

FRP防水プライマー材は、既存FRP面や各種下地に対して上塗り(防水材・トップコート等)の密着を成立させる「接着の土台」をつくる材料です。
FRPは一見つるつるで強固に見えますが、表面の状態(ワックス分・汚れ・旧塗膜・粉塵)次第で密着が急落し、ハジキや剥離などの不具合が出やすい点が厄介です。
現場では「塗る材料のグレード」よりも、「プライマーが効く表面を作れているか」が勝負になりやすく、改修ほど差が出ます。
箇条書きで役割を整理します。
FRP防水で失敗が集中するのは、下地処理(サンディング、清掃、脱脂)の“順序と徹底度”です。
特にFRP表面のワックス分(離型剤由来の成分等)が残っていると密着の邪魔になりやすく、アセトンが有効だとする実務情報があります。
一方で、FRP防水面用プライマーを使う前提なら、ウレタンシンナーでの脱脂+研磨でも可とする整理もあり、材料体系に合わせて選択するのが現実的です。
やり方を現場向けに分解します(入れ子無し)。
意外と見落としがちなポイントです。
FRP防水プライマー材は、塗ったら終わりではなく「上塗りできる時間帯(オープンタイム/上塗可能時間)」の管理が施工品質を左右します。
例として、あるFRP防水面用プライマーの資料では、プライマー塗布後は上塗りまで1~12時間(23℃)が目安とされ、12時間以上経過すると層間剥離のおそれがあるため目荒らし+再塗布が必要と記載されています。
また同資料では、気温5℃以下・湿度80%以上では施工しない旨が示され、温湿度が硬化や性能に影響する前提で工程を組む必要があります。
現場で使える管理のコツです。
参考)森工業のよもやま話~雑学講座23~
参考:施工仕様(上塗可能時間・使用量など)の根拠に使える一次資料
東日本塗料「フローンFRP防水面用プライマー」仕様(使用量・上塗可能時間・施工条件の記載)
FRP防水の浮きは、施工不良(下地清掃やプライマー塗布の不備、脱泡不足など)で起きることがあると整理されています。
また、下地にゴミ・ホコリ・油分が残るとプライマーが密着せず、プライマーの塗り忘れ・不足も剥がれや浮きにつながる、という説明もあります。
つまり不具合の多くは「材料が悪い」より前に、「下地処理」「塗布量」「工程間隔」「脱泡」あたりの複合ミスで起きやすいです。
代表的な症状と、現場での切り分け軸です。
参考:ピンホール・泡の「原因→対策」が具体的にまとまっている(補修時の考え方の整理に有用)
東日本塗料「防水材に泡やピンホールが発生」原因と対策(巣穴処理・養生時間の注意)
FRP防水プライマー材は性能以前に、溶剤・反応性成分を含むため、SDS(安全データシート)を読んで「換気・火気・保護具」を段取りに組み込むのが事故防止として重要です。
例として、あるプライマーのSDSでは「引火性の高い液体及び蒸気」などの危険有害性情報が示され、吸入リスクや皮膚感作に関する注意喚起も記載されています。
ここが意外な盲点で、仕上がり不良は現場で見える一方、健康影響や火災リスクは“起きた時に取り返しがつかない”ため、施工管理の一部として標準化する価値があります。
現場に落とす具体策です。
参考:メーカーが公開しているSDSの一覧(現場のリスクアセスメント・KY資料作成に便利)
東日本塗料「製品SDS一覧」(危険有害性・保護具・保管条件の確認に使える)
参考)https://www.hnt-net.co.jp/products/product_sds_pdf.html