キャップボルト規格と寸法表から締付強度まで完全解説

キャップボルト規格と寸法表から締付強度まで完全解説

記事内に広告を含む場合があります。

キャップボルト規格の基本知識と規格概要

キャップボルト規格のポイント
📏
JIS B 1176規格準拠

M1.6からM64まで対応の標準規格

💪
高強度12.9/10.9区分

優れた締付性能を実現

🔧
六角レンチ使用

狭いスペースでも確実な施工

キャップボルト(六角穴付きボルト)は建築現場で欠かせない締結部品の一つです。正式名称は「六角穴付きボルト」で、JIS B 1176:2014規格によって詳細な仕様が定められています。

🔩 キャップボルト規格の種類と特徴

キャップボルトは円筒形の頭部に六角形の穴が開いているボルトで、「キャップスクリュー」や「ソケットスクリュー」とも呼ばれます。六角レンチを使用して締め付けることが最大の特徴であり、通常のボルトよりも強い締付力を得ることができます。
主な特徴:

  • ✅ 高い締付力を実現
  • ✅ 狭いスペースでの作業が可能
  • ✅ 外観が美しくデザイン性に優れる
  • ✅ 自動車部品や機械部品に最適

キャップボルト規格のサイズ体系と寸法

JIS B 1176規格では、部品等級Aでねじの呼びがM1.6からM64までの並目ねじ、およびM8×1からM36×3までの細目ねじについて規定されています。
標準寸法表(代表的なサイズ):

ねじ径 頭径(mm) 高さ(mm) 六角穴(mm)
M3 5.5 3.0 2.5
M4 7.0 4.0 3.0
M5 8.5 5.0 4.0
M6 10.0 6.0 5.0
M8 13.0 8.0 6.0
M10 16.0 10.0 8.0
M12 18.0 12.0 10.0

 

キャップボルト規格の強度区分と材質

キャップボルトの強度区分は用途に応じて選択されます。生地(無処理)の場合は強度区分12.9が標準で、M22以上では10.9に設定されています。メッキ品では一般的に強度区分10.9となります。
強度区分による分類:

  • 🔸 12.9:高強度、精密機械用途
  • 🔸 10.9:標準強度、一般建築用途
  • 🔸 8.8:中強度、軽作業用途

材質としてはステンレス鋼(SUS304、SUS316)、炭素鋼、チタン合金などが使用され、耐食性や軽量化が求められる用途では特殊材料も選択されます。

キャップボルト規格における締付工具とトルク管理

キャップボルトの締付には専用の六角レンチが必要です。ボルトサイズに対応した正確なレンチサイズを選択することで、最適な締付トルクを得ることができます。
六角レンチサイズ対応表:

  • M3 → 2.5mm六角レンチ
  • M4 → 3mm六角レンチ
  • M5 → 4mm六角レンチ
  • M6 → 5mm六角レンチ
  • M8 → 6mm六角レンチ

締付作業では、長い先端で仮締めを行い、手に抵抗を感じたら短い先端に持ち替えて本締めを実施します。これにより均一で確実な締付が可能になります。
建築現場では適切な参考資料の確認が重要です。JIS規格の詳細情報については以下が参考になります。

 

六角穴付ボルト(キャップボルト) 規格一覧表 | JIS B 1176抜粋

キャップボルト規格のトラブルシューティングと対策

キャップボルトが外れなくなる主要な原因は、錆びつきと頭部のなめ(損傷)です。錆びつきの場合は浸透性潤滑剤の使用が効果的で、頭部がなめた場合は貫通ドライバーや専用工具による対応が必要になります。
予防策として:

  • 🛡️ 定期的な点検とメンテナンス
  • 🛡️ 適切なトルク管理
  • 🛡️ 環境に応じた材質選択
  • 🛡️ 正しいサイズの工具使用

また、建築現場特有の環境条件を考慮した材質選択も重要です。海岸部などの塩害環境ではステンレス製を、屋外露出部では耐候性に優れた表面処理品を選択することで、長期的な信頼性を確保できます。

 

現場での実践的な使用方法については、以下の専門サイトが詳しく解説しています。

 

六角穴付ボルトの豆知識|ネジ通販