コア抜き試験の費用と内訳を現場目線で完全解説

コア抜き試験の費用と内訳を現場目線で完全解説

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コア抜き試験の費用と内訳・相場を現場目線で徹底解説

コア3本でも費用が13万円を超えると聞いて、驚いていませんか?


この記事の3ポイント要約
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費用は「試験だけ」では計算できない

鉄筋探査・コア採取・埋め戻し・報告書作成まで含む一式費用が正しい相場。試験単体(1本1,300〜7,500円)とは別に現場作業費が加算される。

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試験の種類で単価が大きく変わる

圧縮強度試験は1本2,200〜7,500円程度だが、塩化物イオン試験(JIS A 1154)は1試料で2万円超になるケースも。目的に合った試験のみ発注することが重要。

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まとめ発注で大幅コスト削減が可能

複数箇所を1回でまとめて発注すると、移動費や基本料金の重複を防げる。本数を増やすほど1本あたりの単価が下がる仕組みを理解して賢く依頼しよう。


コア抜き試験の費用が「試験単体」だけでは済まない理由

コア抜き試験の費用を調べると、「1本2,000円台~」という数字が目に入ることがある。しかし現場で実際に発注してみると、その数字だけで収まることはまずない。これが費用の見誤りにつながる最も大きな落とし穴だ。


費用が「試験単体」で終わらない理由は、コア抜き調査が複数の工程で構成されているからである。大きく分けると、①鉄筋探査(電磁波レーダー等)、②コア採取工事、③埋め戻し補修、④試験機関での試験、⑤報告書作成という流れになる。試験機関の単価表に載っているのは④の部分だけであり、①〜③の現場作業費と⑤の報告書代は別途かかってくる。


つまり費用は2段構えです。


具体的に見てみよう。鉄筋探査(1日あたり基本料金)が約78,000円、調査料金が1箇所あたり約3,000円、コア採取(φ100・厚さ20cm)が1本あたり約7,000円、埋め戻しが1本あたり約3,000円、そして圧縮強度・中性化試験が1本あたり約15,000円、交通費と法定福利厚生費(約15%)が追加でかかる。3本の場合、これらを合計すると約196,000円という現実的な数字になる。


これは都内の調査会社の実例に近い数字で、「試験だけで6,000円」という感覚とはまったく別物だ。一方、試験体を自分で採取して持ち込む場合は、圧縮強度・中性化の試験料のみで3本×15,000円=45,000円に抑えられる。どのサービス範囲で依頼するかで、費用は3〜4倍以上変わると思ってよい。


参考:コア抜きによるコンクリート強度測定調査(有限会社ユネット)の料金体系と見積もり例
http://www.yoonnet.com/coa.html


コア抜き試験の費用相場|圧縮強度・中性化・塩化物イオン別の単価一覧

試験の目的に応じて発注する試験の種類が変わる。試験ごとの単価は想定以上に差があるため、「必要な試験だけに絞る」判断が費用を正しくコントロールするための基本になる。


まず、最も頻繁に使われる圧縮強度試験(JIS A 1107)の目安を確認しよう。試験機関によって幅があるが、コア供試体1本あたり1,300〜7,500円が一般的な相場だ。JNLAの認定ロゴマーク付きの成績書が必要な場合は、2割程度の割増(加算)が発生する機関もある。


圧縮強度試験が基本です。


次に、中性化深さ試験(JIS A 1152)は1本あたり2,500〜11,000円程度の幅がある。圧縮強度と同一のコアで同時に依頼できる場合が多く、「1本で2つの試験をこなす」ことでコストを圧縮できる点は知っておきたい。


塩化物イオン試験(JIS A 1154)は費用が大きく跳ね上がる。1試料(電位差滴定法)で25,000〜28,000円程度になる試験機関もあり、圧縮強度の約10〜20倍の費用感だ。海岸沿いの建物や既存改修工事では塩害リスクの確認で必要になることがあるが、漫然と「セットで依頼する」のは得策ではない。痛い出費になりますね。


試験機関をまとめると、以下の目安が参考になる。


試験項目 規格 単価目安(1本/1試料)
コア圧縮強度試験 JIS A 1107 1,300〜7,500円
中性化深さ測定 JIS A 1152 2,500〜11,000円
塩化物イオン試験 JIS A 1154 7,000〜28,000円(粉砕含む)
静弾性係数試験 JIS A 1149 10,000円前後


なお、試験機関ごとに認定区分や対応規格が異なる。建材試験センター(JTCCM)や建築研究振興協会(GBRC)などJNLA登録事業者に依頼すると、第三者機関としての信頼性が担保される。設計監理者や発注者が指定している場合もあるので、事前に確認が条件です。


参考:建材試験センターの最新試験料金表(JNLAロゴマーク対応版)
https://www.jtccm.or.jp/sites/default/files/2025-09/料金表(20251001最新版).pdf


コア抜き試験の費用を左右する5つの要因と積算のポイント

「なぜ同じ3本なのに業者によって見積もりが2倍近く違うのか」という疑問を持ったことはないだろうか。答えは費用を構成する要因が複数あり、それぞれが見積書に異なる形で織り込まれているからだ。


① コアの口径と厚さ(深さ)


コアドリルの口径が大きいほど、また採取する深さが増すほど、1本あたりの作業時間とビット消耗が増大する。標準的なφ75〜100mm・厚さ20cm前後を基準として、φ150mmを超える場合や厚さが30cmを超える場合は単価が1.5〜2倍以上になることも珍しくない。


② 鉄筋探査の有無と方法


鉄筋を切断しない位置を特定するため、電磁波レーダー(RCレーダー)またはX線(レントゲン)による事前探査がほぼ必須となる。X線探査は精度が高い一方、1枚の撮影費用が7万〜14万円程度かかる。RCレーダーは比較的割安だが、埋設物の種類特定ができない。探査方法の選択と費用設計はセットで考えることが重要だ。


