

環境基本法は、1993年11月19日に公布・施行(同日施行)された法律です。
「いつ?」の答えを確実にするコツは、ニュース記事や解説サイトではなく、行政の一次情報(環境省の白書等)で“公布・施行”の表現を確認することです。
国会審議の流れとしては、第128回国会で成立し、11月19日に公布・施行と整理されており、日付の取り違え(成立日と公布日)を防げます。
環境基本法は、公害対策基本法(1967年)など従来の枠組みでは対応しにくくなった都市・生活型公害、廃棄物問題、地球温暖化・オゾン層破壊などの拡大を背景に、政策全体の“基本法”として整備された経緯があります。
環境白書では、後追い・対症療法では限界があり、国・自治体だけでなく事業者や国民の自主的取組も含めた総合的な枠組みが必要になった点が説明されています。
建築・建設の仕事は、まさに「日常的な事業活動が環境負荷に直結しやすい分野」なので、個別の規制に従うだけでなく、基本法が求める“配慮の発想”を前提に計画・施工を組むことが重要になります。
環境基本法は、環境の保全に関する基本理念と、国・地方公共団体・事業者・国民の責務を明確にすることを目的に掲げています。
条文レベルで建築従事者に直結しやすいのが「事業者の責務」で、事業活動に伴うばい煙・汚水・廃棄物等の処理、その他の公害防止、自然環境の適正な保全に必要な措置を講ずる責務があると示されています。
また、製品等が廃棄物となった場合の適正処理が図られるよう必要な措置を講ずる責務も規定されており、建設資材の選定・分別・排出管理の説明責任の“思想的な根”として理解できます。
参考:条文としての「事業者の責務(第8条)」を原文で確認できる(責務の範囲の根拠に使える)
衆議院:環境基本法(法律第九十一号)条文
環境基本法は、国が環境に影響を及ぼす施策を策定・実施するに当たり環境保全へ配慮すべきことを示し、環境影響評価の推進など“意思決定に環境を組み込む”方向性を持っています。
建築実務では、すべての案件が環境影響評価(アセス)の対象になるわけではありませんが、上位計画→都市計画→大規模開発→周辺事業のように、連鎖的に配慮要求が降りてくる場面が起きます。
意外に見落とされがちなのは、「手続の対象かどうか」以前に、近隣説明や行政協議の場で“環境配慮の説明”を求められたとき、基本法の考え方が実務の共通言語として機能する点です。
検索上位では「いつ制定?」で終わりがちですが、建設業の実務では“日付を起点に社内の型を整える”発想が有効です。
環境基本法は基本法なので直接の罰則論だけで現場運用を組むより、「責務」を根拠に、元請・協力会社・発注者の役割分担(誰が何を記録し、誰が説明するか)を先に決めておくと、トラブル対応が速くなります。
例えば、廃棄物・濁水・粉じん・騒音のように個別法が分かれる領域でも、発注者に示す“環境配慮の全体方針”は共通フォーマット化しやすく、現場ごとの説明品質のバラつきを抑えられます。
参考:建設工事で参照すべき環境法令を横断的に整理できる(現場で“何を見ればいいか”の地図になる)
日建連:建設工事の環境法令ガイド(PDF)