枕棚寸法一覧|規格サイズと耐荷重の完全ガイド

枕棚寸法一覧|規格サイズと耐荷重の完全ガイド

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枕棚寸法一覧

枕棚寸法の基本規格
📏
尺モジュール規格

3尺から9尺まで、間口寸法に応じた標準サイズ

⚖️
耐荷重基準

枕棚単体70kg、中段200kgの安全荷重

🏢
メーカー別規格

LIXIL、南海プライウッド、エイダイの寸法比較

枕棚の規格寸法と種類

枕棚の寸法は建築業界において標準化されており、主に尺モジュールとメーターモジュールの2つの規格に分かれています。

 

尺モジュール規格寸法:

  • 3尺タイプ:450×897mm
  • 4.5尺タイプ:450×1350mm
  • 6尺タイプ:450×1800mm
  • 9尺タイプ:450×2700mm

メーターモジュール規格寸法:

  • 1Mタイプ:450×945mm
  • 1.5Mタイプ:450×1445mm
  • 2Mタイプ:450×1945mm
  • 3Mタイプ:450×2945mm

奥行き寸法については、用途に応じて400mm、445mm、600mmの3種類が標準的に用意されています。400mm奥行きタイプは一般的な押入れ用、600mm奥行きタイプはクローゼット用として使い分けられています。

 

特殊寸法Ecoサイズ:

  • 3尺タイプ:791×445×50mm
  • 4.5尺タイプ:1246×445×50mm
  • 6尺タイプ:1701×445×50mm
  • 9尺タイプ:2611×445×50mm

このEcoサイズは材料の無駄を削減し、コストパフォーマンスを向上させる目的で開発された規格です。

 

枕棚の耐荷重と安全基準

枕棚の耐荷重は設計上重要な要素であり、メーカーごとに厳格な基準が設けられています。

 

基本耐荷重基準:

  • 枕棚単体:70kgまで(均等荷重)
  • 中段:200kgまで(均等荷重)
  • ハンガーパイプ:30kgまで
  • ハンガーパイプ設置の枕棚:40kgまで
  • L字納まりの場合:枕棚合計70kgまで

これらの数値は均等荷重を前提としており、集中荷重では安全率が大幅に低下することに注意が必要です。特に、開口寸法が2mを超える場合は、中段では束セット、枕棚では枕棚用吊り金具などの補強材を使用することが義務付けられています。

 

補強が必要なケース:

  • スパン2m超の場合:必須補強
  • 重量物収納予定:追加補強検討
  • 地震対策:落下防止金具設置

施工現場では、これらの基準を遵守することで、長期的な安全性と機能性を確保できます。

 

メーカー別枕棚寸法比較

主要メーカーの枕棚寸法を比較すると、基本規格は統一されているものの、細部の仕様に違いが見られます。

 

LIXIL製品の特徴:

  • 豊富なカラーバリエーション(プレシャスホワイト、クリエペール等)
  • 前框と棚板が別々の部材構成
  • 一体型タイプも選択可能

南海プライウッド製品の特徴:

  • Vシリーズ:シナ/シェルホワイト仕様
  • Cシリーズ:9×373mm断面の特殊規格
  • 受桟、雑巾摺込みの完全セット

エイダイ(永大産業)製品の特徴:

  • 正寸仕様による現場カット不要
  • 0.5間対応(~780mm)の細かな寸法設定
  • ハンガー収納17枚対応の高機能性

各メーカーの価格帯も異なり、エイダイ製品は8,570円(送料無料)という具体的な価格設定が確認できます。材質や仕上げ、付属品の充実度を比較検討することで、現場のニーズに最適な製品選択が可能になります。

 

部材構成の比較:

  • 受桟本数:7-13本(サイズにより変動)
  • 雑巾摺:2本標準
  • ビスキャップセット:9-15セット
  • 框キャップ:左右各1枚

枕棚設置時の注意点とカット寸法

枕棚の設置において、正確な採寸とカット寸法の設定は施工品質を左右する重要な要素です。

 

基本カット寸法の考え方:

  • 棚板カット目安:押入内間口寸法マイナス5mm
  • パイプカット:間口マイナス90mm以下
  • 枕棚仕上がり奥行:27mmが棚板奥行寸法

これらの数値は、施工時の微調整や材料の収縮・膨張を考慮した実用的な寸法です。特に木材の場合、湿度変化による寸法変動を見込んだ余裕が必要となります。

 

施工上の重要ポイント:

  • 下地の水平・垂直確認
  • 受桟の固定位置マーキング
  • 電気配線との干渉チェック
  • 換気口位置の事前確認

よくある失敗事例:

  • 寸法測定ミスによる再カット
  • 下地不良による強度不足
  • 配線ルートの未確認による干渉
  • 扉との可動域重複

現場での作業効率を向上させるため、事前の詳細な打ち合わせと図面確認が不可欠です。また、正寸仕様製品を選択することで、現場カットが不要となり、端材削減と施工時間短縮を同時に実現できます。

 

枕棚の独自設計における寸法計算方法

標準規格以外の特殊寸法枕棚を設計する場合、構造計算と材料選定に高度な専門知識が要求されます。

 

たわみ計算の基本式:
たわみ量δ = (5WL⁴)/(384EI)

  • W:等分布荷重
  • L:スパン長
  • E:材料の縦弾性係数
  • I:断面2次モーメント

この計算により、許容たわみ量(一般的にスパンの1/300以下)内に収まる断面寸法を決定します。

 

カスタム寸法設計時の考慮事項:

  • 建築基準法の荷重規定遵守
  • 使用材料の強度特性把握
  • 接合部の応力集中対策
  • 長期荷重による変形予測

特殊用途での寸法例:

  • 重量書籍収納:奥行300mm、厚み65mm
  • 季節用品収納:奥行800mm、軽量化構造
  • 展示用途:見栄え重視の化粧材選定

独自設計では、一級建築士による構造検討が推奨されます。特に、公共建築物や大型施設では、構造計算書の提出が義務付けられている場合があります。

 

コスト最適化の手法:

  • 標準材料の活用によるコスト削減
  • 加工精度と仕上げ品質のバランス調整
  • 施工性を考慮した分割設計
  • メンテナンス性向上による長期コスト削減

これらの要素を総合的に検討することで、機能性とコストパフォーマンスを両立した枕棚設計が実現できます。

 

建築現場における枕棚の適切な寸法選択は、施工効率の向上と長期的な品質保持に直結する重要な判断です。標準規格の理解と現場条件に応じたカスタマイズ能力が、建築業従事者に求められる専門性といえるでしょう。