マツ六カタログ手すりの種類と施工で失敗しない選び方

マツ六カタログ手すりの種類と施工で失敗しない選び方

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マツ六カタログの手すりを施工プロが使いこなす選び方と注意点

下地のない石こうボードにブラケットを固定すると、わずか19kgfで手すりが外れます。


🗂️ この記事でわかること
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マツ六カタログの種類と入手方法

「手すりカタログVol.7」と「バリアフリー建材カタログ」の違い、電子カタログ・紙カタログの入手方法を整理します。

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設置場所別・手すり素材と種類の選び方

室内・屋外・水まわり、それぞれに適した材質・径・シリーズを解説。カタログで迷わないための判断基準がわかります。

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施工ミスを防ぐための寸法・下地の鉄則

ブラケットピッチ・持出寸法・下地確認の3つのNGパターンを具体的な数字とともに解説。クレームを生まない施工のポイントがわかります。


マツ六の手すりカタログとは:Vol.7と建材カタログの違いを整理する


マツ六株式会社は大正10年(1921年)創業の建築金物専門商社で、2021年に創業100周年を迎えた業界の老舗です。手すりメーカーとしても知られており、施工のプロ向けに複数のカタログを発行しています。


現場でよく参照されるのが「手すりカタログVol.7」(2025年11月発刊)と「バリアフリー建材カタログVol.23」(2025年10月発刊)の2種類です。この2つは別物です。


「手すりカタログVol.7」はA5サイズ相当の100ページに絞った、持ち運び重視のコンパクト版。屋外・水まわり・室内と、手すり工事に必要な部材を横断的にまとめています。一方の「バリアフリー建材カタログVol.23」は508ページを超える総合版で、施工方法・豆知識・住宅改修対応商品・病院・老健施設向けなど幅広く掲載されています。つまり、手すりカタログはバリアフリー建材カタログの「ダイジェスト版」という位置付けです。


現場でパッと引くなら手すりカタログ、仕様確認や介護保険適用の根拠を調べたいときは総合版というように、使い分けが基本です。


どちらのカタログも、マツ六の公式サイトから電子カタログで無料閲覧できます。紙カタログは資料請求フォームから申し込むことができます。イプロスや建材ナビからも電子版の閲覧・ダウンロードが可能です。これは使えそうです。


カタログに掲載されている商品は、ホームセンターでは取り扱いがない点に注意が必要です。一般消費者向けのDIY商品とはラインナップが異なりますので、施工業者向け通販サイト「ファーストリフォーム」(マツ六運営)を活用するのが確実です。


マツ六公式カタログ一覧ページ(電子カタログ・資料請求フォームあり)。
マツ六株式会社 公式カタログページ


マツ六手すりカタログで確認すべき設置場所別の選び方(室内・屋外・水まわり)

手すりカタログを開いてまず迷うのが、どのシリーズを選ぶかです。マツ六の手すりは設置場所ごとに明確にカテゴリが分かれています。大きく分けると「室内」「水まわり」「屋外」「据置式(置くだけタイプ)」の4区分です。


室内(廊下・階段・トイレ・玄関ホールなど)は木製手すりシリーズが主流です。代表的なシリーズは「BAUHAUS 35セレクトシリーズ」「BAUHAUS 32セレクトシリーズ」「BAUHAUS ハイブリッドシリーズ」です。φ35は「摺る(すらせて移動する)」用途、φ32は「握る(動作補助)」用途に向いています。手すりの推奨径はφ28〜36であり、縦手すりにはφ32、廊下の横手すりにはφ35が適しているとされています。


木製は室内インテリアへの馴染みやすさと視認性の両立が強みです。白い壁に木の茶色が映えるため、高齢者の方にも認識しやすくなります。一方で、水まわりには木製は推奨されません。


水まわり(浴室・洗面所・トイレの湿潤環境など)には「BAUHAUS 32ソフトアクアレール」「BAUHAUS 32ステンアクアレール」「BAUHAUS 32ステンロストワックス手すりシリーズ」が対応します。樹脂被膜やステンレスを用いた素材は錆・腐食に強く、濡れた手でも滑りにくい設計です。浴室でのブラケット材質は、室内用の亜鉛合金製を間違えて使うと腐食が進みやすいので要注意です。これは重要なポイントです。


屋外(玄関アプローチ・スロープ・庭・駐車場周辺)の定番が「BAUHAUS フリーRレール」シリーズです。現場で手すり棒を自由に曲げて使えるのが大きな特徴で、直棒手すりはブラケットピッチを最大1,200mmまで飛ばせる剛性があります。勾配対応式支柱(30°対応)も用意されており、斜面のある屋外環境にも対応可能です。ステンレスや樹脂被膜素材を選ぶことで、夏の熱さ・冬の冷たさを和らげ、屋外の過酷な寒暖差にも対応できます。


据置式の「たよレールシリーズ」(high・dan・rest・Free・SOTOEなど)は、工事不要で設置できるタイプです。賃貸住宅や工事が難しい場所でも活用できます。


設置場所が決まったら、素材・径・シリーズを絞り込んでカタログを参照するという手順で進めると、選定の手間が大幅に減ります。素材から決めるが基本です。


マツ六 手すり商品一覧ページ(施工プロ向け、シリーズ別製品情報)。
マツ六株式会社 手すり製品情報ページ


マツ六手すりカタログに記載のブラケットピッチ・持出寸法の施工ルールを守らないと起きること

カタログには必ず施工上の注意事項が記載されています。見落とされがちですが、ここに書いてある数値は「推奨値」ではなく「守らないと壊れる限界値」です。


まず「ブラケットピッチ」についてです。マツ六のφ35木製手すりシリーズでは、ブラケットの取付ピッチは900mm以内が基本です。これを超えると、手すり棒に繰り返し荷重がかかるたびに撓み(たわみ)が生じ、最終的に手すり棒が折れます。マツ六が実施した強度検証では、ピッチを規定より大幅に広げた状態で人が体重をかけた結果、手すり棒が破断することが確認されています。


