

薄付けパテの乾燥時間は、まず「メーカーが想定する標準条件」を起点に考えるのが安全です。例えば、1液性のうすづけパテでは「20℃で約1時間で乾燥」と明記され、乾燥後は#320→#600程度で研磨して塗装工程へ進める流れが示されています。
また、同系統の“バンパー用うすづけパテ”では「20℃で約1〜2時間で硬化」とされ、製品によって“乾燥”表現と“硬化”表現が混在する点も現場では要注意です。
ただし、ここでいう「乾燥=次工程OK」と短絡しないことが重要です。薄付けパテは表面が先に締まりやすく、内部に溶剤が残っている状態で研磨・上塗りに入ると、後から縮み・ピンホール・チヂミの原因になり得ます(表面だけ乾いた“スキン”状態)。
参考)うすづけパテ ナチュラル|補修用品 パテ|補修|商品情報|ソ…
実務上は、メーカーの目安時間を守ったうえで、次のような“硬化確認”を組み合わせると失敗が減ります。
参考:製品の標準乾燥時間(20℃)と研磨番手の流れ(#320→#600)が具体的に書かれている
うすづけパテ ナチュラル|補修用品 パテ|補修|商品情報|ソ…
気温は乾燥時間を決める最大要因の一つで、同じ薄付けパテでも高温ほど硬化が早く、低温ほど硬化が遅くなると注意書きされています。
さらに、使用に適した気温として10〜30℃が挙げられ、5℃以下ではほとんど硬化しないため使用しない、という強い注意もあります。
建築の現場でも、冬場の“室内だけど冷えている”状況は珍しくなく、朝一の下地処理→パテ→夕方研磨という工程が成立しないことがあります。こういう日は「何分待てばOKか」を当てにいくより、環境側を寄せる発想が有効です(採暖、材料を暖かい場所で保管、作業面の結露回避など)。99kobo+1
また、厚く塗るほど内部が乾きにくいと明記されており、温湿度が厳しい日は“薄く回数を分ける”だけで予定が崩れにくくなります。
参考:低温での硬化遅延や、5℃以下ではほぼ乾燥しない旨のQ&A
https://www.99kobo.jp/support/detail/355
薄付けパテは“一度に厚く盛る”ほど乾燥不良を起こしやすく、「一度に塗る厚さは1mm以内」と注意されています。
厚み管理は乾燥時間だけでなく、ワレ・はがれ・後収縮のリスクにも直結するので、薄付けは「面を作る」「巣穴を埋める」用途に限定し、深い欠損は別工程(厚付け・充填側)で処理してから薄付けで整面、という二段構えが基本になります。
研磨に入る適正タイミングは、単に“時間が経った”ではなく「研磨粉が乾いているか」で判断すると現場に合います。乾燥不足だと、#320でもペーパーが詰まりやすく、面が引きずられて“モゲる”ような肌荒れが出がちです(その状態で無理に研ぐと、後で痩せて段差が戻る)。
研磨番手は、乾燥後に#320→#600のように段階を踏む例が示されており、最初から細かすぎる番手で削ろうとすると、目詰まり→熱→表面だけ伸びる、の悪循環にも入りやすい点は押さえておきたいところです。
薄付けパテの乾燥後は研磨して塗装へ進みますが、注意書きとして「下地状態によってはハガレやチヂミが起こることがある」とされており、次工程へ移る前の状態確認が重要です。
また、樹脂バンパー系の文脈では、パテ施工後に塗装する前、素材が露出した箇所にはプライマーが必要と説明されています(下地の“素材”によって前処理が変わる)。
建築の塗装・仕上げでも同様に、上塗り材側の溶剤や水分が「乾き切っていないパテ層」に影響すると、表面のシワ・吸い込みムラ・ブリードのような不具合が出やすくなります。そこで“乾燥時間を守る”に加え、次のチェックをルーチン化すると事故が減ります。
薄付けパテの乾燥時間は、実際には同じ製品でも現場ごとにブレます(気温・通風・下地温度・塗り厚が毎回違うため)。一方で、メーカーは「適温10〜30℃」「5℃以下ではほぼ硬化しない」「厚塗りは内部が乾かない」など、“ブレる条件”自体ははっきり示しています。
そこで意外に効くのが、個人・チームの中で「乾燥ログ」を取って、段取りに反映するやり方です。難しい管理は不要で、次の4点だけメモすると再現性が上がります。
このログが溜まると、「今日は10℃を下回るから、カタログの“20℃で約1時間”をそのまま当てない」など、現場の判断が言語化されます。
結果として、乾燥時間を“気合い”で短縮するより、工程を分割して待ちを別作業に振り替える(養生、清掃、次面の下地処理)ほうが、全体の工期が安定しやすくなります。