仮設トイレの寸法一覧|メーカー別サイズ比較

仮設トイレの寸法一覧|メーカー別サイズ比較

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仮設トイレの寸法一覧

仮設トイレの基本寸法情報
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標準サイズ

一般的な仮設トイレは幅85-90cm、奥行120-160cm、高さ220-270cmが主流

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重量範囲

簡易水洗タイプで55-100kg、本格的な多目的トイレで285-630kgと幅広い

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設置考慮事項

搬入ルートの確保と設置場所の地盤強度確認が必要

仮設トイレの標準的な寸法とサイズ規格

仮設トイレの標準的な寸法は、建設現場での使用頻度と設置効率を考慮して設計されています。最も一般的なサイズは、高さ220cm~250cm、横幅90cm、奥行120cm~150cmとなっており、これらの寸法は成人男性が快適に使用できるよう計算されています。

 

  • 高さの基準: 220-270cm(天井までの余裕を考慮)
  • 幅の基準: 80-90cm(車椅子対応は110cm以上)
  • 奥行の基準: 110-160cm(手洗い設備の有無で変動)

ハマネツの代表的なTU-iXシリーズでは、845×1555×2470mmの寸法で設計されており、重量は約88キロとなっています。この重量は大人男性の持ち上げ能力(約55キロ)を超えるため、設置には必ず複数人での作業が必要です。

 

より軽量なTU-Aシリーズ(ポンプ式簡易水洗タイプ)では、800×1142×2228mmのコンパクト設計で、重量を約55キロまで抑えています。このタイプは組み立て式のため、狭小現場での設置に適しています。

 

仮設トイレのメーカー別寸法比較表

主要メーカーの仮設トイレ寸法を比較すると、用途や機能によって大きく異なることが分かります。以下は代表的なメーカーの寸法一覧です。

 

TOWAの仮設トイレシリーズ

  • FM-1型(大小兼用): 929×1230×2265mm
  • THⅡ型(トイレハウス): 3550×2200×2730mm
  • TH型(ヒシトイレハウス): 3500×2250×2690mm
  • ユニバーサル型: 2270×1970×2700mm(重量630kg)

GXシリーズ(標準タイプ)

  • GX-WCP+(簡易水洗洋式): W850×D1,590×H2,590mm
  • GX-WR+(水洗洋式): W850×D1,125×H2,240mm
  • GX-AS+(水洗和式): W850×D1,125×H2,240mm

ベクセスの特殊仕様

  • 小便用(非水洗): W840×L1,550×H2,470mm
  • 組立式(簡易水洗和式): W803×L1,189×H2,228mm
  • 多目的トイレ: W2,270×L1,970×H2,700mm

国土交通省認定の「FG快適トイレ」は、W2425×D1495×H2710mmの大型サイズで、室内寸法はW1115×D2245mmと非常に広々とした設計となっています。重量は285kgと重めですが、17項目の快適仕様をクリアしており、女性作業員の増加に対応した最新規格です。

 

仮設トイレの重量と設置時の制約条件

仮設トイレの重量は、安全な設置と撤去作業において最も重要な要素の一つです。タイプ別の重量分類を理解することで、適切な搬入機材と人員配置が可能になります。

 

軽量クラス(50-100kg)

  • 組立式トイレ: 55-88kg
  • 標準簡易水洗: 70-100kg
  • 非水洗タイプ: 60-80kg

中量クラス(100-300kg)

  • 快適トイレ: 285kg
  • 本水洗タイプ: 150-250kg
  • 手洗い付きタイプ: 180-280kg

重量クラス(300kg以上)

  • 多目的トイレ: 630kg
  • 大型トイレハウス: 400-800kg
  • 冷暖房付きタイプ: 500-900kg

設置時の地盤強度は、重量の1.5倍以上の耐荷重が推奨されています。特に630kgのユニバーサル型では、約1トンの耐荷重が必要となるため、軟弱地盤では地盤改良や敷板の使用が必須です。

 

搬入車両の選定も重要で、100kg以下であれば軽トラックでの運搬が可能ですが、285kg以上のタイプでは4トン以上のユニック車が必要になります。狭小現場では、組立式トイレを選択することで搬入コストを大幅に削減できます。

 

仮設トイレの種類別寸法の特徴と用途

仮設トイレは用途に応じて様々な種類があり、それぞれ最適化された寸法設計がなされています。種類別の寸法特徴を理解することで、現場に最適な選択が可能になります。

 