次に「持出寸法(端部の持ち出し)」です。端部ブラケットや支柱から、手すり棒の先端(キャップ込み)までの寸法のことです。φ35の場合は最大150mm以内、φ32の場合は140mm以内というのがマツ六の社内基準です。屋外用のフリーRレールやストレートEZレールも同様に150mm以内が上限です。


重要なのは、「ブラケットピッチの半分なら持ち出しも同じ半分でよい」という考え方が誤りだという点です。片持ち梁状態の端部は両持ちの中間部より強度が大幅に落ちます。÷2という計算は通用しません。


マツ六が持出寸法を500mm(規定の約3倍)にして検証したところ、60kgfの荷重で手すり棒が大きく撓み、BL部品の基準値120kgfに達する前の119kgfでブラケットが壁から完全に外れました。2人が同時に手すりを使えば簡単にその荷重は発生します。


カタログには「どんな手すりも○○mm以内」という統一ルールはありません。シリーズ・サイズごとに限界値が異なります。施工前にカタログや施工マニュアルを確認することが唯一の対策です。


マツ六公式のNG施工検証記事(持出寸法編、具体的な試験結果を掲載)。
【NGをやってみた】手すり端部の持出寸法を長くしすぎたら?|マツ六公式note


マツ六手すりカタログが注意喚起する「下地なし施工」の危険性と現場での確認手順

手すり施工でクレームに直結しやすいのが「壁の下地なし施工」です。カタログや施工マニュアルには必ず「下地のあるところに固定してください」と記載がありますが、現場での見落としが後を絶ちません。


現代の住宅に多い木造壁は、石こうボードの裏側に柱・間柱があります。ブラケットは石こうボード面ではなく、その裏の間柱に固定しなければ強度が出ません。石こうボードは字義通り石こうの粉を固めた板であり、ねじの引き抜き強度がほとんどありません。


マツ六の検証試験では、石こうボードのみに固定したブラケットに荷重をかけたところ、わずか19kgfで壁から完全に外れました。歩行補助手すりのBL部品基準値は120kgfですから、必要強度の6分の1にも届きません。子どもの体重すら支えられない水準です。


間柱のピッチは在来工法で約455mm間隔、2×4工法では約450mm間隔が一般的です。都合のよい位置に間柱がない場合、木製ベースプレートを使って下地補強を行ってからブラケットを固定するのが正しい対応です。なお、80mm幅の木製ベースプレートを使用する場合は、ねじピッチを500mm以内で施工する必要があります。


土壁(竹小舞下地)の和室では、土面にねじを打つことはできません。柱にベースプレートを固定する必要があり、壁面と柱面に段差(チリ)がある場合は突付け納めで対応します。ラスモルタルの浴室壁も同様に、裏側の下地へ固定する手順が必要です。


市販の石こうボード用アンカーや接着剤は、タオル掛けやフックなら十分ですが、体重をかける手すりには強度が根本的に不足しています。各製品の耐荷重・引き抜き強度は製品ラベルに明記されていますが、手すりの120kgf要件には対応していません。


施工前に必ず下地の位置をセンサーで確認し、カタログと施工マニュアルを手元に置くのが大原則です。下地確認だけは必須です。


マツ六公式のNG施工検証記事(下地なし施工編、実際の試験映像付き)。
【NGをやってみた】下地のないところに手すりをつけたらどうなる?|マツ六公式note


建築業者が知らないと損する:マツ六手すりカタログと介護保険住宅改修の連携活用術

建築業者にとって見逃せないのが、マツ六の手すりカタログと介護保険住宅改修費の連携です。多くの施工業者が「手すりは安い工事だから保険はあまり関係ない」と考えていますが、実はそうではありません。


介護保険の住宅改修費支給制度では、要支援・要介護認定を受けた人が対象となり、支給限度基準額は要介護度に関わらず一律20万円です。20万円の工事を行った場合、自己負担1割なら顧客の実負担はわずか2万円で済みます。手すり設置、段差解消、床材変更などに使えます。


ここで重要なのが、マツ六のバリアフリー建材カタログおよび手すりカタログに掲載されている商品は、介護保険適用の住宅改修に対応した商品として設計・整理されているという点です。カタログには「介護保険を活用した住宅改修に対応する商品」という明示があり、施工業者として保険申請の根拠資料を揃えやすくなっています。


実務上でよく使われる「遮断機式手すり」や「脱着手すり」も、カタログの住宅改修対応商品として掲載されています。また、介護保険住宅改修の対象となるのは「取付けによる手すり設置(工事を伴うもの)」であり、据置式はレンタル(福祉用具貸与)の対象となります。この区分を混同すると申請が通らなくなります。


要介護度が3段階以上悪化したり、転居した場合には、20万円の支給限度額がリセットされる制度もあります。これを知っておくと、同じ顧客から複数回の工事依頼につながる可能性があります。


神奈川県相模原市が公開している介護保険住宅改修Q&Aにはマツ六の「木製点手すり」が固有名詞で登場しており、行政の現場でもマツ六製品が活用されていることが確認できます。知っておくと得します。


介護保険の住宅改修費制度について詳しく解説している参考ページ。
住宅改修とは?介護保険でできる上限20万円の介護リフォーム|ハートページ


施工業者向けにマツ六製品を1個から当日出荷で対応している通販サイト。
ファーストリフォーム|マツ六株式会社運営の施工業者向け通販




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