

建築の仕様書や部材表で見かける「ゴム硬度」「単位ha」の“ha/HA”は、一般にショア硬さAスケール(デュロメータ硬さA型)を指しているケースが多いです。
ただし重要なのは、デュロメータ硬さの測定値は、引張強さや密度のように国際単位系(SI)の「単位」を持つ物性値ではない、という点です。
ASKERの解説でも、デュロメータの測定値は他の物性値のような単位を持たないため、単に「50(ポイント)」とせず「JIS K 6253準拠のタイプAデュロメータで50(ポイント)」など測定法を明示すべきだとされています。
現場実務では、次のような“表記の揺れ”が混在します。
✅上司チェックで突っ込まれやすいポイントは「単位haって何の単位?」です。結論としては、「HAは“単位”ではなく、デュロメータA型の硬さ指示値(ポイント)を示す記号・スケール名として扱う」のが安全です。
建築用のゴム部材でも、硬さ測定の根拠として参照されやすいのが JIS K 6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)で、その第3部がデュロメータ硬さを扱います。
JIS K 6253-3では、デュロメータ硬さは「規定した条件下で試験片に規定の押針を押し込んだときの押針の押込み深さから得られる値」と説明され、弾性率や粘弾性、厚さ、押針形状、押込力、押込み速度、読み取り時間など多因子の影響を受けるとされています。
さらに実務上効くのが「タイプ選択」のルールです。
つまり「HAだからA型で良い」と決め打ちせず、硬度レンジや試験片厚さによって測定器(タイプ)を変えるのが規格の考え方です。
権威性のある日本語の根拠(規格の目次・適用範囲・原理・タイプ選択が確認できる部分)
JIS K 6253-3(デュロメータ硬さ)の原理・タイプ選択・試験片条件がまとまっている
「同じHA 70でも、測り方が違うと数値がズレる」—このズレが、建築現場では受入検査や不具合判定の火種になります。
JIS K 6253-3では、読み取り時間(測定時間)を規定しており、標準測定時間は加硫ゴムで3秒、熱可塑性ゴムで15秒とされています。
またASKERの説明でも、押し付け速度が速いと高く、遅いと低く出るので一定速度が重要で、さらに同じ場所を続けて測ると指示が低くなるため測定位置を離す必要があるとされています。
ここを“検査仕様”に落とすと、最低限以下を揃えるのがコツです。
特に“意外と知られていない”のが「中央値」を使う点です。平均ではなく中央値で丸め幅1(整数)にするため、バラつく材料ほど「1点だけ測る」運用だと、受入可否が簡単にひっくり返ります。
建築従事者向けに言い換えると、硬度は「測定器+時間+手順」を揃えて初めて比較可能な、半分“検査プロセスの指標”です。
権威性のある日本語の根拠(表記方法や読み取り時間の考え方、注意事項の要点が確認できる部分)
デュロメータ硬さの“単位を持たない”性質、表記方法、測定上の注意が整理されている
「硬度の数字だけで材料を決める」のは危険ですが、現場での一次判断として“目安”を持つこと自体は有効です。
一般的に硬度は0〜100の範囲で表し、0に近いほど柔らかく100に近いほど硬い、と説明されます。
ただしJIS K 6253-3が指摘する通り、測定値はゴムの粘弾性や厚さ、読み取り時間などの影響を受けるため、硬度が同じでも「沈み方(クリープ)」や「反発の感じ」は一致しない場合があります。
建築用途での“判断の軸”を、硬度(HA)に紐づけて整理すると次のようになります。
また、タイプ選択(A/D/E/AM)には「硬度レンジ」と「厚さ」が絡むため、例えば薄いゴムシートを現場でA型手持ち測定すると、台の硬さの影響で高く出る可能性がある、という注記が規格にあります。
この“台が硬いほど硬度が上がる”現象は、現場での机上測定・床上測定で起きやすく、材料不良と誤判定しやすいので要注意です。
検索上位では「HAとは何か」「ショアAとは」になりがちですが、建築のトラブルはむしろ“発注側の書き方”と“受入側の測り方”のズレで起きます。
ASKERの解説が強調するように、硬さは単位を持たないため「JIS K 6253準拠のタイプA」「読み取り時間」まで含めて明示する必要があり、ここを省略すると同じ「HA70」でも別物が混ざります。
さらにJIS K 6253-3は、測定時間(加硫ゴム3秒、熱可塑性ゴム15秒)を標準としており、材料種別が違うのに同じ読み取り時間で比較すると、粘弾性の影響で“ズレが仕様化されてしまう”リスクがあります。
建築の受入検査で、仕様書に最低限入れておくと強い項目(コピペ用)を示します。
最後に、旧来の「Hs○○」の慣用が現場に残っていると、ショアA(HA)と混線しやすいので、発注時に“旧JISスプリング式か、デュロメータか”を切り分ける一文を入れるのが実務的です。
たとえば「硬度はデュロメータ(ショア)Aを採用し、Hs表記は使用しない」と明記すると、協力会社間の誤解が減ります。

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