
アルミサッシの塗装で最も重要な工程は下地処理です。この工程を怠ると、塗装後すぐに剥がれてしまう可能性があります。
下地処理の手順。
特に脱脂処理は重要で、アルミ表面の油分を完全に除去することで塗料の密着性が大幅に向上します。サンドペーパーは400番程度の細かいものを使用し、表面に細かい傷をつけることで塗料の食いつきを良くします。
塗装業者として注意すべき点は、下地処理時の環境条件です。湿度の高い日や気温が低い日は乾燥時間が長くなるため、スケジュール調整が必要となります。
アルミサッシの塗装には専用の塗料選択が不可欠です。一般的な塗料では密着性が低く、剥がれやすいという問題があります。
主な塗料の種類。
弱溶剤塗料は臭いが強いものの、アルミのようなツルツルした表面への密着性が高いため、プロの塗装業者が最も推奨する選択肢です。
意外に知られていない事実として、アルミサッシの塗装では下塗り用のプライマーの選択が仕上がりを左右します。ミッチャクロンマルチのような密着性向上剤を使用することで、従来は困難とされていたアルミへの塗装が可能になりました。
アルミサッシの塗装は基本的に3回塗りで仕上げます。下塗り・中塗り・上塗りの工程をそれぞれ24時間以上の間隔をあけて行うことが重要です。
塗装手順。
スプレー塗料を使用する場合は、20~30cm離して均一に吹き付けます。縦横交互の塗布で塗りムラを防止し、一度に厚く塗らず薄く重ね塗りすることが美しい仕上がりの秘訣です。
プロの技術として、開閉部分は特に薄く丁寧に塗装することが重要です。塗料が厚く付着すると、窓の開閉に支障をきたす可能性があります。
アルミサッシの塗装で最も多いトラブルが塗膜の剥がれです。剥がれを防ぐには適切な工程管理が不可欠です。
剥がれ防止のポイント。
特に重要なのは、各工程での乾燥時間の確保です。急いで次の工程に進むと、塗膜同士の密着が不十分になり、後から剥がれの原因となります。
コーティング剤の塗布は、塗装の耐久性をさらに高める効果があります。最終工程として透明なコーティング剤を薄く塗布することで、塗装の寿命を大幅に延ばすことができます。
アルミサッシの塗装費用は1箇所あたり4~6万円が相場ですが、サッシ交換と比較すると大幅なコスト削減が可能です。
費用比較。
施工期間は天候に大きく左右されますが、一般的には以下の工程となります。
塗装業者としての独自の視点として、アルミサッシの塗装は建物全体の外観に大きな影響を与えます。外壁塗装と同時に行うことで、統一感のある美しい仕上がりが期待できるため、顧客への提案時には総合的なリフォーム計画を提示することが重要です。
また、近年は環境配慮型の塗料も登場しており、VOC(揮発性有機化合物)の排出を抑えた製品も選択肢として検討する価値があります。
塗装後のメンテナンスについても顧客に説明することで、長期的な信頼関係を築くことができます。一般的にアルミサッシの塗装は5~10年で再塗装が必要となるため、定期点検サービスの提案も有効です。