

面取りかんなの基準になるのが「角面(かくめん)」で、角材・板材の角を一定角度で“スパッ”と落として直線の面を作ります。
現場で最も出番が多いのは、45°で自由に面幅を変えられるタイプで、巾木・枠材・手摺・見切りなど「当たると痛い」「欠けやすい」角を、狙った寸法で均一化しやすいのが強みです。
また面取り鉋は、必要な面に合わせて台の下端が作られ、その面と同様の刃先に研いだ刃を仕込むのが基本設計なので、角面は“まっすぐな面”を作るための最小単位と考えると理解が早いです。
角面で精度を出すときのポイントは、道具の“選び方”よりも「面幅の決め方」を作業前に固めることです。
例えば「糸面(ごく小さい面)」なのか、「塗装や手触りを想定して2〜3mm程度の面を入れる」のかで、同じ角面でも刃の出し・当て方が変わります。
小面ほど、材の反り・木口の硬さ・逆目の影響が出るので、最初から一気に幅を出さず、何回かに分けて“寄せる”意識が結果的に速いです。
「銀杏面(ぎんなんめん)」は、銀杏のようなふくらみを持つ曲線+段差を含む“飾り面”で、角の印象を柔らかくしつつ陰影を作れるため、和風造作や意匠材で効きます。
面取り鉋は、各種の刳形(くりがた)=多様な面を取る必要から種類が多い、とされており、銀杏面もその代表例のひとつです。
直線の角面と違い、銀杏面は「刃先の形」そのものが仕上がりになるので、研ぎで形を崩すと面が破綻しやすく、研ぎの再現性が品質を左右します。
銀杏面で失敗が出やすいのは、材の角に対して“入り”が強すぎ、最初の1〜2ストロークで形が決まってしまうケースです。
飾り面は、最初はごく浅く“当てて道筋を作る”→次に定規(ガイド)を安定させる→最後に形を整える、の順にすると戻りが利きます。
特に乾燥材や硬木は、刃が立っていても欠けやすいので、刃先の微小欠けが出たらそのまま続行せず、軽く直してから再開した方が仕上がりが速く安定します。
「坊主面(ぼうずめん)」は、角を丸く落として“やさしい丸み”を作る飾り面で、触れる場所(手摺・框・枠の見付け)で体感品質が上がります。
竹中大工道具館の解説でも、面取り鉋には代表的な面として坊主面や銀杏面などが挙げられており、用途の多さがそのまま種類の多さにつながっています。
坊主面は“丸面”に近い印象でも、実際は台の形と刃先形状で狙う曲率が決まるため、「サンドペーパーで丸める」のとは別物の輪郭が出ます。
坊主面のコツは「左右の揺れを消す」ことです。
面取り鉋には、作業中の台の揺れを防ぐための定規が付くものがあり、角を挟む固定式・面形を調整できる可動式がある、とされています。
参考)302 Found
坊主面のように曲面を作るほど、わずかなヨーイング(左右振り)が面に“段”として残るので、定規付きの鉋は仕上がりの均一化に直結します。
面取りかんなは「台の形」だけでなく「定規(ガイド)」の有無・方式で使い勝手が大きく変わります。
定規には、下端の両側に材の角をはさむ三角形の定規が固定されたものと、可動式で面の形が調節できるものがある、と解説されています。
さらに複雑な面を取るために刃を二丁仕込んだものもあるため、面取り=単純作業ではなく“断面形状を量産するための治具化”だと捉えると選定がしやすいです。
定規付きの最大メリットは、手が変わっても同じ品質が出やすいことです。
とくに現場では「この枠だけ妙に面が太い」「左右で丸みが違う」が起きがちですが、ガイドがあると“人の感覚”より“機械的再現性”が勝ちます。
逆に、材の角が既に欠けていたり、反り・ねじれが大きいとガイドが暴れるので、下ごしらえ(角の欠け修正、面の基準出し)を先に済ませると事故が減ります。
面取りかんなの刃幅は、15〜21mmが代表的なレンジとして紹介されており、角材・板材の角の面取りを想定した帯域です。
刃幅が小さいほど「狭い場所で回せる」「小面を作りやすい」反面、ストロークで面幅を稼ぎにくいので、量産性よりも制御性重視の道具になります。
一方で、面幅を大きく取りたい場合は、無理に一丁で完結させず、工程を分けて(荒取り→面取り鉋→最終の当て)にした方が欠け・逆目を抑えやすいです。
刃幅の選び方で意外に効くのが「材の幅」ではなく「持ち替え頻度」です。
例えば階段の鼻や枠の取り合いは、短い距離を何度も持ち替えるので、軽い小鉋・小刃幅の方が疲労が少なく、結果として面が揺れません。
また面取り鉋は、刃の調整が甘いと、同じ面幅でも片当たりして段が出るため、作業前に“左右均等に削れているか”を端材で確認する習慣が効きます。
面取りかんなの仕上がりは、研ぎと調整でほぼ決まります。
刃の裏の凸凹は平らに研ぐ、刃と裏金を刃裏どうし合わせてガタつきがあれば裏金の耳を叩いて調整する、といった基本が示されています。
さらに刃表は切れ刃を砥面にぴったりつけて研ぎ、先端だけを砥面につけないよう注意する、とされており、これは面取りのような小面でも“刃先角が安定していること”が重要だからです。
面取り鉋で忘れがちなのが「台頭(だいがしら)を叩く時の割れリスク」です。
刃を抜くときは台頭の左右の角を交互に叩き、中央を叩くと台が割れることがある、と注意されています。
参考)全国地形分類図による表層地盤特性のデータベース化, および,…
現場で忙しいほど中央を“コン”とやりがちなので、ここだけは手順を固定し、刃を押さえて飛び出し防止もセットで徹底すると安全と時短が両立します。
「このリンクは、面取りカンナの定規(固定式・可動式)や、坊主面・銀杏面など代表的な面取鉋の種類がまとまっている(種類の根拠に使える)ページです」
https://www.dougukan.jp/tools/29
「このリンクは、面取りカンナの刃幅(15〜21mm)や、刃調整・研ぎの基本(裏金合わせ等)が具体的に書かれているページです」
https://www.handsman.co.jp/diy-howto/how-to-plane/