

ISO規格は国際標準化機構によって定められた油圧ホースの国際的な規格です。この規格ではホースサイズにISOメートルサイズ5~120の14サイズがあり、4種類のグレードと7種類のタイプが規定されています。
主なISOメートルサイズは以下の通りです。
ISO規格の特徴として、圧力別ホース規格であることが挙げられます。これにより小口径から大口径まで統一された基準で管理でき、国際的な機械での互換性が確保されています。
建設機械における海外製機械の導入が進む中、ISO規格の理解は特に重要になってきており、適切な選定により機械のメンテナンス性向上とコスト削減を実現できます。
日本の工業規格であるJIS(Japanese Industrial Standards)では、主にJIS K6349-3(高圧ゴムホース)とJIS B8360(高圧ゴムホースアセンブリ)が油圧ホースの基準として使用されています。
JIS規格の主な特徴。
JIS規格には液圧用ホースアセンブリの継手金具及び附属金具に関するJIS B8363:2015も含まれます。これは鋼線又は繊維で補強した液圧用ホース及び継手金具によって構成するホースアセンブリの規格を定めています。
国内メーカーのブリヂストン、横浜ゴム、住友理工などがJIS準拠品を製造しており、国内での調達のしやすさと品質の安定性が特長です。
現在、日本国内の油圧ホースの大部分は海外製となっており、各地域で異なる規格が使用されています。
主な海外ホース規格。
構造別ホースの特徴は、小口径(φ6)から大口径(φ50)まで全て同じ構造を採用し、サイズによってホースの最高使用圧力が変化することです。一方、圧力別ホースは使用圧力に応じて構造が最適化されています。
建設機械や産業機械の輸入時には、これらの海外規格を理解することが交換部品の調達や適切なメンテナンス計画の立案に不可欠です。
日本の油圧機器メーカーカタログ参考リンク(各社の詳細仕様や規格対応表が記載されています)
https://www.y-yokohama.com/product/mb/hose/pdf/25-37.pdf
油圧ホースの適切な選定は、機械の性能と安全性を左右する重要な要素です。選定には主に3つの要素を確認する必要があります。
選定の3要素。
サイズ決定方法。
ホース外径を測定して下記の対応表で内径を特定します:
| 内径(mm) | 外径(mm) | ダッシュ呼称 |
|---|---|---|
| 6 | 12-15 | -04 |
| 9 | 15-19 | -06 |
| 12 | 19-23 | -08 |
| 15 | 24-26 | -10 |
| 19 | 28-31 | -12 |
| 25 | 34-38 | -16 |
また、ホース表面の印字から仕様を確認することも可能です。横浜ゴム製品では「耐圧:140k、内径:12ミリ」、ブリジストン製品では「耐圧:30k、内径:25ミリ(-16)」などの印字があります。
長さの測定は、一端の口金先端から他端の口金先端までを計測し、角度が付いている場合はホース径の中心線と口金径の中心線の交点までを基準とします。
口金の選定は油圧システムの効果的な動作を実現するために最も重要な要素です。不適切な口金選定は漏れや圧力損失、最悪の場合は機器の破損を招く可能性があります。
主な口金タイプ。
ネジ規格の分類。
機械メーカー別の使用傾向。
口金サイズは金具のナット部(HEX)直径で決定し、スパナサイズでも識別できます。例えば内径6mmの場合、スパナサイズは19mm、内径12mmでは27mmが標準です。
適切な口金選定により、メンテナンス性の向上と作業効率化を実現でき、長期的な運用コストの削減にもつながります。