
くい丸の寸法選択において最も重要なのが直径の選定です。建設現場では用途に応じて7つの標準直径から選択できます。
直径27.2mm(肉厚1.9mm)
直径31.8mm(肉厚1.6mm)
直径34.0mm(肉厚2.3mm)
直径38.1mm(肉厚2.3mm)
直径42.7mm(肉厚2.4mm)
直径48.6mm(肉厚2.4mm)
直径60.5mm(肉厚2.3mm)
くい丸の耐久性を左右する表面処理は、現場環境に応じた選択が重要です。標準メッキと厚メッキ(ドブメッキ)の2種類が用意されています。
標準メッキ仕様(先メッキパイプ)
全直径で対応可能な基本仕様です。溶融亜鉛メッキ処理により、一般的な屋外環境での長期使用に対応します。
厚メッキ仕様(ドブメッキパイプ)
直径48.6mmのみで展開される高耐久仕様です。標準メッキの約2倍の亜鉛付着量により、塩害地域や高湿度環境での使用に適しています。
塩害の影響を受けやすい海岸から3km以内の現場では、厚メッキ仕様の選択により、メンテナンス頻度を大幅に削減できます。
建設プロジェクトの予算計画において、くい丸の価格動向と在庫状況の把握は重要な要素です。
直径別価格帯(税込、1000mm基準)
重点在庫サイズと納期短縮効果
メーカーが重点在庫として管理している標準サイズを選択することで、調達期間を大幅に短縮できます。
重点在庫対象サイズ。
これらのサイズは在庫切れリスクが低く、急な追加発注にも対応可能です。プロジェクト初期段階で標準サイズでの設計検討を行うことで、資材調達の安定化と工期短縮を同時に実現できます。
長尺材の特別価格体系
2100mm以上の長尺材は特注扱いとなり、価格体系が変わります。3000mm以上では価格が大幅に上昇するため、分割施工や継手使用による代替案の検討も有効です。
くい丸の寸法選定では、施工性と要求支持力のバランスが重要な判断基準となります。現場条件に応じた最適な寸法選択により、施工効率と構造安全性を両立できます。
地盤条件別推奨寸法
軟弱地盤(N値0-4)では、支持力確保のため長さ優先の選定が基本です。
普通地盤(N値5-15)では、バランス型の寸法選択が効率的です。
硬質地盤(N値16以上)では、打ち込み性を重視した寸法選択が重要です。
支持力計算における寸法影響
くい丸の支持力は「周面摩擦力+先端支持力」で算出されます。直径が大きいほど周面摩擦力が増加し、長さが長いほど周面摩擦面積と先端支持力が向上します。
実測データによる支持力参考値。
これらの数値は目安であり、正確な支持力評価には現場での載荷試験が必要です。
建設現場における資材運搬効率は、プロジェクト全体のコスト構造に大きく影響します。くい丸の梱包仕様と運搬計画の最適化により、物流コストの削減と現場作業の効率化を実現できます。
車両積載量別発注推奨単位
2トン車での運搬を想定した場合、重量制限と積載スペースの両面から発注単位を決定する必要があります。
軽トラック(350kg積載)。
2トン車(2000kg積載)。
梱包形態による作業効率への影響
くい丸の梱包は「手降ろし梱包」と「フォークリフト対応梱包」の2種類があります。現場の荷降ろし設備に応じた梱包選択により、作業時間を大幅に短縮できます。
手降ろし梱包。
フォークリフト対応梱包。
長尺材(2000mm以上)では、運搬車両の全長制限(12m以内)を考慮し、斜積みや専用運搬車両の手配が必要になる場合があります。事前の運搬計画立案により、追加運搬費用の発生を防止できます。
現場での仮置きスペース確保も重要な要素です。直径60.5mmの長尺材では、1本あたり約0.15㎡のスペースが必要となるため、大量発注時は仮置き計画の事前検討が不可欠です。
適切な梱包仕様選択と運搬計画により、資材費の5-10%に相当する物流費用の最適化が可能になります。