発泡プラスチック断熱性能と種類別特徴
発泡プラスチック断熱性能と種類別特徴
🏠
発泡プラスチック断熱性能の基本原理と熱伝導率
発泡プラスチック断熱材は、プラスチックを発泡させて形成された細かな気泡構造が特徴です。熱伝導率は0.028~0.034W/(m・K)と低く、同じ厚さのグラスウールなど繊維系断熱材よりも高い断熱性能を発揮します。熱伝導率は主に固体部分、気体部分、輻射による伝導の3つが関与し、気泡内のガスが断熱性能に大きく寄与します。製品密度が高いと固体部分の熱伝導率が上がり、低いと気体や輻射の影響が増します[2][7]。
🧱
発泡プラスチック断熱材の種類と特徴
発泡プラスチック断熱材は主に押出法ポリスチレンフォーム(XPS)、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)、ウレタンフォーム、フェノールフォームの4種類がJIS A 9521で規定されています。
・XPS/EPSはコストと施工性に優れ、住宅の床や壁、屋根に幅広く使用。
・ウレタンフォームは現場発泡も可能で気密性が高い。
・フェノールフォームは難燃性・高断熱性が特徴。
吸湿性が低く、防湿層不要な点もメリットです[4][3]。
🛠️
発泡プラスチック断熱性能の経年劣化と長期性能
高性能発泡プラスチック断熱材は、製造直後から数年で断熱性能が数十%低下する場合があります。これは気泡膜のガスバリア性が低く、断熱性の高い発泡ガスが抜けて空気が侵入しやすいためです。特にフェノールフォームなどは気泡径を小さくし、膜の穴や割れを抑えることで長期性能の維持が課題となります。選定時には初期性能だけでなく、経年劣化にも注意が必要です[7]。
🐜
発泡プラスチック断熱材のシロアリ・耐火性と施工注意点
発泡プラスチック断熱材はシロアリ被害や火災リスクへの配慮が重要です。一般的な発泡プラスチックはシロアリ被害を受けやすいため防蟻処理が必要ですが、発泡ガラスボードなどはシロアリに強い特性があります。耐火性は種類によって異なり、フェノールフォームは難燃性が高い一方、ウレタンやポリスチレン系は火に弱い傾向です。施工時は接合部の防蟻措置や火気管理、加工時の粉塵対策も必須です[1][5][6]。
🌱
発泡プラスチック断熱性能と環境性能・独自の選定視点
環境性能の観点からは、発泡プラスチック断熱材の原料や製造工程、廃棄時のリサイクル性も重要です。発泡ガラスボードは廃ガラスを原料とし、再利用が可能でVOCや有害物質の発生もありません。近年はオゾン層破壊物質を使わない製造法や、長寿命化によるライフサイクルコスト低減の取り組みも進んでいます。断熱性能だけでなく、環境負荷やサステナビリティも選定基準に加えることが、今後ますます求められます[1]。
断熱性能の基本的な解説や、主要な発泡プラスチック断熱材ごとの特徴、経年劣化や施工時の注意点、さらに環境性能まで幅広く解説しました。
発泡プラスチック断熱材の選定では、熱伝導率やコストだけでなく、耐久性や環境負荷、施工性など多角的な視点で判断することが重要です。
【参考リンク】
発泡プラスチック断熱材の種類や特徴を詳しく解説
e-lifetech.com「断熱材の種類は何がある?」
経年劣化・熱伝導率の詳細なメカニズム解説
日化協「高性能発泡プラスチック断熱材」
発泡ガラスボードの施工実例・詳細
新津組「パッシブハウス施工日誌」