

アナログデプスゲージは深さ測定に特化した精密測定工具で、ノギスやマイクロメーターでは測定困難な垂直方向の寸法を正確に測定できます。主な構成要素は、測定基準面となるベース部分、深さを読み取る目盛板、そして測定子から成り立っています。
参考)デプスゲージの基礎知識
建築現場では、コンクリート打設前の型枠内部の深さ確認や、基礎工事での掘削深度チェック、配管の埋設深さ測定など多様な用途で活用されています。アナログ式は電源が不要なため、電力供給のない現場でも確実に測定作業を進められる利点があります。測定範囲は一般的に0~150mm、0~200mm、0~300mmなど、用途に応じて選択可能です。
参考)【深さ測定】デプスゲージの選定ポイントと注意点【ミツトヨ】 …
最小読取値は0.02mmまたは0.05mmが標準で、建築現場での一般的な精度要求に十分対応できます。ベース測定面を基準面に密着させ、測定子を測定対象に当てることで、その差分を目盛から読み取る仕組みです。
参考)https://teclock.co.jp/pdf/04Depthgauge_J.pdf
バーニヤ式のデプスゲージは、副尺の0線直前にある主尺のmm値に、主尺と一致する副尺線の順番(0線を第0線)×最小読み取り値を加えます。仮に主尺が2mm、一致線が第9線、最小読み取り値が0.02mmなら、2+9×0.02=2.18mmです。
ダイヤル式は副尺を使わず、型式に応じて長針・短針と目量を読みます。比較測定では設定した基準寸法も必要です。DD-205の説明書では、10mmのマスターで原点設定し、読み取り値が+0.03mmなら測定値は10.03mmとなります。
参考)【デプスゲージ】意外とかんたんに使える超便利ツール│ころころ…
測定時の注意点として、目盛板は目線を真正面から見る必要があります。斜めから見ると視差により誤差が生じるため、必ず垂直に目盛を読み取りましょう。
正確な測定を行うためには、適切な手順と注意事項を守ることが不可欠です。測定前の準備として、ベース測定面と測定子の先端に付着した汚れ、切削油、ゴミなどを清掃用クロスで丁寧に拭き取ります。測定対象の穴や溝内部も同様に清掃し、異物が残っていないことを確認してください。
測定時はベース面を測定基準面にしっかりと密着させることが重要です。この際、ベースが浮いたり傾いたりしないよう、両手でデプスゲージを保持します。測定子を測定対象に当てる際は、必ず垂直方向に押し込むことを意識してください。
原点は測定前に、型式の取扱説明書に従って設定します。平面度が保証された定盤など、または指定のマスターを用い、必要なクランプ操作を確認してください。測定対象に当ててからゼロに合わせるのではなく、設定後に対象へ静かに当て、基準面を密着させて読み取ります。
同じ箇所を繰り返し測定する場合は、基準面の当て方や測定位置をそろえ、各測定値とばらつきを記録します。平均値だけで原点のずれなどの系統誤差は修正できません。繰返し回数は測定計画で決め、値が安定しない場合は清掃状態、原点、接触状態を確認してください。
最小読み取り値は、測定精度や許容誤差そのものではありません。ミツトヨが示すJIS規格(JIS B 7518:2018)の部分測定面接触誤差の最大許容誤差(MPE)は、目量・最小読み取り値と測定長で列が異なります。例えば測定長50mm以下では、0.05mmの列は±0.05mm、0.02mmまたは0.01mmの列は±0.02mmです。使用する型式の性能項目と適用条件を照合してください。
校正方法として、精密定盤上にブロックゲージを2個配置し、その測定面をベース測定面に密着させた状態で測定します。デプスゲージの指示値からゲージの寸法を減じることで、測定誤差を確認できます。
ノギスの隙間と角度を使う特殊な測定条件を、一般的な深さ測定器の正常判定へ転用しないでください。ミツトヨのデプスゲージの評価例では、精密定盤上の2個のブロックゲージにベース測定面を密着させ、本尺測定面を定盤に当て、指示値と基準寸法の差を求めます。採用型式に適した評価方法と許容値を確認してください。
参考)http://bamboorod.fan.coocan.jp/frame/menu6/page7.html
ゼロ調整は原点を合わせる操作で、校正とは区別します。校正では、必要な測定点で既知の基準寸法と指示値の差を確認し、結果を記録します。適合を判断する際は、対応する製品仕様と照合してください。任意の1点を合わせただけでは、測定範囲全体の性能を保証できません。
建築現場では使用頻度や環境によって劣化速度が異なるため、社内規格に基づいた定期校正スケジュールを設定することが推奨されます。校正証明書付きの測定器を使用することで、品質管理のトレーサビリティも確保できます。
参考)https://www.niigataseiki.co.jp/product/attached/manual/15171079.pdf
建築現場特有の過酷な環境下では、デプスゲージの適切な管理が測定精度の維持に直結します。現場での実践的な活用方法として、基礎工事での床掘深度確認時には、掘削面が不均一な場合が多いため複数箇所で測定し平均値を算出することが重要です。
かぶり厚などの寸法確認に使う前に、測定したい位置へ測定子が届くか、ベースを置く基準面が確保できるか、測定範囲が適するかを確認してください。清掃・防錆・注油は型式の説明書に従い、毎回のエアブローや防錆油を共通手順にしないでください。DD-205は注油禁止で、指定された布による清掃とケース保管が案内されています。
参考)デプスゲージの種類と選定ポイント 【通販モノタロウ】
湿気の多い現場では錆の発生リスクが高まるため、シリカゲル入りの保管ケースを使用することで測定器の寿命を延ばせます。月に1回程度、各部の動きが滑らかか、目盛板にガタつきがないか点検します。異常を発見した場合は、使用を中止して専門業者による修理または校正を依頼してください。
参考)校正・定期メンテナンス
近年の建築現場では遠隔臨場による検査が増加しており、測定作業の様子をリアルタイムで映像配信するケースも増えています。その際、測定器の目盛が映像でも読み取れるよう、照明の位置や角度にも配慮が必要です。
参考)https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594457.pdf
電源を必要としないアナログ式であることと、耐衝撃性は別です。落下や測定子への衝撃を避け、破損、動きの異常、原点の不安定があれば使用を中止し、メーカーの点検・修理手順を確認してください。
出典:ミツトヨ「デプスゲージの基礎知識」、ミツトヨ「デプスゲージの使い方」、新潟精機「DD-205取扱説明書」、テクロック「デプスゲージカタログ」。
参考)https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0061.html
株式会社ミツトヨ「デプスゲージの基礎知識」
デプスゲージのJIS規格に基づく性能基準や測定誤差の詳細情報が掲載されています。
株式会社テクロック「デプスゲージカタログ」
測定原理や使用方法の図解が含まれた技術資料です。
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