ベアリング規格寸法表NSK一覧と建築現場選定ガイド

ベアリング規格寸法表NSK一覧と建築現場選定ガイド

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ベアリング規格寸法表NSK一覧

NSKベアリング規格寸法表の重要ポイント
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深溝玉軸受の基本寸法

内径10-75mm、外径26-115mmの標準規格寸法を網羅

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呼び番号と寸法対応

6000番台から6300番台まで体系的に分類された規格表

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建築機械への適用

クレーン、コンベヤ、ポンプなど建設現場で使用される機器向け

NSKベアリングは建築業界において、クレーン、エレベーター、建設機械など様々な設備で重要な役割を担っています。適切なベアリング選定には正確な規格寸法表の理解が不可欠です21。

 

NSKの軸受寸法表は、JIS規格に準拠した標準的な分類システムを採用しており、呼び番号によって内径、外径、幅が体系的に決められています。建築現場で使用される機械設備の保守・交換作業において、この規格寸法表は必携の資料となります。

 

NSK深溝玉軸受の規格寸法表と呼び番号体系

深溝玉軸受は建築機械で最も多用される軸受タイプです。NSKの6000番台シリーズは以下の規格で構成されています。
6000番台(超軽荷重用)の主要寸法

  • 6000: 内径10mm、外径26mm、幅8mm
  • 6001: 内径12mm、外径28mm、幅8mm
  • 6002: 内径15mm、外径32mm、幅9mm
  • 6003: 内径17mm、外径35mm、幅10mm
  • 6004: 内径20mm、外径42mm、幅12mm
  • 6005: 内径25mm、外径47mm、幅12mm

6200番台(軽荷重用)の主要寸法

  • 6201: 内径12mm、外径32mm、幅10mm
  • 6202: 内径15mm、外径35mm、幅11mm
  • 6203: 内径17mm、外径40mm、幅12mm
  • 6204: 内径20mm、外径47mm、幅14mm
  • 6205: 内径25mm、外径52mm、幅15mm
  • 6206: 内径30mm、外径62mm、幅16mm

呼び番号の読み方として、最初の「6」は深溝玉軸受を表し、続く数字が軸受の荷重容量と寸法シリーズを示します。末尾の2桁は内径を5倍した値を表しており、例えば6204なら内径20mm(04×5=20)となります。

 

建築現場でよく使用される面取寸法(rs min)も規格化されており、6000番台では0.3-1.1mm、6200番台では0.6-1.5mmの範囲で設定されています。

 

アンギュラ玉軸受とニードルベアリングの寸法仕様

アンギュラ玉軸受は、建築機械のスピンドルやギアボックスで使用される高精度軸受です。NSKのアンギュラ玉軸受は接触角によって分類されます。
接触角による分類

  • 15度接触角(C形): 高速回転用
  • 25度接触角(A5形): バランス型
  • 30度接触角(A形): 標準仕様
  • 40度接触角(B形): 高軸方向荷重用

7200番台(軽荷重用)から7400番台(重荷重用)まで豊富なラインナップがあり、建築機械の用途に応じて選定できます。

 

ニードルベアリングは、限られたスペースで高い荷重容量が必要な箇所に使用されます。主な形式として。

  • ケージ&ローラ形:RNA48、RNA49シリーズ
  • シェル形:F、FH、NFHシリーズ
  • ソリッド形:B、BHシリーズ
  • スラスト形:NTAシリーズ

建設機械のオイルシリンダーやピン連結部分で多用されており、コンパクトな設計が可能になります。

 

ベアリング交換時の相互参照表活用方法

建築現場での緊急メンテナンスでは、他メーカーとの互換性確認が重要です。NSKベアリングの相互参照表により、SKF、FAG、NTNなどの他ブランドとの対応関係を確認できます。

 

主要メーカー間の呼び番号対応例

  • NSK 6204 = SKF 6204 = FAG 6204 = NTN 6204
  • NSK 7208B = SKF 7208B = FAG 7208B = NTN 7208B

サフィックス(接尾記号)の対応も重要で、シールタイプの表記が各メーカーで異なります。
シール・シールド記号の対応表

  • 2枚シール(接触): NSK=DDU、SKF=2RS1、NTN=LLU
  • 2枚シールド: NSK=ZZ、SKF=2Z、NTN=ZZ
  • 止め輪付き: NSK=NR、SKF=NR、NTN=NR

特に注意すべきは、保持器材質の表記で、NSKの「M」(銅合金製)はSKFでも「M」ですが、樹脂製保持器はNSK「TY」に対してSKF「P」と表記が異なります。

 

建築機械の定期点検時には、この相互参照表を活用することで、在庫切れの際の代替品選定がスムーズに行えます。

 

建築機械向けベアリング選定の実践ポイント

建築現場で使用される機械は過酷な環境下で稼働するため、適切なベアリング選定が設備の信頼性に直結します。

 

負荷特性による選定基準

  • クレーン旋回部: 大径アンギュラ玉軸受(7000番台)
  • コンベヤローラー: 深溝玉軸受(6200-6300番台)
  • 油圧シリンダー: ニードルベアリング(RNA、NAシリーズ)
  • ポンプ軸: 高速対応軸受(特殊グリース仕様)

許容回転数の確認も重要で、グリース潤滑と油潤滑で大きく異なります。例えば6204軸受の場合。

  • グリース潤滑: 9,500rpm
  • 油潤滑: 14,000rpm

建設機械では一般的にグリース潤滑が採用されるため、この値を基準に選定します。

 

環境条件への対応
屋外使用が多い建築機械では、防塵・防水性能が重要です。

  • DDU形(接触シール2枚): 高い防塵性、やや回転抵抗大
  • ZZ形(シールド2枚): 標準防塵性、低回転抵抗
  • VV形(非接触シール): 高速回転対応、防塵性中程度

温度条件も考慮が必要で、NSKのX28サフィックス軸受は200℃までの高温使用に対応します。

 

NSKベアリングのはめあい公差と許容差基準

適切な軸受性能を発揮するには、軸とハウジングとの寸法精度が重要です。JIS B 1566規格に基づくはめあい公差の理解が必要です。

 

軸のはめあい推奨値

  • 軽荷重・間欠運転: k5
  • 通常荷重・連続運転: m5
  • 重荷重・衝撃荷重: m6
  • 薄肉ハウジング: n6

ハウジングのはめあい推奨値

  • 外輪回転・軽荷重: K6
  • 外輪固定・通常荷重: H7
  • 外輪固定・重荷重: J6
  • 調整可能取付: G6

軸受取付寸法として、軸の肩径(ds)とハウジング肩径(DH)の関係も規格化されています。

  • ds(軸肩径)= d(内径)+ 2h
  • DH(ハウジング肩径)= D(外径)- 2h

この肩高さ「h」は軸受サイズによって決まり、適切な軸受支持を確保します。

 

面取寸法(R)の管理も重要で、軸受の面取寸法(rs)よりも小さく設定する必要があります。例えば6204軸受(rs=1.0mm)の場合、軸とハウジングの面取Rは最大1.0mmまでとなります。

 

内部すきまの選定
建築機械の用途に応じた内部すきま選択。

  • C2(狭いすきま): 高精度・低振動要求
  • CN(標準すきま): 一般的用途
  • C3(大きいすきま): 高温・重荷重用途
  • C4(特大すきま): 極高温・極重荷重用途

特に建設機械では温度上昇や荷重変動が大きいため、C3すきまの選定が推奨されることが多くあります。

 

これらの技術基準を理解することで、建築現場での軸受トラブルを未然に防ぎ、設備の稼働率向上に貢献できます。