デプスゲージ アナログ 使い方と測定精度 校正

デプスゲージ アナログ 使い方と測定精度 校正

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デプスゲージ アナログ 使い方

📏 アナログデプスゲージの基本
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測定対象

穴や溝の深さ、段差の高さを垂直方向に正確に測定

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測定精度

±0.02mm~±0.05mmの高精度測定が可能

利便性

電源不要で現場でも手軽に使用できる

デプスゲージ アナログの基本構造と特徴

アナログデプスゲージは深さ測定に特化した精密測定工具で、ノギスやマイクロメーターでは測定困難な垂直方向の寸法を正確に測定できます。主な構成要素は、測定基準面となるベース部分、深さを読み取る目盛板、そして測定子から成り立っています。
参考)デプスゲージの基礎知識

建築現場では、コンクリート打設前の型枠内部の深さ確認や、基礎工事での掘削深度チェック、配管の埋設深さ測定など多様な用途で活用されています。アナログ式は電源が不要なため、電力供給のない現場でも確実に測定作業を進められる利点があります。測定範囲は一般的に0~150mm、0~200mm、0~300mmなど、用途に応じて選択可能です。
参考)【深さ測定】デプスゲージの選定ポイントと注意点【ミツトヨ】 …

最小読取値は0.02mmまたは0.05mmが標準で、建築現場での一般的な精度要求に十分対応できます。ベース測定面を基準面に密着させ、測定子を測定対象に当てることで、その差分を目盛から読み取る仕組みです。
参考)https://teclock.co.jp/pdf/04Depthgauge_J.pdf

デプスゲージ 目盛の正確な読み方

アナログデプスゲージの目盛読取には、主尺と副尺の2つの目盛を組み合わせる必要があります。主尺は1mm単位の目盛が刻まれており、副尺は0.05mmまたは0.02mm単位の細かい読取を可能にします。
参考)【デプスゲージ】意外とかんたんに使える超便利ツール│ころころ…

具体的な読み方として、まず主尺で整数部分を確認します。例えば主尺が「2.3」の位置にある場合、2.3mmが基本値となります。次に副尺の目盛を確認し、主尺の目盛線と副尺の目盛線が最も一致している箇所を探します。副尺が「9」の位置で一致していれば、0.09mmを加算します。​
実測例として以下のようなケースがあります。主尺が「2.5」、副尺が「10」の位置で一致している場合、測定値は2.5mm + 0.10mm = 2.60mmとなります。初めて使用する場合は目盛の読み方が分かりづらいため、必ず取扱説明書を確認しながら練習することが重要です。​
測定時の注意点として、目盛板は目線を真正面から見る必要があります。斜めから見ると視差により誤差が生じるため、必ず垂直に目盛を読み取りましょう。​

デプスゲージ 測定手順と注意点

正確な測定を行うためには、適切な手順と注意事項を守ることが不可欠です。測定前の準備として、ベース測定面と測定子の先端に付着した汚れ、切削油、ゴミなどを清掃用クロスで丁寧に拭き取ります。測定対象の穴や溝内部も同様に清掃し、異物が残っていないことを確認してください。​
測定時はベース面を測定基準面にしっかりと密着させることが重要です。この際、ベースが浮いたり傾いたりしないよう、両手でデプスゲージを保持します。測定子を測定対象に当てる際は、必ず垂直方向に押し込むことを意識してください。​
傾きがあると正確な深さを測定できず、測定誤差の原因となります。測定子が測定対象に接触したら、外枠を回転させて0目盛を合わせ、クランプで固定します。その状態で目盛を読み取ることで、正確な深さ寸法が得られます。​
測定は同じ箇所で3回以上繰り返し、その平均値を採用することで測定精度が向上します。特に重要な箇所では、測定者を変えて再測定することも有効な精度確保の方法です。​

デプスゲージ 精度と校正方法

測定精度を維持するためには定期的な校正が必須です。アナログデプスゲージの一般的な精度は、測定範囲50mm以下で±0.05mm、50~100mm以下で±0.06mm、100~200mm以下で±0.07mmとJIS規格で定められています。​
校正方法として、精密定盤上にブロックゲージを2個配置し、その測定面をベース測定面に密着させた状態で測定します。デプスゲージの指示値からゲージの寸法を減じることで、測定誤差を確認できます。​
簡易的な校正方法として、ノギスを使用する手法もあります。ノギスの隙間を例えば2.0mmに設定し、その隙間をデプスゲージで測定します。指示値が1.732mm(計算式:ノギスの隙間/2×TAN60°)を示せば正常です。ただしこの方法は精度が±0.05mm程度の誤差を含む可能性があります。
参考)http://bamboorod.fan.coocan.jp/frame/menu6/page7.html

専用のゼロセットゲージを使用する方法が最も確実です。2.0mm用のゼロセットゲージにデプスゲージを乗せ、指示値が正確に2.0mmを示すことを確認します。ずれている場合は目盛板を調整して2.0mmに合わせます。​
建築現場では使用頻度や環境によって劣化速度が異なるため、社内規格に基づいた定期校正スケジュールを設定することが推奨されます。校正証明書付きの測定器を使用することで、品質管理のトレーサビリティも確保できます。
参考)https://www.niigataseiki.co.jp/product/attached/manual/15171079.pdf

建築現場でのデプスゲージ活用とメンテナンス術

建築現場特有の過酷な環境下では、デプスゲージの適切な管理が測定精度の維持に直結します。現場での実践的な活用方法として、基礎工事での床掘深度確認時には、掘削面が不均一な場合が多いため複数箇所で測定し平均値を算出することが重要です。

 

配筋検査での鉄筋かぶり厚さ測定にも、デプスゲージは有効です。型枠内での作業は狭隘な空間での測定となるため、ベース寸法が100mm程度のコンパクトなモデルが扱いやすくなります。測定後は毎回、測定面をエアブローで粉塵を除去し、防錆油を薄く塗布して専用ケースに収納します。
参考)デプスゲージの種類と選定ポイント 【通販モノタロウ】

湿気の多い現場では錆の発生リスクが高まるため、シリカゲル入りの保管ケースを使用することで測定器の寿命を延ばせます。月に1回程度、各部の動きが滑らかか、目盛板にガタつきがないか点検します。異常を発見した場合は、使用を中止して専門業者による修理または校正を依頼してください。
参考)校正・定期メンテナンス

近年の建築現場では遠隔臨場による検査が増加しており、測定作業の様子をリアルタイムで映像配信するケースも増えています。その際、測定器の目盛が映像でも読み取れるよう、照明の位置や角度にも配慮が必要です。
参考)https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594457.pdf

デジタルデプスゲージと比較して、アナログ式は電池切れの心配がなく、耐衝撃性にも優れているため、建築現場の第一線で長期間活躍できる信頼性の高い測定工具といえます。
参考)https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0061.html

株式会社ミツトヨ「デプスゲージの基礎知識」
デプスゲージのJIS規格に基づく性能基準や測定誤差の詳細情報が掲載されています。

 

株式会社テクロック「デプスゲージカタログ」
測定原理や使用方法の図解が含まれた技術資料です。