

度量衡法(どりょうこうほう)は、日本にかつて存在した度量衡(長さ・体積・質量などの単位)に関する法律で、単位や計測機器の構造・検定・事業者などを定めていました。
ポイントは「全部の場面の単位を縛る」よりも、商取引や公的な証明など“社会的に影響が大きい場面”を中心に規律する発想だったことです。
建築の実務に当てはめると、会話レベルで「尺で見てる」「坪で言う」ことが残っていても、契約・請求・数量・証明に入る瞬間に“単位の扱いが法の世界”に切り替わる、と理解すると事故が減ります。
また、工事では「数量」と「図面寸法」が別のルールで書かれることがあり、単位の混線が起きやすいです。
参考)https://www.skr.mlit.go.jp/etc/dobokuyouryou/H24p-1-01.pdf
たとえば、図面は mm 表示が原則とする資料がある一方で、数量計算は計量法の単位による、と明記されることがあります。
つまり、現場で“単位の言い方”が複数あっても、成果物(数量・図面・請求)に落とすときの単位体系を揃えないと、手戻り・増減・監督検査で痛い指摘につながります。
度量衡法は近代の計量制度を形づくった重要な法律でしたが、1951年(昭和26年)に度量衡法を全面的に書き換えた形で「計量法」が制定された、という整理が一般的です。
計量制度の歴史年表でも、1891年に度量衡法公布、1951年に計量法公布という流れが示され、計量法で対象範囲が拡大していったことが説明されています。
したがって、いま「度量衡法 とは?」を調べる読者が本当に知りたいのは、実務上は「現行法(計量法)では単位をどう扱うのが安全か」という結論になることが多いです。
建築の書類で“度量衡法”という言葉を見かけるケースは、
この考え方は、図面表示単位をmmとする旨や、数量の単位は計量法による旨が示される資料とも整合します。
度量衡法は単位だけでなく、度量衡計測機器の構造・検定・事業者なども定めていたとされ、計量器を規制対象として扱う発想が中心にあります。
計量制度史の説明でも、度量衡法公布の項目に「計量器に対する規制の整備」「営業用の計量器を国の検定対象とする」といった方向性が示されています。
建築の現場でこの話が効いてくるのは、たとえば“搬入量・処分量・材料受入・出来高”のように、重量・体積の数値がそのまま金額や証明に接続する場面です。
意外と盲点になりやすいのが、「測る行為」自体の管理です。
制度の根っこが「単位+計量器の管理」にあると理解すると、単位だけ整えてもトラブルが残る理由が見えてきます。
検索上位では歴史(公布・改正・メートル法への統一)に寄りがちですが、建築従事者に本当に効くのは「口頭の尺貫感覚を、図面mm・数量m2/m3へ安全に翻訳する運用」です。
行政系の要領で「図面に表示する寸法単位はmm」とされる一方、現場会話では「6尺脚立」「1尺ピッチ」などが自然に出ます。
このズレを放置すると、図面の“数値だけ”をmm前提で読む文化と、尺貫の体感で語る文化が衝突し、段取り・発注・加工でミスが起きやすくなります。
そこで、チーム内の翻訳ルールを「一枚の表」にして、朝礼や工程会議で共有しておくのが効きます(意味のない文字数増やしではなく、ミス削減に直結します)。
| 現場で出る言い方 | 成果物(図面・数量・請求)側の表記 | 事故が起きやすい点 |
|---|---|---|
| 「寸」「尺」で長さ感を説明 | mm(例:図面はmm) | 換算・端数処理のズレ、加工寸法の誤発注 |
| 「坪」で面積感を説明 | m2(見積・数量) | 坪→m2換算の思い込みで数量がズレる |
| 「立米」「m3」で搬出量を話す | m3(数量・処分) | 含水・空隙・締固めで“同じm3”でも実態差 |
単位の変換そのものより、「どの資料が正」で「どの単位で確定するか」を決めることが、法制度(取引・証明の重み付け)に沿った実務の最短ルートです。
制度史の豆知識としては、度量衡法の下で単位体系が複数並立し混乱が生じた、という経緯があり、現場の“混在文化”が単なる悪習ではなく歴史的背景を持つことが分かります。
この背景を踏まえると、「現場用語を禁止する」より「成果物はSI、会話は許容、ただし翻訳表で接続」という設計が現実的で、教育コストも下がります。
度量衡法(歴史の一次資料・条文の確認に有用)。
https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%BA%A6%E9%87%8F%E8%A1%A1%E6%B3%95
工事数量・図面単位(「数量の単位は計量法」「図面はmm」など実務に直結)。
https://www.skr.mlit.go.jp/etc/dobokuyouryou/H24p-1-01.pdf