

バリア工法は「床下に作業者が入り、木部と土壌へ薬剤処理をして“見えないバリア層”を作る」という前提があるため、そもそも床下条件が合わない建物では成立しません。代表例が「床下がない」「床下高が低い」などで、施工会社側もデメリットとして明確に挙げています。
また、近年増えている基礎断熱は床下が通気しない前提の構成になりやすく、一般的なバリア工法の適用が難しい(ベイト工法推奨)とされることがあります。
建築側の実務としては、設計・施工段階での「点検口位置」「床下作業動線」「床下高の確保」が、将来のシロアリ予防メニューの選択肢を狭める、という“後から効くデメリット”になります。
現場で起きやすい落とし穴は次の通りです。
この論点は施主向けの記事だと軽く流されがちですが、建築従事者としては「仕様が工法選定の可否を決める」点を先に押さえると、説明の説得力が上がります。
参考)バリア工法は他のシロアリ駆除と何が違う?ベイト工法との比較も…
バリア工法の分かりやすいデメリットとして、「床下とはいえ家屋の中に薬剤を散布する」点が挙げられます。
多くの業者は安全性配慮や低臭性を強調しますが、それでも“薬剤を建物内に入れる行為そのもの”に抵抗がある施主が一定数いて、これが工法選定の決定打になることがあります。
特に、化学物質過敏症の人には推奨しない、と明言する情報もあり、説明責任として見積段階でのヒアリングが重要です。
建築側・現場管理側での実務ポイントは、リスクをゼロと言い切らず、条件整理で納得感を作ることです。
なお、薬剤散布の話は感情論に寄りやすいので、現場では「施工箇所」「施工量」「立入制限」「換気」の4点に落として説明すると、クレーム予防に効きます。
参考)シロアリ防除におけるバリア工法とは?仕組みについても解説
バリア工法は一般的な工法である一方、作業者の経験・知識・技術が必要で、これ自体がデメリットとして挙げられています。
理由は単純で、薬剤は“撒けば終わり”ではなく、侵入しやすいポイントを特定し、均一に・くまなく処理できて初めてバリアとして機能するためです。
さらに、コンクリートのひび割れ、配管周り、玄関下などのディテールは重点処理ポイントとして挙げられており、施工品質の差が出やすい領域です。
建築従事者向けに「施工ムラ=デメリット」を具体化すると、次のように言語化できます。
施工側の独自の工夫としては、見積書・報告書に“重点処理ポイントの写真”を入れ、ひび割れ・貫通部・玄関下などの処理根拠を残すと、デメリット(=不安)を説明可能な情報に変換できます。
バリア工法は「一度の施工で5年間効果が持続」と説明されることが多い一方、裏返すと“効力を前提に5年周期で再施工が必要になりやすい”という意味でもあります。
現場では、施主が「一度やったら半永久」と誤解しているケースがあり、5年目の更新提案時に反発が起きて関係が悪化することがあります。
建築従事者としては、保証と効果の範囲(どこまでが保証対象で、どこからが別途工事か)を先に明文化してもらうことが、バリア工法の“見落とされがちなデメリット対策”になります。
説明時は、次の整理が役に立ちます。
この話は“売り込み”に聞こえやすいので、建築側は「ライフサイクルコストの説明」として淡々と提示するのがコツです。
検索上位の解説は「薬剤」「工法比較」に寄りがちですが、建築従事者として強い独自視点になるのが“バリア工法のデメリットを、設計・施工ディテールの責任に引き寄せて語る”ことです。
バリア工法の本質は「床下を中心に施工する」ことなので、点検口の位置や床下動線が悪いと、施工性が落ち、結果として処理の均一性が下がる(=デメリットが顕在化する)という構造になります。
つまり、バリア工法のデメリットは“薬剤の問題”だけでなく、“床下を扱う前提を満たせない建物側の問題”でも起こり得ます。
実務での提案(設計・現場監督向け)は以下です。
建物の仕様がバリア工法に適合するかを、竣工後ではなく設計段階で確認する——これが、建築従事者にとって最も価値が出る「デメリット対策」です。
参考:バリア工法の仕組み・メリット/デメリット・基礎断熱では施工できないケースの説明
バリア工法は他のシロアリ駆除と何が違う?ベイト工法との比較も…
参考:バリア工法のデメリット(床下がない/低い、技術が要る)と施工時の重要ポイント(ひび割れ・配管・湿度が高い箇所など)
シロアリ防除におけるバリア工法とは?仕組みについても解説