

毒劇法 改正 2025は、厚生労働省通知で「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令」と「施行規則の一部改正」が2025年10月29日に公布されたことが明記されています。
施行期日は原則として2025年11月1日で、ただし「劇物からの除外」に関する部分は公布日から施行とされ、ここを読み違えると在庫管理の判断が逆転し得ます。
さらに重要なのが経過措置で、「新たに劇物に指定された物」について、一定期間(2026年1月31日まで)登録・責任者設置・表示の一部規定が適用されない扱いが示されています。
建築現場の実務では「経過措置=何もしなくてよい」と誤解されがちですが、通知本文では、経過措置がない規定(例:譲渡手続・交付制限・廃棄・運搬等の技術基準など)は2025年11月1日から適用される旨が明確に書かれています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251030I0170.pdf
つまり、同じ“新規に劇物化”でも「表示の切替は猶予あり」「運搬・譲渡・廃棄は猶予なし」が混在し、現場のルールブックを条文単位で分けて運用する必要があります。
この“猶予のあるもの/ないものの混在”が、元請・協力会社・購買・倉庫の誰も全体像を掴めず事故や是正の温床になるため、早期に一覧表化して共有するのが安全です。
今回の改正では、特定の物質(フェナザキン等)を新たに劇物に指定し、また一部の塩素酸塩類を含む製剤については条件付きで劇物から除外する内容が示されています。
ここで建築現場が注意すべきは、SDSや薬剤名だけでは判断できず、「含有率」や「製剤の形状(粉粒状か否か)」といった条件で法的位置づけが分岐する点です。
たとえば「除外」は“何でも外れる”のではなく、通知に書かれた濃度範囲や加工形態などの条件を満たす製剤に限られるため、購買伝票・メーカー仕様書・SDSの版管理が要になります。
また通知では、今回の改正内容の背景資料や、パブリックコメントの結果ページも参照先として挙げられており、改正の意図(なぜ追加・除外したか)の確認に役立ちます。
現場的には「薬剤を置く・運ぶ・渡す」頻度が高いほどリスクが増えるため、次のような棚卸しが効果的です。
参考:改正の具体的な追加・除外、施行日、経過措置(表示・登録の猶予、猶予のない規定)がまとまっている
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251030I0170.pdf
毒劇法の運用上、「表示」は事故防止と監査対応の両方で最初に見られるポイントになりやすく、通知でも新規指定物の表示(法第12条)の扱いが経過措置として言及されています。
一方で、毒劇法そのものはe-Gov法令でも公開されており、販売・授与・貯蔵などの規制の基本構造(登録がない者の取り扱い制限等)を俯瞰できます。
建築現場では販売業に該当しないケースもありますが、「現場に持ち込んで保管する」「他社に受け渡す」などの行為が絡むと、手続や管理方法が問題化しやすいので、表示だけを整えて満足しないことが大切です。
表示の実務で起きがちな“落とし穴”は、ラベルそのものよりも「貼り替えの責任分界」と「現物と書類の版ズレ」です。
参考)e-Gov 法令検索
参考:毒劇法の条文(基本の禁止・取扱い枠組みを確認できる)
e-Gov 法令検索
今回の改正省令では、法第14条第2項に基づき作成する書面について「譲受人が押印又は署名した書面」とする形に改めた旨が通知に記載されています。
この変更は、現場でありがちな「受領書は現場代理人がサイン」「購買は別部門」「納品は夜間」という分断に直撃し、従来の帳票が要件未達になるリスクがあります。
特に建築では、材料・溶剤・洗浄剤などが短納期で動くため、押印運用を続けるのか、署名運用(本人性担保)に寄せるのかを決め、協力会社まで含めた統一が必要です。
実装イメージとしては、次の“紙の1枚増やす”より“既存帳票を要件化”する方が現場負荷が下がります。
毒劇法 改正 2025は物質の追加・除外や書面要件の更新が中心に見えますが、現場のトラブルは“法令そのもの”よりも「誰が何を担うか」が曖昧なときに起きやすいです。
通知では、既に流通している実情を踏まえた経過措置と同時に、関係業者へ「速やかに登録を受け、責任者を設置し、適正な表示を行うよう指導」する旨が記され、行政側が“猶予期間でも準備は進める前提”であることが読み取れます。
この前提を建築の多重下請構造に当てはめると、元請・一次・二次で「保管」「運搬」「小分け」「返却」「廃棄」の責任が分散し、結果として誰も全体を見ない“責任の空白”が生まれます。
そこで、検索上位の一般的な解説(施行日・物質一覧・表示)だけでは埋まらない、現場向けの設計として次を推奨します。
この「責任分界の固定」は、法改正のたびに帳票を増やすより効果が出やすく、監査での説明も「どの条文の何を誰が担っているか」を一貫して示せるようになります。