ケーブルラックネグロス寸法一覧と選定基準

ケーブルラックネグロス寸法一覧と選定基準

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ケーブルラックネグロス寸法一覧

ケーブルラック寸法の基本構成
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基本寸法表記

型番から幅寸法が判別可能、200mm~1200mmまでラインナップ

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継手金具寸法

ARタイプ継ぎ金具のH1~H4寸法と適合ラック組み合わせ

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算定式活用

ケーブル径と段数からラック幅を正確に計算する方法

ケーブルラック基本寸法と型番表記一覧

ネグロス電工のケーブルラックは型番から寸法を判別できる合理的な表記システムを採用しています。基本的な幅寸法は200mmから1200mmまでの豊富なラインナップが用意されており、現場の用途に応じて最適なサイズを選択可能です。

 

主要型番と幅寸法対応表

  • QR20:幅200mm
  • QR30:幅300mm
  • QR40:幅400mm
  • QR50:幅500mm
  • QR60:幅600mm
  • QR80:幅800mm

型番の数字部分がそのまま幅寸法(mm)を表しているため、現場での収まり確認時にスケールで計測してもぴったりの寸法となります。この表記方法により、設計図面から実際の施工まで一貫した寸法管理が可能になっています。

 

SRタイプの場合も同様の表記ルールが適用され、SRL20は幅200mm、SRL30は幅300mmといった具合に統一されています。定尺長さは標準的に3000mmとなっており、子桁の間隔は300mmピッチで配置されています。

 

ケーブルラック内面寸法と実用性考慮

ケーブルラックの選定において見落としがちなのが内面寸法の考慮です。外形寸法と実際にケーブルを収容できる内面寸法には差があり、この点を理解していないと設計段階での計算ミスにつながります。

 

形状別内面寸法の減少量

  • はしご形ケーブルラック:外形寸法より20mm狭い
  • トレー形ケーブルラック:外形寸法より10mm狭い

例えば、QR40(幅400mm)のはしご形ケーブルラックの場合、実際の内面寸法は380mmとなります。この20mmの差は、ケーブル収容本数の計算において重要な要素となり、特に多数のケーブルを収容する場合には無視できない差となります。

 

トレー形の場合は減少量が10mmと少ないため、より効率的なケーブル収容が可能です。ただし、はしご形と比較して材料コストが高くなる傾向があるため、用途とコストのバランスを考慮した選択が必要です。

 

ケーブルラック継手金具寸法詳細一覧

異なるサイズのケーブルラックを接続する際に使用される継手金具(ARタイプ)の寸法は、施工の精度を左右する重要な要素です。各継手金具には4つの基本寸法(H1、H2、H3、H4)が設定されており、適合するケーブルラックの組み合わせが厳密に規定されています。

 

代表的な継手金具寸法表

品番 H1 H2 H3 H4 適合ラック
ARD5-6 45 27.5 55 27.5 5ARと6AR
ARD6-8 55 27.5 75 37.5 6ARと8AR
ARD8-10 75 37.5 95 47.5 8ARと10AR
ARD10-15 95 47.5 145 32.5 10ARと15AR

これらの寸法は施工時の墨出しや加工において基準となる数値です。特にH1とH3の寸法差は接続するラックの高さ差を示しており、段差のある配線ルートでの施工計画に直接影響します。

 

右曲がり用(ARRD-□R)と左曲がり用(ARRD-□L)では同一の寸法仕様となっているため、現場での取り扱いが統一されています。これにより、施工時の混乱を防ぎ、効率的な作業が可能になっています。

 

ケーブルラック寸法算定式と計算方法

適切なケーブルラック幅の選定には、科学的な算定式の活用が不可欠です。ネグロス電工が推奨する算定式は、ケーブル間の適切な離隔距離と将来の増設を考慮した実用的な計算方法となっています。

 

基本算定式
W ≧ 1.2{Σ(D+10)+60}
この式の各要素の意味は以下の通りです。

  • W:ケーブルラックの内面寸法(mm)
  • D:ケーブルの仕上がり外径(mm)
  • Σ(D+10):各ケーブル径+10mmの合計(ケーブル間裕度)
  • +60:ケーブルとラック側板間の裕度(mm)
  • ×1.2:将来増設用の余裕率

例えば、外径20mmのケーブル5本を収容する場合の計算例。
W ≧ 1.2{(20+10)×5+60} = 1.2×(150+60) = 252mm
この結果から、QR30(幅300mm、内面寸法約280mm)が最適な選択となります。

 

算定式における「+10mm」はケーブル間の最小離隔距離を確保するための数値で、放熱効果と保守性を両立させるために設定されています。将来の余裕率1.2倍は、電気設備の増設可能性を考慮した実用的な係数です。

 

ケーブルラック施工時の隠れた寸法ポイント

設計図面や標準的な寸法表では明記されていない、施工現場での実務的な寸法ポイントがあります。これらの知識は経験豊富な電気工事士が培ってきたノウハウの集約です。

 

ダクターチャンネルとの関係寸法 🔧
ケーブルラックの支持に使用されるダクターチャンネルの長さは、ラック幅+200mmが基本となります。これは振れ止め金具とDHUB(全ネジナット締結用金具)の設置スペースを両側100mmずつ確保するためです。

 

例えば、400mm幅のケーブルラックには600mm長のダクターチャンネルが必要となります。この寸法を間違えると、支持金具の取り付けができず、現場での追加加工や部材発注が必要になる可能性があります。

 

曲がり部の標準寸法 📐
ケーブルラックの方向転換部では、標準的に450mmの曲がり寸法が採用されています。この寸法は配線の曲げ半径とラック自体の構造強度を両立させた最適値です。

 

天井高との関係寸法 📏
実際の施工では、天井面からケーブルラック上面まで最低300mm、ラック下面から床面まで最低2100mmの離隔を確保することが推奨されています。これらの寸法は保守作業時の安全性と作業性を確保するための実務的な基準値です。

 

分岐部の特殊寸法
ケーブルラックの分岐部では、メインルートとブランチルートの接続部にコーナーR部用のネトロンアミが使用されます。この部材の適合範囲はR300のコーナー部とされており、分岐角度の設計時に考慮すべき重要な寸法です。

 

これらの隠れた寸法ポイントを理解することで、設計段階での見落としを防ぎ、現場での手戻り工事を最小限に抑えることができます。経験の浅い技術者でも、これらの基準寸法を把握しておくことで、より精度の高い施工計画を立案できるでしょう。