小便専用トイレの寸法特徴
小便専用トイレは、混雑するイベント会場や大規模現場で威力を発揮します。ベクセスの小便用トイレは、非水洗タイプでW840×L1,550×H2,470mm、本水洗タイプでW840×L1,190×H2,420mmと、奥行を短縮することで設置面積を削減しています。

 

多目的トイレの大型寸法
車椅子対応の多目的トイレは、W2,270×L1,970×H2,700mmと大型設計になっています。便槽容量120L、給水タンク40Lを備え、バリアフリー法に対応した設計です。扉幅も一般的な60cmから90cm以上に拡張されており、車椅子での出入りが容易です。

 

組立式トイレのコンパクト設計
狭小現場向けの組立式トイレは、W803×L1,189×H2,228mmのコンパクト設計。従来は搬入が困難だった場所でも、分解して人力で運搬・組立が可能です。便槽容量は170Lと標準的な機能を維持しながら、寸法を最小限に抑えています。

 

トイレハウスの大型仕様
TOWAのトイレハウスシリーズは、THⅡ型で3550×2200×2730mm、TH型で3500×2250×2690mmと大型設計。これらは長期間の工事現場や災害時の避難所などで使用され、複数の便器や手洗い設備を内蔵しています。

 

快適トイレの規格寸法
国土交通省認定の快適トイレは、W2425×D1495×H2710mmの統一規格です。室内寸法W1115×D2245mmは、女性作業員が安心して着替えや化粧直しができる広さを確保しています。洋式便座、手洗器、擬音装置、センサーライトなど17項目の設備が標準装備されています。

 

仮設トイレの寸法選択で失敗しないプロの判断基準

仮設トイレの寸法選択において、多くの現場担当者が見落としがちな重要なポイントがあります。これらの判断基準を理解することで、現場の生産性向上とコスト削減を同時に実現できます。

 

搬入ルートの寸法制約
意外に見落とされがちなのが、搬入ルートの制約です。標準的な仮設トイレの幅85-90cmに対し、一般的な住宅の通路幅は80-120cmです。特に既存建物の改修工事では、廊下幅や階段幅の事前確認が必須です。高さ270cmのトイレは、一般的な住宅の天井高250cm以下の場所では設置できません。

 

隣地境界線からの離隔距離
建築基準法では明確な規定はありませんが、多くの自治体で隣地境界線から50cm以上の離隔距離を求めています。W90cmのトイレを設置する場合、実際には幅140cm以上のスペースが必要になります。この計算を怠ると、設置当日に配置変更を余儀なくされ、工程遅延の原因となります。

 

地盤沈下と寸法変化
軟弱地盤での長期設置では、地盤沈下により扉の開閉に支障をきたすケースがあります。特に重量630kgのユニバーサル型では、設置後1-2ヶ月で2-3cmの沈下が発生することがあります。このため、重量級トイレでは定期的な水平調整が必要です。

 

冬季の凍結対策寸法
寒冷地では、配管の凍結防止のため保温材の取り付けスペースが必要です。標準寸法に加えて、周囲10-15cmの余裕を見込む必要があります。また、除雪作業のためのアクセススペースも考慮し、通常より20-30cm広いスペースを確保することが推奨されます。

 

維持管理車両のアクセス
汲み取り車両(一般的に幅2.5m、全長7-9m)のアクセスルートも重要な考慮要素です。トイレから汲み取り車両まで20m以内、かつ高低差2m以内に設置することで、維持管理コストを大幅に削減できます。

 

増設時の配置計画
現場の進行に伴い、作業員数の増加により追加設置が必要になるケースが多々あります。初期設置時に将来の増設スペースを確保しておくことで、レイアウト変更のコストを回避できます。標準的な現場では、50名につき1基の設置が目安となります。

 

現場の特性を十分に理解し、これらの判断基準を総合的に検討することで、最適な仮設トイレの寸法選択が可能になります。単純な価格比較だけでなく、設置・維持・撤去までのトータルコストを考慮した選択が、結果的に現場の収益性向上につながります。

 

建設現場における仮設トイレの適切な寸法選択は、作業効率と安全性の向上に直結する重要な要素です。各メーカーの特徴を理解し、現場条件に最適な仕様を選択することで、プロジェクト全体の成功に寄与できるでしょう。