③ 足場・アクセス条件


高所や狭所、外部足場が必要な箇所では、別途仮設足場費用が加算される。調査対象が地上1階のスラブなのか、5階の外壁なのかで諸経費の桁が変わる。見積書に「別途仮設」と書かれていたら、そこを詳しく確認することがポイントです。


④ 埋め戻し補修材の種類


コアを採取した後の穴は、無収縮モルタルで埋め戻す。通常は1本あたり3,000円前後だが、使用部位や意匠要求によっては特殊仕上げが必要になり費用が膨らむことがある。


⑤ 報告書のレベルと電子納品要否


写真・位置図・試験結果一覧・考察までを盛り込んだ正式報告書は、単純なデータシートより工数がかかる。電子納品(PDF/Word/Excel)の要否、提出部数、図面への記録有無も確認しておきたい。


これら5つの要因を理解したうえで見積書を読むと、「なぜこの金額か」が明確に見えてくる。相見積もりを取る際も、各項目が明記されているかをチェックすることで、安易な最安値選びによるトラブルを避けられる。


コア抜き試験の費用を賢く抑えるための発注戦略

費用を抑えるためにやってはいけないのが、「本数を減らして安くする」という安易な判断だ。必要本数より少なくすると試験の代表性が失われ、構造体コンクリートの品質を正しく評価できなくなる。その結果、後から追加試験が必要になり、結局は二度手間と二度払いになることが多い。追加発注は割高です。


では実際に費用を正当に削減できる方法とはなにか。まず最も効果的なのが「まとめ発注」だ。同一現場内で複数箇所のコア採取が見込まれる場合、1回の動員で一括して実施することで、交通費や基本料金の二重計上を防げる。移動費だけで数万円単位の差が出ることは珍しくない。


次に有効なのが、「試験機関への直接持ち込み」だ。コア採取まで自社で実施できる場合、試験体を機関に持ち込む形にすることで現場作業費を切り離せる。前述のとおり、持ち込み3本分の試験費用は約45,000円まで下げられる。


また、同一コアで複数試験を行う方法も費用対効果が高い。例えば圧縮強度試験(JIS A 1107)と中性化深さ試験(JIS A 1152)は、1本のコアで両方実施可能な場合が多い。試験依頼時に「1本で2試験を同時申込みできるか」を確認するだけで、試験体の本数(=採取コスト)を増やさずに情報量を倍にできる。これは使えそうです。


さらに見落としがちな点として、見積もり比較時の単価だけでなく「最低保証金額(最低料金)」の設定を確認することも重要だ。業者によっては最低保証金額が20,000円に設定されている場合があり、少ない本数での依頼は1本あたり単価が跳ね上がる。5〜6本まとめることで初めて本来の単価が適用されるケースもある。


削減方法 効果の目安 注意点
まとめ発注(複数箇所一括) 交通費・基本料金の重複回避 現場スケジュールの調整が必要
試験体持ち込み 現場作業費を切り離せる 採取技術と輸送管理が必要
1コアで複数試験 採取本数を増やさずに情報量UP 試験機関への事前確認が必要
最低保証金額の確認 本数設計で単価適正化 少本数発注は割高になりやすい


コア抜き試験の費用で失敗しないための独自視点:「調査の目的」を先に決める

コア抜き試験に関して、建築現場で実際によく起きる失敗がある。それは「費用の妥当性を判断する前に、何のための試験かが決まっていない」という状態で発注してしまうことだ。目的が曖昧なまま試験メニューを並べると、結果として高額な報告書だけが手元に残り、工事判断には使えなかったという事態になる。


コア抜き試験の目的は、大きく3つに分類できる。


一つ目は「新築時の品質確認」だ。打設コンクリートの圧縮強度が設計基準強度(Fc)を満たしているかの確認であり、JIS A 1107に基づく圧縮強度試験が中心になる。通常は4週(材齢28日)強度の確認が目標で、構造体強度補正値(mSn)を考慮した判定が必要になる。これが基本です。


二つ目は「既存建物の耐久性診断・耐震診断」だ。中性化深さと圧縮強度の両方を確認し、構造安全性や補修範囲の根拠データとして使う。築年数が30〜40年を超えた建物では中性化が鉄筋腐食の直接原因になるため、この試験は特に重要性が高い。


三つ目は「大規模修繕や補強工事の設計根拠確認」だ。改修設計者が補強量や工法を決めるために必要な強度データを取得するもので、複数箇所から採取して統計的に評価することが多い。


目的が決まれば、必要な試験の種類と本数が自然に決まる。つまり目的が先で、費用はその後に決まるものです。例えば「中性化の進行度だけ確認したい」なら塩化物イオン試験は不要で費用を大きく絞れる。「圧縮強度の設計適合確認」なら中性化は確認対象外で、試験単価の安い圧縮強度試験に集中できる。


もう一点、あまり語られない重要な視点がある。JIS A 1107では、コア供試体の高さと直径の比(h/d比)が1.90〜2.10を原則とし、最低でも1.00以上必要と規定されている。スラブや薄い部材では採取コアの寸法が規格を満たせない場合があり、強度補正計算が必要になる。これに気づかず試験依頼だけして「結果が使えない」というトラブルが起きることがある。発注前に採取箇所の厚さと規格の整合を確認することが、費用の無駄を防ぐうえでも重要だ。


参考:JIS A 1107「コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法」解説
https://kikakurui.com/a1/A1107-2012-01.html


参考:コンクリートコア抜き調査の参考価格と一式内容(鉄筋探査〜報告書まで)
https://www.inspert.co.jp/core.html