
鋼材規格一覧表は日本工業規格(JIS)に基づいて体系化されており、2025年4月1日現在の日本鉄鋼連盟発行の一覧表には様々な鋼材規格が掲載されています。
JIS番号は大きく以下のカテゴリに分類されています。
この体系的な分類により、用途や目的に応じて必要な鋼材規格を効率的に検索できます。特に建築・土木分野では構造用鋼材の規格が頻繁に参照されるため、A5500番台の理解が重要です。
H形鋼は建築構造物の梁として最も多用される鋼材で、その表記方法を正確に理解することは現場作業において不可欠です。
H形鋼の基本表記方法
H形鋼の寸法表記は「H-400×200×10×8」のような形式で表されます。
重量計算の実務応用
H形鋼の重量計算は単位質量(kg/m)に長さ(m)を乗じることで算出できます。JIS G 3192に規定された単位質量表を参照し、以下の計算式を使用します。
重量(kg)= 単位質量(kg/m)× 長さ(m)
例:H-400×200×10×8を6m使用する場合
単位質量66.0kg/m × 6m = 396kg
この計算方法は材料発注や運搬計画において重要な指標となります。
溝形鋼(チャンネル鋼)は断面がC字型の形鋼で、軽量構造物や補強材として幅広く使用されています。
溝形鋼の表記システム
溝形鋼の寸法表記は「[-100×50×5×7.5×6000」のような形式です。
規格表の実用的な読み方
寸法(H×B) | t1 | t2 | 断面積 | 単位質量 |
---|---|---|---|---|
75×40 | 5 | 7 | 8.818㎠ | 6.92kg/m |
100×50 | 5 | 7.5 | 11.92㎠ | 9.36kg/m |
125×65 | 6 | 8 | 17.11㎠ | 13.4kg/m |
この表を活用することで、必要強度に応じた適切なサイズ選定が可能になります。
重量計算例
[-100×50×5×7.5×6000の場合。
9.36kg/m(単位質量)× 6m(長さ)= 56.16kg
ステンレス鋼材は耐食性に優れた特殊鋼で、JIS G 4035:2015において詳細に規定されています。
主要なSUS規格分類
現在、JIS規格では62品種のステンレス鋼が規定されており、用途に応じた適切な選択が可能です。
寸法規格の特徴
製造業では一般的に「SUS(サス)」と呼ばれ、耐食性が要求される環境で重要な役割を果たしています。
鋼材規格の選定は単純にサイズや重量だけでなく、品質管理の観点からも重要な検討事項があります。
化学成分と機械的性質の確認
鋼材の製品分析方法(JIS G 0321)では、化学成分の許容変動値が規定されています。特に構造用鋼材では以下の要素が重要です。
受渡し条件の理解
JIS G 0404「鋼材の一般受渡し条件」では、品質保証に関する重要な取り決めが含まれています。
実務における注意点
現場での鋼材検収時には以下の確認が欠かせません。
これらの品質管理プロセスを適切に実施することで、構造物の安全性と耐久性を確保できます。
長期保管時の品質維持
鋼材の長期保管では錆発生防止が重要で、適切な保管環境の維持と定期点検により品質劣化を防止する必要があります。特に屋外保管では防錆処理や排水対策が品質維持の鍵となります。