピッチの各寸法データ

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材質別の規格差

ステンレス、鉄、表面処理による寸法の違い

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現場での選定基準

配管径とねじ径の適切な組み合わせ選択

u ボルト寸法表の見方と基本構造

u ボルトの寸法表は配管工事において重要な選定資料となります。基本的な寸法表の構成要素は以下の通りです。

  • 呼び寸法(A): 6A~650Aまでの管径表示
  • 鋼管外径: 実際の配管外径(mm)
  • ねじ径: M4~M30までのメートルねじ、W1/4~W5/8のウィットねじ
  • P(ピッチ): Uボルトの内径寸法
  • H(高さ): ボルトの高さ寸法
  • S(厚み): ボルト脚部の厚み

寸法表では配管の呼び径と実際の外径が対応付けられており、例えば50A(2インチ)の配管では外径60.5mmに対してM8、M10、M12などの複数のねじ径が選択可能です。この多様性により、施工条件や荷重要件に応じた最適な選定が可能となります。

 

配管外径別のu ボルト選定基準

配管外径に応じたUボルトの選定は、構造的安全性と施工性の両方を考慮する必要があります。主要な配管サイズ別の推奨選定基準は以下の通りです。
小径配管(8A~25A):

  • 外径13.2mm~34.0mm
  • 推奨ねじ径:M6~M10
  • 一般的な用途:給排水、空調配管

中径配管(32A~100A):

  • 外径42.7mm~114.3mm
  • 推奨ねじ径:M8~M16
  • 一般的な用途:主管配管、消防設備

大径配管(125A以上):

  • 外径139.8mm以上
  • 推奨ねじ径:M12~M24
  • 一般的な用途:幹線配管、プラント設備

配管の荷重や振動条件によっては、より太いねじ径を選択することで安全性を向上できます。特に屋外設置や地震多発地域では、一回り太いボルトの採用が推奨されています。

 

ねじ径と材質による寸法の違い

Uボルトの材質によって寸法に微細な差異が生じることがあります。主要材質別の特徴は以下の通りです。
ステンレス製(SUS304/SUS316L):

  • 寸法範囲:M6~M24(ミリサイズ)、1/4~5/8(ウィットサイズ)
  • 特徴:耐食性に優れ、精密な寸法精度
  • 表面処理:生地仕上げが標準

炭素鋼製(SS400):

  • 寸法範囲:M4~M30(最大径対応)
  • 特徴:強度が高く、大型サイズに対応
  • 表面処理:ユニクロ、三価クロメート、溶融亜鉛めっき

表面処理による寸法への影響も考慮が必要です。溶融亜鉛めっき(ドブメッキ)の場合、皮膜厚さ75~100μmにより若干の寸法増加が発生します。精密な取り付けが必要な箇所では、この皮膜厚さを考慮した選定が重要です。

 

表面処理とu ボルト寸法の関係性

表面処理の種類によってUボルトの最終寸法が変化するため、施工精度に影響を与える可能性があります。各処理方法の特徴と寸法への影響を整理すると。
生地仕上げ(無処理):

  • 寸法変化:なし
  • 適用:屋内設置、ステンレス製
  • 精度:最も高い寸法精度を維持

電気亜鉛めっき(ユニクロ):

  • 皮膜厚さ:3~8μm
  • 寸法影響:軽微
  • 適用:一般的な屋内用途

三価クロメート処理:

  • 皮膜厚さ:5~15μm
  • 寸法影響:軽微~小
  • 適用:軽微な屋外環境

溶融亜鉛めっき(ドブメッキ):

  • 皮膜厚さ:75~100μm
  • 寸法影響:大(要考慮)
  • 適用:重防食環境、長期屋外設置

特に溶融亜鉛めっきでは、ねじ部の嵌合に影響する可能性があるため、ナットとの組み合わせ時には注意が必要です。施工前にはめっき後の実寸法確認が推奨されます。

 

施工現場でのu ボルト寸法計算方法

実際の施工現場では、標準寸法表にない特殊な条件でのUボルト選定が必要になる場合があります。以下は現場で活用できる実用的な計算方法です。
配管間隔がある場合の計算:

  • 必要内径 = 配管外径 + 保温厚さ × 2 + 余裕代(10~20mm)
  • 複数管まとめ固定時 = 各管外径の合計 + 管間隔 + 余裕代

荷重計算による太さ選定:

  • 配管自重 + 内容物重量 + 動的荷重を考慮
  • 安全率2.0以上での計算が基本
  • 地震荷重は配管重量の1.5倍として計算

取り付け高さの決定:
実際に締付可能なねじ部長さ(H-ΦD)は、全高から座面までの距離を差し引いた値となります。この値は寸法表に参考値として記載されており、ナット厚さとワッシャー類を考慮した余裕を確保する必要があります。

 

現場での応急対応として、近似サイズのUボルトにスペーサーや調整プレートを組み合わせる方法もありますが、構造計算の再確認が必須となります。

 

建設現場でのUボルト寸法選定は、単純な寸法合わせだけでなく、荷重条件、環境条件、メンテナンス性を総合的に判断することが重要です。適切な寸法選定により、配管設備の長期安定稼働と安全性を確保できます。