

クリヤー塗料の「種類」を語るとき、現場で混乱しやすいのが“分類軸”の混在です。水性・油性・ラッカーは「塗料に含まれる溶剤(うすめ液)の種類」で分けた呼び方で、ウレタン・アクリル・エポキシは「塗料に含まれる樹脂の種類」で分けた呼び方、という整理がまず重要です。
この整理ができると、例えば「水性ウレタン」「油性アクリル」など、溶剤分類と樹脂分類が同時に成り立つことが自然に理解できます。
次に、建築の“透明仕上げ”で押さえておきたい最低限の成分知識です。塗料は大きく、膜を作る樹脂・色を付ける顔料/染料・性能を調整する添加剤・それらを溶かす溶剤で構成され、クリヤー塗料は基本的に「顔料が入らない(少ない)」方向の設計になります。
参考)塗料の種類はどんなものがある?特徴や用途、選び方を解説! –…
ただし完全な無色透明でも、樹脂や添加剤の影響で「わずかな黄変」「ツヤ感の差」「濡れ色(木の色が濃く見える)」が出ることがあるため、材料や既存面の色味がシビアな現場ほど試し塗りが必須です。
分類を一枚にまとめると、考え方は以下です(混同防止のため、あえて短く書きます)。
参考:溶剤名が出てくると「どのシンナー?」「道具洗いは何?」が直結します。メーカーは、適したうすめ液をラベル等に記載し、相性が悪いと濁り・混ざらない・乾かない等の不具合が起こり得ると明記しています。
つまり“種類の理解”は学問ではなく、施工不具合の予防そのものです。
木部でのクリヤー塗装は、見た目の好み以上に「木の動き(水分の出入り)」「紫外線」「メンテナンス周期」をどう扱うかが本題です。木材保護の考え方は大きく造膜型塗料と浸透性塗料に分かれ、造膜型は表面に膜を作って保護し、浸透性は木の内部に浸み込む方向で保護します。
この違いは、塗膜の割れ・剥がれの出方や、再塗装時の作業量(研磨で落とすのか、洗浄と上塗り中心なのか)に直結します。
意外と見落とされがちなのが「透明(クリアー)仕上げは紫外線に弱い」という現実です。木部記事では、クリアー仕上げは紫外線に弱く、外部で使うと剥がれや割れが出やすく、こまめなメンテナンスが必要になりやすい、と注意喚起されています。
参考)【木部塗装】木材を保護する造膜型塗料と浸透性塗料
つまり、屋外木部で“無色透明”に強くこだわると、将来的に補修費(足場・手間)が増える可能性があるため、設計段階から施主合意を取っておくのが安全です。
木目を活かす材料の言い分(ニス・ステイン・オイル)も整理しておくと、材料選定の会話が噛み合います。
建築従事者向けの実務ポイントとしては、「どこまで保護性能が要るか」を先に決めると、種類は自然に絞れます。
外壁のクリヤーは「既存の意匠(サイディング等)を残す」ために選ばれる一方、下地の傷みを“隠せない”のが最大の特徴です。クリヤー塗装は無色透明で元のデザインを維持でき、顔料を含まない点が一般的な説明として挙げられています。
そのため、チョーキングやひび割れ、反り、シーリング劣化などが進んでいる場合は、透明であるがゆえに仕上がりで誤魔化せず、事前診断と適用可否判断が重要になります。
種類としては、外壁のクリヤー塗料は「シリコン系」「フッ素系」「無機系」のように樹脂グレードで語られることが多いです。外壁クリヤーの例として、シリコン系・フッ素系・無機系の3種類が紹介され、期待耐用年数の目安としてフッ素系18年程度、無機系22年程度といった説明も見られます。
参考)クリヤー塗装について知っておこう!!|スタッフブログ|高松市…
別の解説でも、クリア塗装は主に3種類(シリコンクリア/フッ素クリア/無機クリア)があるとされ、耐用年数目安と㎡単価の目安が提示されています。
参考)外壁のクリア塗装とは?施工前にこれだけは知っておきたい基礎知…
ここは“見積り説明で揉めやすい”ところなので、言語化のコツを置きます。
参考リンク(外壁クリヤーの種類・耐用年数の目安の話)
外壁のクリア塗装とは?施工前にこれだけは知っておきたい基礎知…
クリヤー塗料で最も精神的ダメージが大きい不具合は「白く濁る」「乾かない」「ムラが戻らない」です。メーカーFAQでは、適したうすめ液はラベル等に記載されており、相性の悪いうすめ液を使用すると、塗料が濁る・均等に混ざらない・塗ったあと乾かない等の不具合が起こる場合がある、と明確に説明されています。
つまり、現場の段取りとして“うすめ液は現場判断で替えない”をルール化するだけで、事故がかなり減ります。
さらに、溶剤の「強さ」の違いは、重ね塗りの事故に直結します。スプレー塗料の解説では溶剤の強さの一般的な順として「ラッカー>ウレタン>油性>水性」が示され、下地を溶かす力の違いに触れています。
参考)スプレー塗料の種類を紹介!ラッカーとアクリルの違いや選び方も…
この関係を建築内装の補修に当てはめると、既存塗膜が水性系の可能性が高い場所に、強溶剤系(ラッカー等)を不用意に載せると、縮み・荒れ・浮きが出るリスクが上がる、という読み替えができます。
「濁り」に絡む意外な落とし穴として、水溶性(アルコール系)を独自呼称で扱うメーカーもある点があります。あるメーカーは水溶性塗料について、水を少量混ぜることは可能だが、場合によって色がにじんだり塗料が白く濁ることがあるため推奨しない、と説明しています。
クリヤー系は少しの白濁でも即バレるため、「少しだけ水で伸ばす」「余った別銘柄シンナーで…」が致命傷になり得ます。
失敗防止のチェックリスト(入れ子なしで、現場向けに短く)。
参考リンク(油性/水性/ラッカー等の呼称の意味、うすめ液選定ミスによる不具合の話)
https://www.washin-paint.co.jp/corp/guide/faq/etc/paint
検索上位の一般解説は「水性・油性・ウレタン・フッ素」あたりで止まりがちですが、仕様書・図面・改修見積の現場では“略号”で意思疎通する場面が出ます。塗料メーカーの「塗装略号一覧表」には、例えば O.S.V(オイルステインワニス塗り)や OS(オイルステイン塗り)、CL/LC(クリヤーラッカー塗り)など、実務で遭遇しうる略号が掲載されています。
この略号の読み替えができると、監理側・設計側・施工側で「ステイン(着色)なのか」「ワニス(透明塗膜)まで含むのか」を言葉の揺れなしで合わせやすくなります。
また、同じ一覧表に「2-UC(2液形ポリウレタンワニス塗り)」「2-ASC(アクリルシリコン樹脂ワニス塗り)」など、樹脂×仕様の組み合わせも見えます。
この見方は、透明仕上げの改修で“同等品選定”をする際に特に有効で、単に「クリヤー」とだけ書いてある情報より、樹脂系統と施工体系の手掛かりが増えます。
現場での活用例(独自視点としての使い方)。
参考リンク(図面や仕様書で出てくる塗装略号の一覧:クリヤーラッカー、オイルステイン、ワニス等)
https://www.sk-kaken.co.jp/product/painting-code/