マイクロファイバー断熱材とセルロースファイバーの特徴と施工性比較

マイクロファイバー断熱材は、極細の無機繊維やシリカベースのマイクロポーラス構造を持つ高性能断熱材。
代表的な製品には、顆粒状やブランケット状があり、最高使用温度が1000℃～1400℃と非常に高い耐熱性を誇るものも存在。
低熱伝導率（0.028～0.044W/m・K）で、従来のグラスウールやロックウールよりも薄く高い断熱性を発揮。
不燃性・高耐久性・省エネ性にも優れ、メンテナンスフリーでランニングコストを抑えられる点が特徴[1][2]。

セルロースファイバーは古新聞などのリサイクル原料を使った木質系繊維断熱材。
調湿性に優れ、壁内結露やカビの発生を防ぐ効果が高い。
ホウ酸添加による防虫・防火効果、そして高い吸音性も持つ。
熱伝導率は0.038W/m・Kで高性能グラスウールと同等。アメリカでは60年以上の歴史があり、施工は専門業者による吹き込み工法が主流[4][5]。

マイクロファイバー断熱材は、顆粒状やブランケット状など形状が多様で、複雑な立体形状や空洞にも充填しやすい流動性を持つ[1]。
高温部や特殊形状への断熱が求められる現場で特に有効。
一方、セルロースファイバーは現場吹き込み工法が一般的で、専用機械と職人による高密度施工が可能。
そのため施工不良リスクが低く、気密性・防音性が高まるが、施工コストはグラスウールの3倍程度と高価[4]。

マイクロファイバー断熱材は不燃性・高温耐性に優れ、工業炉や排気システムなど高温環境でも長期安定使用が可能[1][2]。
生体溶解性ファイバータイプならRCF規制にも非該当で安全性が高い[2]。
セルロースファイバーはホウ酸添加により高い防火・防虫性能を持つが、木質系ゆえに不燃材料認定は準不燃にとどまる場合もある[5]。
環境面ではセルロースファイバーがリサイクル材料使用でエコロジー性が高い。

マイクロファイバー断熱材は、従来の断熱材では施工困難だった複雑な立体形状や高温部への自動供給が可能。
特に顆粒状タイプは流動性が高く、隙間なく充填できるため、従来の板状断熱材よりも熱損失を大幅に低減できる。
また、薄くても高い断熱性能を持つため、壁厚を抑えつつ省エネ・高断熱住宅や工場の省スペース化に貢献。
さらに、メンテナンスフリーで長期的なコスト削減効果が期待できる[1]。